見出し画像

スライド丸鋸を調整する

DIYを趣味とする方や、本職の方を除けば馴染みが無いと思いますが、ホームセンターでも普通に売っている非常に便利な機械です。
※変なところにガムテープが貼ってあるなぁ。特に意味は無いです。気にしないで下さい。(^^;

フリーハンドの丸ノコでは材料を直角に切るのは簡単なようで意外と難しく、精度も出にくい… ていうか、家具製作で必要な精度は手持ちの丸ノコじゃ無理です。

スライド丸鋸でも丸ノコ盤並みの精度は出せませんが、手持ちよりはずっと高精度ですし、長い材料をザクザク切り刻むにはとても重宝します。

…で、材料をあてがってレーザマーカで位置を合わせて、トリガを握ってスライドさせれば、アッという間に所定の寸法で材料が直角に切れて… ない。@_@

この機械、日立工機(現HI-KOKI)の製品で、それなりの値段もした物なんです。(間違ってもホームセンターの安物じゃない!)

今まで割とラフな用途で使っていたのですが、今後は、そこそこ精度が必要な用途にも使って行こうと思った矢先、なんか、変なことに気付きました。

切断した材料を組み立てると、微妙に隙間が空いたり…

切断した材料に直角定規を当てたところ。左側に隙間があります。

こういう時、機械に問題があるとはなかなか思い至らないものです。

なので、スライド丸ノコのチップソー(以降、丸ノコ)と定盤の定規(以降、定規)の直角が出ていない事に気付くまで、随分と時間を浪費してしまいました。

精度に問題があると気付いた時、この機械はこんなもんなのか…と軽く絶望しました。

実際、工場出荷の段階で精度が出ていないという事は、その機械の能力の限界で「これ以上を求めるのは無理なんだ」と思いがちです。

でも、何とかならんかと試行錯誤してみました。

理屈は単純で、定規と丸ノコを直角にすればいいだけですので、今回は定規側を調整する事にしました。

定規は左右独立。どちらから調整しても良いと思います。

作業の流れとしては、

  • 定規を固定しているボルトを緩める

  • 直角定規で丸ノコと定規を調整

  • ボルトを締める

  • 適当な材料を試し切り

  • 切断面の直角を確認

  • 直角が出ていればボルトを増し締めして、反対側の定規のボルトを緩める。出ていなければ最初からやり直し。

  • ストレートエッジを使って、調整した定規と反対側とを一直線になるように調整。

  • ボルトを締めて試し切り。良ければ増し締めして終了。ダメならやり直し。

と言う感じになります。

もともと調整する事を想定していないのかもしれませんが、調整機構みたいなものは無いので、ボルト穴の遊びを上手く使って調整するしかないです。

それに固定ボルトは物凄い鬼トルクで締まっていました。緩める際はボルトの頭を舐めないように気を付けましょう。

隙間が無くなった!

一回で完璧に調整する事は難しいと思いますが、何回か繰り返せばかなりの精度は出せると思います。

写真では分かりませんが、機械の剛性の問題で部分的に若干の隙間があります。丸ノコをスライドさせたときの力加減で、若干のたわみが生じるんですよね。それは仕方ないので、これ以上は無理だろうな…ってところまで追い込みました。

引き続いて反対側。ストレートエッジを使って一直線になるように調整します。ストレートエッジが無ければ、直線の出ている物差しでも良いと思います。

一直線になったらボルトを締め、試し切りして確認。OKならボルトを増し締めして終了です。

一連の調整の結果、そこそこ満足できる精度が出るようになりました。

工場出荷時の精度って意外といい加減です。

他で使っている自動ガンナや丸ノコ盤の時もそうでした。なので、なんか変だな…と思ったら機械を疑ってみるのも必要だと思います。

木工機械は単純な構造の物が多いので、他の機種でも自分で調整できると思います。

スライド丸鋸の精度に不満がある方は、チャレンジされてみては如何でしょうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?