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作品の個人評価...

モノづくりを生業にされている方って多くいらっしゃると思いますが、「この作品を作ったのは私です」と一人称で答えられる人って、割合からすると少数派ではないだろうかと思います。

まぁ、そんなことはどうでもいいのですが…

そういう、一人称(に近い人も含めて)でモノづくりをされている方たちって自分の作品をどう見ているんでしょうか?

有体に言って、

「自分の作品、好きですか? それとも嫌いですか?」

嫌いっていう人は少ないだろうとは思いますが、

1.「何だかよくわからない。あんまり考えてない」
 愛憎相半ばす
というパターンもあるかな。こういうところは好きだけど、ここは嫌いとか。自分の作品の欠点は作者が一番よく知ってるからね…。

とか、

2.「作品自体の良し悪しというより、作ること自体が好き」
 
モノづくり大好きっていう人の典型的なパターン。でも、何を作ったらいいか分かんなくて、迷走すること多し。

とか、

3.作品がどうのではなくて、作家という生き方がしたかった。
 (6/6追加)これ、結構多いと思う。「半農・半木工」とか「自給自足的木工生活」とか理想だよね。
 会社社会からキックアウト(or ドロップアウト)されたってパターンもよく聞く。ハンドメイド界隈のあるある。

4.「好きでも嫌いでもない。お金のために割り切ってる…」
 
以前、どこかのブログで「木工家だけど木工は嫌い」って書いている方がいらっしゃって、「へー…」って思ったこと有り。

なんていう人もいらっしゃるかもしれませんね。

5.もちろん大好き
(6/7追記)一番幸せなパターンか? 作品が好きすぎて貧乏なんて「へっちゃら」っていう人も居る。世間のニーズと合致すれば最高!
…なんだけど、なかなかそう上手くは行かない。
あまりにも個性的で、ぱっと見で、「これ、ぜってー、売れねーっ!」っていう作品を作ってる人… 霞を食って生きてるのか??

という方も…(笑)

私の場合、もちろん、自分の作品は嫌いではないです。でも、作品自体が好きで「こういうものを作りたいから木工を始めた」っていうより、

作ることが好きで、道具が好きだから木工をやってる、という答えが一番しっくりきます。

なので、上の設問の答えは2.って事になります。

「…別に、それが何なの?」

とおっしゃられるかも知れませんね。

でも、これって弱点かなぁ… って感じることが多いです。

なんでかって言うと、

この作品が好き。これ最高!

って思って作ってる方が良いものができると思うからです。作品につぎ込む想いの量が全然違うのではないだろうか。
(6/6追記 …ちょっと違うかもしれない。作品そのものが好きだと、作者の個性や考え方が前面に出て、尖った作品になりがち、そうでないと、万人受けする平坦な作品になりがちっていうか…。結局、どちらが良いかは使い手次第ですね。)

かくいう自分は、どちらかというと作品そのものには淡泊な想いを抱く傾向があります。

ただ、風車の場合は、それが良い面もあって、
思い込みが強すぎると暑苦しくなって、価値が半減する(…のではないか)

作品っていうのは作者の自己表現の一つの形でもあるから、多少なりとも暑苦しい面はあるっちゃあるんですが、風車の場合は、その暑苦しさは邪魔になると思っていて、

「できる限り薄い存在感」

が理想ではないかと思ったりしているんです。

そんな事情もあってか、作品への個人評価は淡泊なものが多かったのですが、
たまたま、今日、「木の風車 ブラックウォールナット」という名前でECサイトで販売している作品を傍らに置いて、休憩中、

工房に流れるそよ風で回る風車を見ていて、

「なんかイイじゃん!」

と思ってしまった。

風車を傍らに、仕事しながら、お茶しながら…

「仕事中のちょっとした息抜きに、良い話し相手になってくれるのでは…」

とは、想定していた使い方の一つではあったけれど、計らずも自分で体感してしまった。

今頃、こんなこと言ってるの、かなり変ですが、自分の作品が好きになりました。

でも、まぁ、思い込みが強くなりすぎて、暑苦しくならないように気を付けます。(笑)



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