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地方の中小メーカーに就職するとこうなる。

こんにちわ。
諸事情あって東京→ド田舎に引っ越し、そのド田舎の地元産業の零細タオルメーカー企業で働いていました。
その経験をもとに、地方中小メーカーのリアルについて書いていこう思います。

基本スペック:
わい→30代、既婚、元SE
会社→社員50人くらい、資本金1000万円。年商などは公開されていない。



①みんな仲良く超薄給、そして昇給はしない

まず、給料は異様に低かったです。
あえてリアルな数字を晒しますが、手取りで12~15万円程度、ボーナスは年額20万円程度でした。

特に女性はみんな一律で低いようで、経理だろうが製造部だろうがデザイナーだろうが同じ額のようです。
そして、勤続5年の先輩が「1円も昇級したことがない」と愚痴っていたことから、基本的に昇給はしないようです。

(なんか↑ここだけでもうお腹一杯ですよね。。)

ちなみに、男性社員の給料が高いかというと決してそんなことはなく、女性よりは高くて尚且つ昇給も(社長の一存でランダムに)あるっぽかったですが、年収にして300万円前後くらいではないでしょうか。

地方ではこのような給与水準で一生を終える人が多く、その大部分が高卒で既婚者子持ちです。
多分夫婦でずっと共働きしながら貧乏のまま子供を育て上げていいて、一見厳しい人生のようですが周りも同じ状況なので根本的な不満は感じないのと、人間的には穏やかで家族仲も良さそうな人が多いのが印象的でした。


②定時で帰れて有休が自由に取れる

これは①と違って全ての地方中小企業に当てはまるわけではないと思うのですが、
私がお世話になった会社は薄給以外には大きなブラック要素はなく、誰も残業はせずに定時で帰れていました。

育児中の人も多かったですが、保育園のお迎えも安定して行けて、子供が病気の時は普通に有休をとることができていて、産休育休も普通に取得して普通に復帰していました。
また、人間的にもこの地方特有の控えめな人が多く、怒られたりパワハラセクハラに合うことは全くありませんでした。


③家族経営で非効率、古き良き日本の会社

経営陣はワンマンな高齢の社長+経理の社長夫人+ぱっとしない後継ぎの娘夫婦という典型的な布陣でその下には15人くらいがオフィスで働いているのですが、中間管理職を設けていないため統率はいまいち、めっちゃ細かいことまで社長が指示してるので仕事の進みは大変悪かったです。
そして明確な評価制度もないので社長の一存で昇給が決まるのですが、明らかに社長の言うことを素直に聞く、休まずに真面目に働く>>>成果を出すなので、能力が高い人には理不尽、そうでない人にはある意味働きやすい職場だったと思います。

会社の設備は本当に必要最小限!という感じで、本社だけはコンクリート2階建てでしたが工場は波板で囲った中に木造の崩れそうな足場、埃が積もって今にも火を噴きそうな機械設備が置いてありました。
オフィス内も節電と設備が古いために夏は暑く冬は寒く、座りっぱなしなので常に足先が冷えていました。
あと、トイレが男女共同で一つしかない(しかも和式)のが地味に辛かったです。


まとめ:二度と働きたくないけどタオルの品質は良かったよ。

個人的には薄給な上になぜかSEの仕事までやらされたので(しかもワンオペ)速攻で退職した&二度と働きたくないのですが、
製品(タオル)の品質の良さや、人々の穏やかさはここにしかないものだなとは思いました。

地方にはまだまだ家族経営で何代も続いている老舗のメーカーが多いと思うのですが、、
その伝統(と従業員を薄給でこき使った)甲斐があって、タオルの品質は確かに素人目に見ても良かったです。
こういった老舗産業の技術やノウハウってけっこう貴重なものだと思うのですが、その割に販売価格が安く買い叩かれていて、結果低賃金労働者に依存することでしか存続できないブラック業界になっているのは残念なことだと思います。

この記事が、地方移住を考えている人、地元で就職するか迷っている人などの参考になれば幸いです。

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