体重増加しすぎていませんか?

今回は、体重増加のことについてお話しします。
妊婦健診の時には必ず体重測定があります。
正直、イヤじゃないですか?つわりの時期以外体重は、妊娠中は基本的に減ることはないですから、測るたびに増えたの、太り過ぎだの言われたことはないですか?
「もう、放っておいて」
と思ったことのある方は多いのではないでしょうか?
でも、なぜ体重が増えすぎると注意されるか知っていますか?
「肥満になるから?」
正解です!
でもそれだけではないです。
ママと赤ちゃんが、安全に、妊娠、出産できるためにしていることなんです。
「そんなこと知ってます。」
という声が聞こえてきそうですね。それでは、体重が増えすぎると、何が起こるのでしょうか?
もちろん答えられる方は、たくさんいらっしゃると思いますが、言葉につまる方もおられるでしょうから、お話していきますね。

適切な体重増加は、妊娠前の体型(BMI)にもよりますが、概ね7〜12kgです。もともと肥満傾向がある場合は、3kg以内となります。

体重が増えすぎると、血圧が上がったり、蛋白尿が出たり、むくみが出る妊娠高血圧症候群になるリスクが上がりやすいと言われています。

妊娠高血圧症候群は、妊娠後半期に出やすいです。その時期に体重が増え過ぎていると、医師や助産師は注意深く観察していく必要があるのです。

特に妊娠後期に、急激に体重が増えている時は、太って増えているのか、全身がむくんで増えているのかを血圧や尿検査などと総合的に診ていかないといけないのです。

妊娠高血圧症候群は、母子の生命に関わるおそろしい状態のため、場合によっては周産期医療を専門に診ている病院に転院することもあります。

妊娠高血圧症候群には、目立った症状はありませんから、自覚がないまま静かに病態が進んでいきます。そこがこわいところでもあります。

もちろん肥満の他にも原因になる要素もありますが、体重は妊婦さん自身がコントロールできる要素です。

だから、妊婦さんは、妊娠高血圧症候群になるリスクが高い状態になるのを避けるために、口うるさく体重増加について言われるのです。


もう1つ体重増加によるリスクがあります。

それは、難産になるリスクが高いことです。

満期になったら、陣痛が始まり、出産になるのですが、体重増加が大きい方は、そうでない方と比べて贅肉のため産道が狭くなったり、微弱陣痛になったりして、お産の進行がゆっくりになることが多い印象があります。

また、お産についてのお話はまたしたいと思っているので、ここでは簡単に説明していきます
お産の進行がゆっくりというのは、簡単に言うとお産がなかなか終わらないということです。これは、ママにとって体力的にも、メンタル的にもとても辛いことですし、無事な出産を待っているご家族にとっても心配なことになります。

もし、妊娠中の体重増加を適切なものにしていれば、避けられるのであれば、絶対にその方が良いと思います。

前回の産後のお話でもしたように、新しい生活に入る時に、身体も心も疲れ果てて入るのはつらいと思いませんか?

食べたい時に好きなだけ食べて、太り過ぎになってしまうよりも、日頃から体重が増えすぎないように意識することで避けられるのであれば、その方がコスパがいいのではないでしょうか?

妊娠から、出産、産後と繋がっています。特に、出産まではそんなに長い時間ではありません。できるだけ健康に過ごしていくことが、安産への道です。

りんご 「2週間で1.5kg増えてけど、何か                
              心あたりありますか?」

妊娠A      「家で測った時は増えてないです」

妊婦B      「食べてないのに太るんです。
      でも最近お腹が空くので
      よく菓子パンを食べています。
      おやつじゃないからいいです
      よね!」

妊婦C       「……」


助産師りんご、今日も戦う。


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