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#23 毒親との関わり方 ~完全な絶縁、そして結婚から現在~

義両親への挨拶を無事に終えて数ヶ月、私の側の親戚にも、誰か一人くらいは夫を会わせておいた方がいいだろう、ということで、

最初は叔母(母の姉)を候補に考えていたのですが、叔父の体調が悪く入退院している状態だったので、90歳を前にしてバリバリ元気な父方の祖父に報告に行くことにしました。

まあ祖父ですから、二人で楽しくやってね、という感じで報告は終わり、11月だったので色づき始めた紅葉を楽しみ帰ってきました。

それからしばらくして、両親からメールが届きます(両親との連絡はすべてメール)。

「じいちゃんに会いに行ったようだが、親としては、相手には一度会っておきたい」というような内容でした。

実はこの頃、恥ずかしい話ですが、心身の不調の中廃業に向けて動いていて金銭的に大変な状況だったため、数年ぶりに両親に援助のお願いのメールをしていました。それもあって、両親からメールが来たわけです。

まだ彼と籍を入れていたわけではありませんでしたし、私の中にも、彼にばかり負担をかけるより、これまで散々私を傷つけてきた両親から、結婚前に取れるだけ取っておきたい、という気持ちもありました。

そんなお願いをしていた手前もあり、援助してもらうのにこちらだけ何も応じないでは筋が通らない、1度くらいは彼を引き合わせておくか、とやりとりしていたのですが、

予想していたこととはいえ、どうにも文面から、「相手には会いたいが、私には会いたくない」という思いがひしひしと感じられ、私はなぜこんな空しい交渉をしているのだろう、こんなことをしていても、お金とひきかえに自分がますます傷つくだけだと思い、

「私には会いたくないのに相手には会いたい、ということが、私には到底受け入れられることではないので、今後は一切お願いもしないし彼を紹介することもしません」とメールで宣言すると、

「ですから、極力あなたに会わない方向で婚約者の方に会える方法がないか相談したかったところです。会えればお礼を言いたかったです。普通、婚約者の両親も相手の親に会いたいでしょうし」(原文ママ)

という返事が。

分かっていたこととはいえ、これが両親の本音でした。「極力会わない方向で」って、すごい言葉ですよね。実の子供にかける言葉とは到底思えません。それを、何の悪気もなく言えてしまうのです。そして、こんな人を傷つける生き方をしてきたにも関わらず、何の疑いもなく、「相手の両親が自分達に会いたいだろう」と思える無垢さ。誉め言葉じゃありません。恐ろしいという意味です。

両親にとって、私の結婚を知ったことは、「私を宗教に引き戻すための千載一遇のチャンス」だったことには違いないでしょう。

宗教からの指導で、私とは面と向かって会えなくても、夫は「外から入ってきた部外者」ですから、会ってもかまわないわけです。それどころか、夫を介して、引き戻せる可能性だってあるかもしれない。そういう期待が両親にはあったと思います。

私もさすがにこの頃になると、そんな両親の思惑を感じることができていたので、これはもう、完全に縁を切るときだと絶縁を覚悟し、自分の甘えにもけりをつけて、

「自分の頭で考えられる明晰な頭脳を持った人間に生んでくれたことへの感謝(ほぼ皮肉ですが)」「経済的に何不自由なく育ててもらったことへの感謝」「これまでにどれだけ傷を負わされ、苦しめられてきたか」など、思いの丈をつづった長文を送りつけ、すべてを終わりにしました。

そんなわけで、それから2年、両親とは完全に絶縁し、無事入籍とひそかな結婚式を済ませ、すこぶる平和に過ごさせてもらっています。

支えてくれる夫のおかげで、お金と引き換えに心を切り売りする生活からも解放され、どんどん心が癒えていき、寝込んだり休んだりする時間も大幅に減って、日常生活をそこそこ営めるようになってきました。

今後、当然両親と連絡を取ることはありませんが、死ねばさすがにどこからかは連絡が来るでしょう。ただし、両親は宗教式で葬式をするはずなので、その宗教から“悪魔と認定”されている私は参列することはありません。そもそも許されないでしょうし、来て欲しくもないでしょうし、許されたとしても行くつもりはありません。

これから日々、少しずつ辛い記憶を薄めていき、自分という人間を磨き、少しずつ幸せを注いでいって、いつか、幸せがコップから溢れるほどになったら、身近な周りの人だけでなく、さらにもっとたくさんの人を幸せにできるように動いていきたいと思います。

毒親シリーズは、この23話でいったん完結となります。もしまた何か新しいエピソードや、スピンオフ的な感じで発信したいことが出てきた場合は更新します。

これまでお読みくださった皆様、本当にありがとうございました。

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