オンラインに「変更」するだけではないやりかたが必要なのではないだろうか?|8/30〜9/3
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オンラインに「変更」するだけではないやりかたが必要なのではないだろうか?|8/30〜9/3

コロナ禍の日々の記録。平日の仕事を中心に。土日祝は休みます(例外あり)。2020年の1回目の緊急事態宣言の最中にはじめた日記はこちらから。3回目の緊急事態宣言解除の日から再開。しばらく続けたい。

2021年8月30日(月) 自宅

週末に保育園から連絡があり、こどもが濃厚接触者になった。部屋を分けたり、マスクをしたり、消毒に気を配ったりしてみるけど、家庭内の感染を避けるのは難しいことを痛感する。午前中に保育園でPCR検査キットを受け取り、検体を提出。結果は1日夜までに分かる。陰性の場合は保育園から、陽性の場合は保健所から連絡が来るのだという。なんとも気持ちが落ち着かない。
財団の基準では「同居家族が濃厚接触者の場合は自宅勤務」。家族全員が家にいるなかで仕事をしていると、最初の緊急事態宣言のときの閉塞感が思い起こされる。ましてや検査結果が陽性となれば「外に出ない」ではなく「外に出れない」という状況が続くことになる。家族が疑わしい状況になったとしても、在宅勤務が求められる。であるならば、出来るかぎり、みんなで家にいて、少しでも状況が落ち着くまでしのいだほうがいいのではないかとも思えてくる。
午前から集中してパソコンに向かう。意外と作業は捗った。午後はZoomをつないで、次年度に向けての戦略ミーティング。東京アートポイント計画での、これからの自治体との連携のありかたを検討する。共催することの先方にとってのメリットとは何か? 「共催」以外に、どんな連携の仕方があるだろうか? 議論は尽きない。終了度は細々と書類に手を入れ続ける。
先週末に東海大学の水島久光さんから新著『「新しい生活」とはなにかー災禍と風景と物語』を献本いただく。Art Support Tohoku-Tokyoで制作してきたジャーナル『FIELD RECORDING』にふれられていた。

(『FIELD RECORDING』には:引用注)「聞く」という行為を媒介とした一見パッシブ(受動的)な行為が、関係性をつなぐ可能性について記録されている(223頁)

「東北の風景をきくー『FIELD RECORDING』に集った人々」という項目が立ち、各号に登場した人々の声が読み解かれていた。ほかにも知っている名前が並んでいる。水島さんと面識はない。それでも『FIELD RECORDING』を媒介にASTTの経験がリレーをするように読み返されていく。「メディア」づくりの醍醐味なのだろう。そんなよろこびを噛み締める。
9月12日までの緊急事態宣言が再延長の可能性。東京都の新規感染者数は1,915人。1ヶ月ぶりに2,000人を下回る。東京医科歯科大学が新たなデルタ株を確認。「この変異は国内で起きた可能性が極めて高い」とのこと。

2021年8月31日(火) 自宅

米軍アフガン撤退完了。2001年の同時多発テロ以後、20年に及んだアメリカ軍の駐留が終わる。日本政府は自衛隊の撤収命令を出した。
下の子のPCR検査結果待ちのため在宅勤務を続ける。上の子の小学校は明日から再開。オンライン授業も選択出来るため、対象者は今日小学校でパソコンを受け取る予定だった。が、小学校に下の子の状況を伝えたところ、家族も入校出来ないとのこと。パソコンを取りにいけず、明日はオンライン登校も出来なくなった。仕方ないと思いつつも、なんのためのオンライン措置なのだろうかとも思う。保育園から来たこどもが濃厚接触者になったという書面の通知には、家族には特段の行動制限はないと明記されていた。ただし、職場や学校の判断に応じるべしということも付記されていた。制限はしない、判断は各所に委ねる。自助、自粛、自衛……お馴染みの論法だ。
午前中は係会(注:東京アートポイント計画のスタッフ定例会)にZoomで参加する。回線が不安定で何度も落ちてしまう。家族みんなが家にいて、複数の端末がネットに接続しているからだろうか? 係会では、これからのウェブのありかたを考えるうえで、Z世代(1990年代中盤〜2000年代生まれ)の意見も必要なのではないかという話題になる。スタッフに該当世代はいない。手探りで議論しつつ、Z世代との出会い方は要検討となる。
東京都の新規感染者数は2,909人、9日連続で前の週は下回る。国内では17,713人、重症者は19日連続最多更新。綾瀬はるかがコロナ感染で入院(回復に向かっていると所属事務所が公表)。28、29日に愛知県で開催された音楽フェスが感染対策不十分だった(観客が「密」で酒提供あり)とSNSをはじめ、ニュースで話題になっている。県知事は猛抗議し、経産相は対策違反があれば補助金取り消しの考えを示す。

2021年9月1日(水) 自宅

曇り空で涼しい。夏休み4日目を消化。とはいえ、外出はしない。昼過ぎに保育園から連絡があり、こどものPCR検査の結果が陰性だとわかる。随分と気持ちは軽くなる。それでも来週中旬まで健康観察期間となり、登園は出来ない。その間に災害があった場合、本人は避難所には行けないのだという。何かあったら行政から連絡が来るとのこと……。結果的に陽性ではなかったものの、この数日で、さまざまな制限を実感する。そして、少し前にコロナ禍での経験を記した文章の1節を何度も思い出した。

教訓は、文化へのアクセス権を保障し、可能な限り私権を制限しないということだろう。これが美術館運営の大前提であり、その上に表現の場が成立する。表現の自由はそれがあって初めて可能となるはずだ。
木下直之「美術館をなぜ開けなければならないのか」『文化資源学第19号』、文化資源学会、2021年、42頁。

感染だけが理由ではなく、事業へのアクセスが困難な人は増えていくだろう。感染者、濃厚接触者、感染の可能性が高い人、そしてその近しい人たち……そんな人たちがアクセス可能な事業のかたちとはどんなものだろうか? オンラインに「変更」するだけではないやりかたが必要なのではないだろうか?
アサダワタルさんコロナ禍における緊急アンケートコンサート「声の質問19 / 19 Vocal Questions」アートアクセスあだち 音まち千住の縁)で使う(かもしれない)音源を収録する。用意された質問をこどもに読んでもらい、スマホで声を録音する。質問をスケッチブックに書き出したフリップを用意し、3、2、1と指を使って読み上げタイミングのキュー出しをする。そんな「仕立て」が盛り上がる。
今日は1923年の関東大震災から98年目(で、防災の日)。国立映画アーカイブは「関東大震災映像デジタルアーカイブ」をオープンした。

2021年9月2日(木) 自宅

寒いくらいの涼しさ。天気予報では10月中旬並みだという。今日も終日在宅勤務。午前はZoomでACF(Artist Collective Fuchu)のミーティング。企業に不要な素材をもらい、アーティストとともに創造的な体験をつくることを目指す新規事業の「ラッコルタ」。いくつかの企業から反応をもらい、アーティスト候補も絞れてきた。それでも決められそうで決まらない。どうしても状況的に手探りなことが多くなる。
あとはひたすらパソコンに向かって書類づくりに集中する。細切れに飛び交うメッセージに反応し、やりとりを重ねる。あっという間に1日は終わっていく。暗くなった頃から激しい雨が降りはじめる。
昨日から印刷がはじまった渋沢栄一の肖像が入った新たな1万円札は「目に障害がある人が指で触って紙幣の種類を識別しやすいようお札に凹凸を付けているほか「10000」という数字を大きくすることで視力の弱い人や漢字を読めない海外の人でも分かりやすいように」してあるのだという。SNSでは、その「10000」の見た目に対する批判的な意見も流れている。
「世界気象機関は1日、1970年から2019年までの過去50年間の異常気象による被害についてレポートを公表」し、「干ばつや洪水など10年ごとの災害件数は5倍になり、50年間で1万1000件を超え」たのだという。
東京都の新規感染者数は3,099人。モデルナ製ワクチンに混入した異物は製造機器の破片であるステンレスだと判明した

2021年9月3日(金) 自宅

今日も曇り空で涼しい。もう暑さは戻ってこないのだろうか? オンラインミーティングもなく、終日在宅で書類仕事に集中的に取り組む。
菅首相が自民党総裁選への不出馬を表明。突然のことで驚きのニュースが流れている。東京都の新規感染者数は2,539人、12日連続で前週の同じ曜日を下回る。

(つづく)

▼ 1年前は、どうだった?(2020年の日記から)

▼ Art Support Tohoku-Tokyo 2011→2021「2020年リレー日記」。1年前の9月の書き手は、西村佳哲さん(リビングワールド 代表)→遠藤一郎さん(カッパ師匠)→榎本千賀子さん(写真家/フォトアーキビスト)→山内宏泰さん(リアス・アーク美術館 副館長/学芸員)でした。


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アーツカウンシル東京 プログラムオフィサー。東京アートポイント計画、Tokyo Art Research Lab、Art Support Tohoku-Tokyo(-2020)を担当。近刊は『震災後、地図を片手に歩きはじめる』(アーツカウンシル東京、2021年)。足しびれがち。