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No.2 『捨てる力』 羽生善治 (著)

二冊目、『捨てる力』 (羽生善治 著/PHP文庫)

この本を読んだ理由は、史上初の永世七冠を達成した名棋士、羽生善治さんの考え方に触れてみたかったから。

私は将棋のルールを理解はしているが別に詳しいわけではない。しかし、どの業界でも一流の人の考え方に触れることで自分の考えの幅が広がると思った。

これはこの本の中でも羽生さん自身が語っている部分でもある。苦しい時の息抜きについて。違う職種の人と話したり、その人の言葉に触れたりすることで参考になることもある、と。

この本では、羽生さんの将棋に対する姿勢や、実際の対局の場面でどのように考えているいるのか、について書かれている。その中で、自分の学びで繋がったものをいくつか紹介する。

・同じプロセスを経てもこれくらいが“努力”と感じる人もいれば、これくらいは“当たりまえ”と感じる人もいます

この本の序章で、羽生さんが行っている将棋のトレーニングの基本について書かれている部分。努力という概念は曖昧なもので、それぞれの人によってどの程度を努力と呼ぶのかは違う。

他人やライバルと同じことをしていても、それを努力と捉えるか、当たり前と捉えるかは違う。それを当たり前だと思えるようになりたいと思った。

「今、自分は頑張って努力している!」と思って行うことはどうしても、継続するのに労力がいるように感じる。それが毎日の食事や歯磨きのように、当たり前のこととして捉えることができれば、何の苦も無く続けられるのではないか。

私が4月から始めた読書とこのnoteへの投稿も、最初慣れないうちは“努力”と感じると思うが、続けていくうちに日常の中の“当たり前”の一部になればいいと思う。

また4月から新社会人になり、仕事を慣れない環境に慣れたり、新しい仕事を覚えたりすることも当たり前と捉え、それプラスαの努力をしていきたいと感じた。(例えばTOEICの勉強とか、、、)


次にこの本のタイトル『捨てる力』について私が思ったことを紹介する。

羽生さんの将棋への姿勢を通して、データや過去の実績にとらわれすぎないこと・挑戦することの大切さに気付かされた。

素晴らしい結果を残した人は、それを守ろうとしたり、その位置に居続けたり、その時に用いた手法・考え方を使い続けたりしたくなるものだ。

羽生さんはこれを良しとせず、常に変化を求め続けている。自分が時間をかけて築き上げたものは愛着が湧くものだ。過去の膨大なデータにも頼ってしまいがちだ。しかしこれに縛られると新しいアイデア・いいアイデアは中々浮かばない。

羽生さんは、もちろん将棋の才能はあるのだろう。しかし才能だけではなく、過去のデータや考え方を積極的に捨てて、新しいことを考えようとしているからこそ、成長し続けられるのだと感じた。


また、選択することは捨てることだ。と語っている。

選択するということは、それまで考えてきた数々の選択肢を捨てるということ。先程と同様、時間をかけて考えた選択肢ほど愛着が湧き、捨てることに未練が残る。

もし選んだ選択肢がうまくいかなかった場合、「違う選択肢を選んでいればこんなことにならなかった」「あっちを選んでいればもっとうまくいった」と人は考えてしまいがちだ。

しかし、選んだ選択肢とは違う選択肢を選んだとしても、うまくいく保障なんてないし、もっと状況が悪化していた可能性だってある。

従って、選ばなかった選択肢に未練を残すのではなく忘れ、自分で決断したことに対して責任をもち、やりきることが大事だと感じた。


この本を通して、どの業界、職種でもその道で成功している人の考え方に触れることは学びが多いなと感じた。今後も自分の分野に関係ない分野でもその分野の一流の人の考え方から積極的に学んでいきたいと感じた。

最後に、私の胸に突き刺さった一文を紹介する。

・今努力しても突然強くなるということはありません。反対に、努力しないからといって突然弱くなるということもありません。

当たり前のことかもしれないけど、努力を継続することの大切さを再認識できた。


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