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感動したデータ分析を紹介したい!

最近僕はある分析を見て、それに心底感動しました。
今日はそれを紹介してみます。

里崎チャンネル

あなたは里崎チャンネルを知ってますか?元プロ野球選手である里崎智也氏のYouTubeチャンネルで、登録者30万人の超人気チャンネルです。
僕はスポーツ全般が好きで里崎チャンネルもほぼ全ての動画を見ているのですが、最近投稿されたあるシリーズが凄まじいクオリティでした。
(一応)データ分析でご飯を食べている僕ですが、僕から見て、まさにデータ分析のお手本と言える動画なのです。里崎さんは別にデータアナリストという訳ではありませんが、センスはもうめちゃくちゃあると思います。

野球ファンの興味は選手が中心

その企画の名は「スカウト&編成査定」。
聞き慣れない言葉ですが、それも当然。里崎氏の作った概念だからです(多分)。
普段、プロ野球ファンは球団や選手個人の評価をしています。○○チームが優勝した、クライマックスシリーズに出場できなかったとか、○○選手がホームラン王になったとかです。ファンが見るのは選手であり、その集合体であるチームというのが常です。そこでは選手の評価を事細かに行っているファンが多くいます。野球は特に指標の多いスポーツで、選手個人の評価指標がそれこそ無数にあります。

その中にあって、里崎氏は「スカウト&編成」に目をつけたのです。

スカウト&編成査定

スカウト&編成とはどういうことでしょうか?これは少し込み入った話をする必要があります。
プロ野球にはドラフトという制度があります。ドラフト会議は聞いたことのある方が多いのではないでしょうか。ドラフト会議で各球団はプロ野球選手候補たち(高校生や大学生)に対し、自分の球団へのスカウトを行うのです。
実はここがミソで、スカウトの対象は各球団が自由に決めることができるのです。人気選手は複数球団が指名し、くじ引きになることもあります。しかし、かなりの人気選手であっても全球団が指名するということはないのがドラフト会議です。自球団の状況や、他の球団が誰をスカウトするかを読みながら指名選手を決める必要があります。

里崎氏の企画は、このスカウトがどれくらい上手いかを分析するという企画なのです!これは、今まで誰もやったことのない分析だったのではないでしょうか。少なくとも僕は聞いたことがありませんでした。

分析内容

さて、里崎氏はどのような分析を行なったのでしょうか。分析は下記の3ステップに分かれています。

①独自指標で選手を分類(S,A,Bなどを選手個々につける)
②ドラフト上位3選手×25年間について、①を集計
③チームごとに集計結果を比較

結果や詳細については動画を見ていただきたいのですが、①②での指標の作り方が見事で、「スカウトの能力を反映する選手個人の成績」となっているのです。ただの個人成績ではなく、個人成績のうちスカウトの能力を反映している部分をうまく切り取っているのです。
その発想と説得力にはただただ驚くばかりです。

伝え方

分析内容も素晴らしかったのですが、その伝え方もまた素晴らしいものでした。
まず、動画球団ごとの動画に分かれています。1チームごとに、年度ごとのドラフト上位3選手それぞれがランクいくつなのかを紹介していくのです。つまり動画が12本できるわけです。これだけでプロ野球ファンは楽しめます。


そして面白さのポイントとして、独自指標の基準は最終回まで明かされません。S,A,Bの基準は最後にならないと分からないのです。そんなのひどい!見ていてもやもやしそう!と思われるかもしれないのですが、これが全くそんなことないのです。基準は分からないのですが、なんとなく納得感があり、でも完全には分からないので先が気になるのです。
僕もまんまと(?)全部見てしまいました。

まとめ

里崎氏の分析で、僕が感動したのはこの三点です。

①誰もやったことのない分析だったこと
②独自の切り口で、納得感もあること
③面白く伝えられていること

特に③は分析者の方には軽視されがちかもしれないですが、僕は重要だと思っています。面白く伝えられると、オーディエンスの記憶に残りやすくなるからです。実際に僕は里崎氏の分析結果を今でも覚えています。
あなたの行なった分析結果、今でも覚えている人はどれくらいいるでしょうか?


以上、僕が最近感動した分析の紹介でした。感想などいただけると嬉しいです。
Twitter:https://twitter.com/hiyo_chang

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