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#18 毒親との関わり方 ~変化のきっかけ~

これまで書いてきたとおり、家を出た18歳から20代後半までは、仕事、プライベート、心身の状態、生き方、すべてにおいて暗黒の時代を過ごしていました。

ちなみに、恋愛に関しても20代はもう、ただ一時の刺激、ドキドキ、ワクワクを求めていただけだったので、半年以上付き合うことも全くありませんでした。飽きてきたり、相手の気持ちが離れているのを少しでも感じると、すぐに自分の方から別れを切りだして別れていました。

根底にあったのは、「親ですら信じられないのに、他人を、まして男など本当の意味で信じられるはずがない」「本気で信じてしまえば、裏切られたときに傷つくリスクがあるから避けたい」という気持ちがあったと思います。

ですから、夢や妄想としての結婚願望はあっても、具体的に付き合う以上に踏み込むことはありませんでした。

そもそも、仮に結婚するとしても、自分の親を相手や相手の両親に合わせることはできない(したくない)し、自分自身も人に言えるような人生を送っていないので、“普通の人”と結婚などとてもできるはずがない、と思ってたのも大きいですが。

そんな中、独立前の28歳の頃に、副業で夜中にチャットレディをやっていた時期があり、そこで、私の人生を変える男性との出会いがありました。

毎晩のようにチャットで話をして、2週間ほど経ったころでしょうか、突然、「自分でも不思議なんだけど、大好きになってしまった」と告白されました。

顔は見えていませんでしたが、誠実な人、良い人だろうということは何時間も話して分かっていたし、

また、その時は独立を控えているにも関わらずお金が全くない状態だったので、これは助けてもらえるかもしれない、という、ある意味不純な思いも込みで、会うことにしました。

実際は、私よりひとまわり以上年齢が上(当時42歳)というのもあり、見た目も好みではなかったし、これまで付き合ってきたような、キラキラした社長でもお金持ちでもありませんでした。

でも彼は、兄を自死、母を若くして病気で亡くしており、本当の意味で、「人の痛みがわかる人」でした。そして、私の話を何時間でも聞いてくれる。そして聞いてくれるだけでなく、気持ちを理解してくれる。そんな人に会ったのは人生で初めてでした。

そして、会うようになって数ヶ月して私の誕生日になり、そのときに彼がくれたメッセージが、私の人生を変えることになりました。こんなメッセージでした。

「お誕生日おめでとう!

生まれてきてくれてありがとう。

神様に感謝。

ご両親にも大感謝。

これからもよろしくね。」

そして、

「もし、結婚することになったら、僕は必ずご両親にも挨拶に行くからね。ご両親が例えどんな極悪人だったとしても、あなたという宝物をこの世に産み出してくれたことに変わりはない。」と。

いやー、今思い出しても泣けます。というか、何度思い出しても泣けます。友達に話すと友達も泣きます。笑

正直、当時はそこまでの感動はありませんでした。まだ響く心になってなかったからなのか、思いもしなかった言葉ですぐには受け入れられなかったのかもしれません。

でも、時がたつにつれ、じわじわと暖まる湯たんぽのように、言葉が心に染みてきました。そして、いまだに冷めることがありません。

それまで、「生まれてきてくれてありがとう」なんて、両親にすら一度も言われたことなかった。宗教の教えで誕生日も祝ってもらえなかったし、そもそも、親孝行を拒否されてるくらいですから。

でも、彼がくれたメッセージのおかげで、私、生まれて良かったんだ、と思った。少なくとも、そう思ってくれる人が世の中に一人はいる。そう思うだけで、生まれ変わることが出来たのです。

しかも、両親に感謝するとまで言ってくれた。

虐待児がよく陥りがちなこととして、親のことを周りに話すと、自分以上に周りが親を悪く言う、というのがあります。

当然、親は悪いわけだから、非難されて当然なのだけども、そんな親と血が繋がっているのも変えられない事実なので、自分の親が非難されるということは、自分も非難され、悪い人間と言われているように思えてしまうのです。

それが、彼は、両親に感謝する、さらに私は宝物だ、と言ってくれた。

初めて、「私には生きている価値があるんだ」と思えたのです。

この人が、私の自己肯定感の半分を育ててくれた、と言っても過言じゃないと思います。

そして、独立するために必要なものを全部揃え、独立後も半年ほど、私を金銭面・精神面の両方で支えてくれた後、去っていきました。

こんな素晴らしい人なのに、お互いさまざまな事情はあったにせよ、どうしても結婚相手としては考えられなかった、というのが男女の難しいところですが、

とにかく彼が、「自分を肯定する」という、健やかに生きていく上でとても大事な、大きなきっかけを与えてくれたわけです。

結局、彼に直接の恩返しはできなかったので、今、そしてこれから、夫に、友人や周りの人、これから関わる人に、恩を返していきたいと思っています。

そして、30になり、なにか枷が外れたように楽になった私は、心に溜まっている重荷を解き放つために、親友の一人に、これまでのことをすべて話し、聞いてもらう決意をします。

続きは次回に。

お読みいただきありがとうございました。

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