当分は終わらないだろうと思いつつ、どこかで終わりを期待している|9/6〜9/10
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当分は終わらないだろうと思いつつ、どこかで終わりを期待している|9/6〜9/10

コロナ禍の日々の記録。平日の仕事を中心に。土日祝は休みます(例外あり)。2020年の1回目の緊急事態宣言の最中にはじめた日記はこちらから。3回目の緊急事態宣言解除の日から再開。しばらく続けたい。

2021年9月6日(月) 自宅

寒いくらいの涼しさ。地面は濡れていたけれど、雨は降っていない。曇り空。午前から在宅でパソコンに向かう。ここのところ、新しいパソコンを買うかを迷っている。キーボードのA、N、Kが消耗してきた。たまにZoomの接続が不安定なのはマシンのスペックもあるのではと睨んでいる。リモートワークが増えて、この1年で随分とパソコンを使い込んだ。これからどれだけオンライン生活が続くのか。その見通しによって買う機種も変わってくる。当分は終わらないだろうと思いつつ、どこかで終わりを期待しているだけに買い渋っている。
午後はZoomでミーティング。近況を共有するなかで近親者が陽性になった話をきく。進行する対応の逼迫感が伝わってくる。休校と休園、濃厚接触者、健康観察期間、ブレイクスルー感染、保健所、PCR検査、パルスオキシメーター、酸素吸入機、病院の受け入れ、ワクチン(1回目と2回目)、副反応、ロキソニン……昨今の共通言語を駆使して、互いの状況を共有する。よくしゃべる人たちがいる地域、そもそも言葉少なに距離をとる人たちが多い地域では、感染の広がり具合も違うのではないだろうか。たまにニュースでは国民性が話題になるけれど、地域性もありそう。行き場のない気持ちも「しゃべる」だけで気分は変わる。
東京都の新規感染者数は968人。1ヶ月半ぶりに1,000人を下回る。政府のコロナ分科会はワクチン接種証明や検査の陰性で、行動制限を緩和することを提言。政府は首都圏で12日までの緊急事態宣言の2〜3週間延長を検討。

2021年9月7日(火) 自宅

終日の在宅勤務。午前はZoomで係会(注:東京アートポイント計画のスタッフ定例会)。コロナ禍になってから、東京都の担当職員が交代でコロナ対応の部署に異動になっている(数か月すると戻ってくる)。今度は課長が、陽性者を隔離するホテル勤務になるのだという。都の一般行政職の職員数は約2万人。あらゆる「渦中」の最前線にいる人たちのことを想像する。
区市町村といった自治体との連携も話題にあがる。行政と組むにあたって「なぜ、NPOと共催なのか?」と問われることが多い。事業を業者に委託するのではない。横並びで、公的な目的を実現するために手を携えて事業をする。そのイメージがなかなか共有できない。今一度、根幹を説明していく言葉が求められる。どうしようかと頭をひねりつつも、いつまでも「前提」にならないもどかしさを感じる。
それぞれの事業進捗を共有すると、関係者が濃厚接触者(やその疑い)になったことに対応する事案が増えてきた。対応したスタッフから「(事業のコロナ対策)ガイドラインがあることで判断することができた」という話が出る。想定はしていても、実際に起こるとあたふたしてしまう。気持ちとしては、どうしても「やれる」方法を模索してしまう。そのとき「やらない」基準を、はっきりもっているのは大事なのだと。ガイドラインは対策から運用の段階に入った。
午後は粛々と書類仕事などをこなす。数ヶ月、各所を調整し続けた書面の落としどころが見えてきた。このまま決着まで進むことを願う……。
東京都の新規感染者数は1,629人。文部科学省の調査では夏休み延長や臨時休校を実施している公立小中学校は10%超、分散登校や短縮授業の実施は20%超(全国の教育委員会を対象に調査したもの)。感染拡大地域の比率は、もっと大きいのだろう。
千葉市で18日、19日に開催予定の「スーパーソニック」は主催者が「予定通り開催」の意向。県知事に説明し、知事は入場者数削減など再要請(市は延期か、観客5,000人以下を要請、県は入場者数削減を要請していた)。この頃、音楽フェスの開催可否のニュースが多い。

2021年9月8日(水) 自宅

朝昼晩とオンラインミーティングが続く。ひとつ目は「移動する中心|GAYA」のミーティング。いよいよ、サンデー・インタビュアーズの活動に伴走する橋本倫史さんの連載がはじまる。noteの下書きを見ながら、タイトルの書きぶり、クレジットのあしらいなど記事の仕立てをブラッシュアップする。「SIは見た」も着々と進行し、GAYAを伝えるチャンネルも増えてきた。進捗確認後は、これからの展開も議論する。話を聞きながら、手元のノートに手書きで事業の構造を図示してみる。前にも、こんなことをやったことがあったような……。昭和の8mmフィルムの映像を、ロスジェネ世代(=サンデー・インタビュアーズ)が見て、話して、映っているものを調べる。親世代が生きた時代を知ることになる。それは自ずと「世代間のきくーはなす」の身体づくりにつながっているのではないだろうか?
午後は集中的に議論を進めている次年度の動きにかかわる戦略ミーティング。要件や懸案を洗い出し、議論を重ねる。夜は「ラジオ下神白」のミーティング。今年度のかたちにする方向性が決まる。いろいろなことが構想から落とし込みのタイミングになだれ込んできている。
19都道府県で9月30日まで緊急事態宣言の延長が決定(宮城県と岡山県はまん延防止等重点措置に移行)。2021年1月から9月までの273日中211日が緊急事態宣言というツイートを見かける。今年は、ほとんどが緊急事態だ。経産省は感染防止対策が不十分だったと「愛知の野外音楽フェス」の補助金交付取り消しを発表政府は10月以降に行動制限緩和を検討。東京都の新感染者数は1,834人。17日連続で前週を下回る。

2021年9月9日(木) 市ヶ谷

朝から雨。ひさびさの出社。立体型の不織布マスクを使いはじめる。鼻と顎にマスクを浮かせるパーツがある。布が口に触れず、空間が生まれることで息がしやすい。息がこもると若干暑そうだけど、着け心地はいい。
デスクに溜まった郵便物や回覧資料に目を通す。京都市文化芸術総合相談窓口(KACCO)が発行した2つの報告書(『2020年度 コロナ禍における京都市の文化芸術支援 事業報告書』と『京都市文化芸術活動再開への挑戦サポート交付金/発表・鑑賞拠点継続支援金 活動レポート』)が目に留まる。取り組みの内容や実績だけでなく、かかわった人たちの寄稿や鼎談も収録されていた。「鼎談 京都から考える新しい文化政策のかたち(遠藤水城、橋本裕介、山本麻友美)」を読む。(京都にはない)アーツカウンシルのことが熱心に議論されている。ふとアーツカウンシルネットワークの勉強会でKACCOの話があるというお知らせを思い出し、すかさず、申し込む。
午後は瀬尾夏美さんとZoomをつなぐ。次回ゲストトークをお願いしていたTokyo Art Research Lab ディスカッション「災間を生きる術(すべ/アート)を探る」の進め方を相談する。参加者は瀬尾さんが金沢21世紀美術館の展示で使っている「コロなかワークシート」を事前に記入し、当日はブレイクアウトルームで書いたことを共有してみることになった。コロなかワークシートはコロナ禍の前後の時間のつかいかたや気持ちの変化、印象に残った出来事を思い出し、書き出すもの。コロナ禍の生活を記録するものであり、対話を促すツールでもある。震災後に瀬尾さんが培ってきた技術を、実際に体験してみるのがねらい。当日のタイムスケジュールをつくり、ブレイクアウトルームの運用方法を確認し、参加者へワークシート記入のアナウンスと提出用のドライブを用意し……と、必要な作業をメモする。

2021年9月10日(金) 市ヶ谷→自宅

通勤で乗っていた電車が止まる。20分ほど遅れて出社。オフィスで手を動かし、午後は在宅に移行する。来年度の新たな事業の構想を練る。とはいえ、これまで取り組んできたことをかたちにする作業に近い。トピック、人、場所、やりかた……思い浮かぶ要素を組み合わせ、時系列に展開する。アイディアとは無から有を生み出すことではなく、手持ちの素材が「何か」になる接着剤のようなものなのだと思う(アイディアの訳語が「着想」とは言い得て妙だ)。新たな配合から連鎖するように別の要素を思い起こす。こんなところでつながるとは……あのときはわからなかったけど、やっておいてよかったなと思うことも多い。いまは、なんとなく気になることに手を伸ばし、たまたま誰かに出会ってしまうような動きがとりにくい。この閉塞感は、インプットの足りなさなのではなく、アウトプットが枯渇する不安に由来するのかもしれない。
東京都の新規感染者数は1,242人。全国は8,895人で、4日ぶりに10,000人を下回る。9月6日で3年が経った北海道胆振東部地震のニュースを、福島県いわき市の復興公営住宅「下神白団地」に通ってきた「ラジオ下神白」の「通えない」状況と重ねて読む。

2018年の北海道胆振東部地震で被災した人の心のケアが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けている。保健師のカウンセリングなどが実施しにくい状況にあるからだ。被災地の厚真、安平、むかわ3町で支援が必要な人は減少傾向にあるが、仮設住宅からの転居で孤立する高齢者もいて、コロナ禍でも継続的な支援が求められている。
「北海道胆振東部地震 コロナが阻む被災者への心のケア」朝日新聞デジタル、2021年9月10日

(つづく)

▼ 1年前は、どうだった?(2020年の日記から)

▼ Art Support Tohoku-Tokyo 2011→2021「2020年リレー日記」。1年前の9月の書き手は、西村佳哲さん(リビングワールド 代表)→遠藤一郎さん(カッパ師匠)→榎本千賀子さん(写真家/フォトアーキビスト)→山内宏泰さん(リアス・アーク美術館 副館長/学芸員)でした。


多謝!
アーツカウンシル東京 プログラムオフィサー。東京アートポイント計画、Tokyo Art Research Lab、Art Support Tohoku-Tokyo(-2020)を担当。近刊は『震災後、地図を片手に歩きはじめる』(アーツカウンシル東京、2021年)。足しびれがち。