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話すことの効用は大きい|1/17〜1/21

佐藤李青(東京アートポイント計画)

コロナ禍の日々の記録。平日の仕事中心。土日祝休(例外あり)。2020年の1回目の緊急事態宣言の最中にはじめた日記はこちらから。3回目の宣言解除の日から再開。少し休んで「第6波」から再々開。

2022年1月17日(月) 自宅

15日は南太平洋のトンガで大規模な海底火山噴火が起こった。同日の夜には日本にも津波警報が出た。夜中から朝にかけて、何度もスマホのアラートが鳴った。強いトーンで「早く逃げて」とニュースは告げていた。宇宙からの映像には、地球に表面の一角に、突如として同心円上に広がる噴煙が、はっきりと映し出されていた。通信などが遮断されているのだというトンガの様子は、まだわからない。
今日で阪神・淡路大震災から27年が経つ。朝のニュースでは、震災を体験していない世代の取り組みが話題になっていた。ウェブサイトにアップされていた高森順子さんのNHKの取材映像を見る。コンパクトにまとまっていた。
随分と遅れてしまったTokyo Art Research Lab(TARL)ディスカッション「災間の社会を生きる術(すべ/アート)を探る」のナビゲーター振り返りの原稿を仕上げる。議論の内容は充実したレポートで読むことが出来るから、企画の生まれた経緯と、次の議論につなげる「災間文化研究」のスケッチのようなものを記してみた。ちょっと書きかたを凝りすぎただろうか? 明日読み返そう。

アーツカウンシル東京の仕事にとって、必要なものはなんですか? と聞かれる。ときに中間支援は自分の手を動かすだけでなく、かかわる人たちが動きやすくなるように(動けるようにするために)、その場で必要な役割を果たす(立ち回る)ということが求められる。だから、自分の立ち位置に自覚的であること……なのだろうか、と答えつつも考えこんでしまう。
東京都の新規感染者数は3,719人で先週の月曜日の4倍。「11都県に重点措置を適用へ 首都圏や東海など、期間は3週間で調整」とのこと。

政府は東京、埼玉、千葉、神奈川の首都圏4都県や愛知、岐阜、三重の東海3県など計11都県に新型コロナ対応の「まん延防止等重点措置」を適用する方向で最終調整に入った。18日に関係閣僚で対応を協議し、19日にも専門家に諮り、正式決定する見通し。期間は1月21日から2月13日の約3週間で調整している。

2022年1月18日(火) 市ヶ谷

朝から市ヶ谷に出社する。午前は係会(注:東京アートポイント計画のスタッフ定例会)。次年度に向けての体制など急な動きが激しい……ということが話題になる。年が明けてから、年度末と新年度のリアリティが高まる。感染者数の急増も気にかかる。まん延防止等重点措置(まん防)の期間に予定されている事業の動きかたを確認する。「前のまん防のときは、どんな感じでしたっけ?」「ほとんど緊急事態宣言中だったから、意外とまん防の期間は少なかったのかもね」と話しつつ、すっかり「そのとき」のことを忘れている。また先が読めなくなった。感染者数は急に伸びたから、急に落ちることはあるのだろうか? そんな期待もしてしまう。
午後は外に出ようと思っていたけれど、結局パソコンの前で手を動かし続けることで終わってしまう。やろうと思ったことは終わらなかった。ここ最近は来年度の話にばかりかかわっている気がする。
東京都の新規感染者数は5,185人で、火曜日としては最多。大阪府は5,396人で過去最多、一時は6,000人超えというニュースも流れた。全国の感染者数は初めて30,000人を超えた。トンガ政府は海底火山の大噴火による津波が15mだったと発表。航空写真も掲載されていたけれど、まだ全貌はわからない。

2022年1月19日(水) 市ヶ谷→秋葉原

朝当番のため、市ヶ谷のオフィスに出社。在宅勤務がはじまり、オフィスに誰もいない日がないように1日2人ずつ朝の在室担当を決めている。とはいえ、出社し、Zoomで短いミーティングをし、1時間そこそこで秋葉原のROOM302に向かう。午後のジムジム会の接続チェックと流れの確認などを行う。東京アートポイント計画の共催団体の横のつながりや相互の課題共有、学びあいの場づくりをしてきたジムジム会。今年は毎回ホスト団体を決めて、担当プログラムオフィサーと一緒に内容をつくっている。「移動する中心|GAYA」の水野雄太さんと進行を詰める。水野さんの準備した発表は、きっちりと整った流れになっている。あとは時間が足りるか……どうか。テーマは「アートプロジェクトの記録と記憶をめぐる七転八倒」。前半は水野さんと松本篤さんがGAYAやAHA!の取り組みを紹介しつつ、プロジェクトを展開するうえで抱えていた課題から「事務局の当事者研究」に行き着く。「自分たちで記録する/できたものをそのまま記録する/誰かに記録してもらう」という分類を、かける「時間」と「お金」の軸で図示した手捌きが鮮やかだった。後半は、GAYA以外の共催事業8つが順番に、自分たちの記録と課題について話をする。記録や広報、つくったメディアの話をすることで、結果的にプロジェクト「運営」の課題が浮かびあがってくる。「伝わっている実感がない」……ウェブなのか、紙なのか。「誰がターゲットになのか」……どれくらいの年代、母語は日本語なのか。 「日々の記録が何になるのだろうかと思ってしまって、続かない」……ルール化する、メディアや方法の選択で作業のハードルを下げる、記録を使う場をつくってはどうか(日報の読書会とか!)。時間が足りず、個々の事例が深掘り出来なかったけれど、このテーマで話すことの可能性を実感する。東京アートポイント計画の活動だけじゃなく、似た活動をする人たちを呼びこんだ場づくりにつながるんじゃないだろうか? ピアレビューのその先へーー自分たちが大事にする価値を承認しあう領域をつくるような……。
東京都の感染者数は7,377人。昨年8月13日の5,908人の最多記録を大幅更新。着々と年度末が忍び寄るこの時期に感染することで2週間出社できなくなることが怖い。「人流抑制より、人数制限を」みたいな言葉もあるけれど活動を「閉じる」議論は、これまで以上に少ない。それでも、この後の伸び次第で、どうなるかはわからないのだろう。政府は13都県にまん防適用を決定。

2022年1月20日(木) 自宅

WHOの事務局長は18日の記者会見で新型コロナウイルスの「パンデミック収束「程遠い」」と発言。2019年12月8日に世界初の感染者を確認、2020年1月15日に国内初の感染者確認、2020年3月11日にWHOは世界的なパンデミックを宣言……20XX年WHOがパンデミックの収束を宣言……はあるのだろうか。あるとしたら、いつになるのか。
午前は在宅で仕事をこなす。TARLディスカッションのナビゲーターによる振り返りのテキストをウェブに登録し、昨日公開した最終回のレポートのSNS記事の下書きをつくる。次の議論を、どうつくるかの議論もはじまった。
午後は都立大の非常勤。授業は今日を入れて、あと2回。震災後を1年ずつ読んできた『あわいゆくころ』を読み終える。後日談として「二重のまち/交代地のうたを編む」の話をし、交代地に「旅人」として参加したコダハルカさんの「生きて」をみんなで聴いて終わる。<継承のはじまりの場>が生んだ名曲。表現によって継承された動機は、異なるかたちで現れる。

夜はAAOクロストーク vol.2「アーカイブの「ことはじめ」と「つみかさね」 ーアートプロジェクトの現場で試みてきたことー」をウェビナーで視聴。アーカスプロジェクトが続けてきたアーカイブの取り組みの精緻さに驚く。志村春海さんが茨城県大子町でのAHA!との活動の話をしていたことにつながりを感じつつ、その後、栃木県足尾町で志村さんが手がけた「ごめんください、足尾のこと教えてください!」(日光市足尾地域生活史聞き取り事業)が気になる。聞き取りしてつくったという冊子を読んでみたい。
東京都の新規感染者数は最多更新の8,638人。全国も過去最多で46,000人を超えた。政府はまん防を8都道府県追加で調整。保育園から登園自粛の要請の連絡メールが来る。市からの文書と市長メッセージも出た。園に出勤できない職員が多数いるのだという。影響は、突如やってくる。そうだった。

2022年1月21日(金) 市ヶ谷

手がかじかむ寒さ。午前から出社。プチリニューアルを進めている東京アートポイント計画のウェブサイトの文言を検討する。短くすると抽象的になり、ちゃんと説明しようとすると長くなる。当然のことだけど調整が難しい。午後は東京アートポイント計画のアニュアルブック『Artpoint Reports 2021→2022』(仮)のためのインタビューを受ける。起こったこと、考えていたことを整理しながら話しつつ、話すことで新たなことばが現れてくる。話すことの効用は大きい。

(つづく)

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佐藤李青(東京アートポイント計画)
アーツカウンシル東京 プログラムオフィサー。東京アートポイント計画、Tokyo Art Research Lab、Art Support Tohoku-Tokyo(-2020)を担当。共著に『10年目の手記 震災体験を書く、よむ、編みなおす』(生きのびるブックス、2022年)。