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初輸出、顛末記①

顛末…なんて書くんだから、もろに失敗したお話です。

これまで、輸出どころか海外通販(輸入)すらした事の無かった人間が、いきなり越境EC(もどき)して、痛い目(ちょっとだけ、かな?)にあったお話です。

それでは…

海外と日本の2拠点(なのかな?)で活動されているお客様からのご依頼で、風車を何点かフランスに発送する事になりました。

宅配も国内であれば、伝票を書いて業者に引き渡すだけなので、どうという事は無いですよね。
日本の宅配業者は優秀(後々で思い知った。)なので、お任せで問題が発生する事も少ないです。

でも、輸出となるとそういう訳には行きません。
お客様や配送業者とのやり取り(英語)が発生する事は覚悟しておく必要があります。

幸い、この点は機械翻訳が飛躍的に進歩(おまけに無料)しているので、それほど困る事は有りませんでした。
当方の英語力はネイティブが「ペラペラ」とするなら、「ぺ」かそれに満たないレベルなので…(笑)

google翻訳は、かなりの長文でもコピペで一気に翻訳してくれるので、大変助かります。
内容的にも、まぁまぁ、満足できるレベルだったと思います。
ただ、情緒的な表現は変な訳になる事も多かったので、短文で事務的な言い回しをする方が間違いが無くて良いみたいです。
それと、日本語は主語が省略できるので、たまに、とんでもない訳になることがあります。

ある時、まともに配達しないポンコツな業者を非難していたつもりが、主語がyou(お客様)になっていて、ギョッ!としたことがありました。
…ですので、いくら英語力が「ぺ」であっても、チェックは必須と感じます。

支払いは、お客様が国内に滞在中に済ませて頂いたので、問題になるのは輸送のみ。

今回は、郵便局のEMS(国際スピード郵便)で発送する事にしました。
航空便で1週間前後でお届け可能という事だったのと、他の業者(Fedex、DHLなど)と比べると、運賃が圧倒的に安かったのが理由です。

Webの見積もりでは4~5倍!(それも50%程度の割引運賃で)だったので、「そんな価格でお客さん、呼べるの?」って感じでしたが、取扱量が増えると、かなりの割引があるようです。
こちらは、不定期でひょっとしたらこれっきりの発送なので、そんな割引は期待できません。

…なので、EMS一択って感じでしたが、この選択で後々、痛い目に合う事になります。

梱包

基本的には国内発送と同じように段ボールなどで梱包しました、サイズ、重量制限が国によって異なります。EMSの場合、最大長さ1.5m、長さ+横周3m以内、重量30kgまでというのが多いみたいです。

横周っていうのは、荷物の最長部分を含まない面を一回りした長さの事で、
例えば、30cm (D) x 40cm(W) x 50cm(H)の荷物があった場合、最長は50cmなので、30cm x 40cmの面を一回りした長さ、(30cm x 40cm) x 2 = 140cmが横周になります。
この荷物の場合、140cm + 50cm=190cmなので、3mの制限内に入りますね。

梱包の方法は、普通のダンボ―ルなどを使えばよいのですが、幾つか注意点があります。

  1. 再生資材などを使う場合、段ボールの側面のイラストが規制の対象になりかねない事。(規制品と誤解を招く?)

  2. こわれもの、天地無用などの概念が無い。

  3. 荷物の取り扱いが乱暴?

1については、例えば野菜の様な余計なイラストが描かれていない資材を使えば問題無いと思いますが、2、3については、対応が必要です。

今回、お届けしたのは「かぜしらす」という名前で販売している風車です。当然のことながら上下逆で使う事は想定していません。

国内の宅配業者なら、段ボールに「天地無用」とメモ書きしておくと、輸送時にひっくり返さないようにシールを貼ってくれます。

「われもの」とか「精密機器」とかのシールも頼めば貼ってくれますよね。

どの程度効果が有るのかは分かりませんが、それなりに取り扱ってくれるんだと思います。

国際便ではそのような配慮はしてくれないので、逆さまになっても良いように対策しておく必要があります。

こんな感じで緩衝材(カンナくず)と一緒に箱に入れました。
カンナくず、詰め込み過ぎか?

また、衝撃による破損を防ぐために、中箱もこれまでの厚紙から3mm厚のベニヤ板に変更しました。周囲はアルミテープで固定しています。

触った感じでも、かなり頑丈

外箱と中箱の間にも緩衝材(新聞紙)を詰め込みました。入れすぎると外部からの衝撃を吸収しきれないので、そこは加減しながら…

こちらも詰めすぎ…(笑)


輸送業者の選択

ここはEMS(郵便局)一択です。実は、お客様からはFedexやDHLをご提案頂いていました。

「運賃が高いのになんで???」って思ったのですが、それには訳が有りました。この時点では知る由も無し。
…なので「安いんだから、これでしょ!」っていう風にしか考えませんでした。でも、その価格にはそれ相応の理由があるんですよね。

当たり前なんですけど。

伝票(コマーシャルインボイス)の作成

初めての海外発送で一番、頭を悩ませるのは、多分、これ
(少なくとも自分は)

EMSの場合、国際郵便マイページサービスというWebページにアクセスして伝票を作成します。

指示に従って必要な情報を入力していけば良いので、

「なぁんだ、簡単じゃん!」 …と言いたいところですが

そもそも、住所の表記法が分からない。

「そんなところに家ないよ!」とか「わけわかんねー!」

とか言われて荷物が届かないとか、

「何処に届けたら良いのか分かんないんで教えて!」

とか言われたら「ぺ」では対応不能な気がするので、慎重な上にも慎重に。

日本とは逆順で表記するのは良いとしても、都市名は辛うじてわかるものの、番地とか何番通りとかそういう住所表記の構造が分からないので、複数ある欄の何処に記載したら良いのか分からない。

仕方ないんで、ストリートビューでお届け先が実在する事を確認してから記述しました。(google先生、ありがとうございます)

それとHSコード

初めて聞く方もいらっしゃるかと思いますが、貨物の内容を分類している番号で、このコードが間違っていると関税率に影響したり、場合によっては輸入を拒否されたりする可能性があるので、非常に重要です。

HSコードを調べる際は、以下のサイトにお世話になりました。

一部の国(フランスを含む)では、HSコードをより細分化したCNコードを伝票に記載する必要があります。
CNコードは以下のサイトで調べました。


なにしろ、分からない事だらけだったんですが、郵便局の以下のページはとても参考になりました。EMSでなくても海外発送をお考えの方は、ご一読をお勧めします。

インボイスを作成したら、それと荷物を持って郵便局の窓口に行くと、後は必要な手続きをしてくれます。

貨物の内容についての質問もされました。インボイスにも記載はしてあったのですが、何だかよく分からなかったのかも知れません。ここは反省点です。

荷物の内容については、なるべく詳しく間違いのない様に記載した方が良いです。

この点、EMSの通関は抜き取り検査で甘々らしいのですが、FedexやDHLのような業者(クーリエと呼ばれています)を使うと、厳密な通関手続きを通るので特に重要です。(実は、別便でFedexを使ったんですが、ここでも痛い目を見ました。その件は、改めて)
最低限、荷物の外観の写真、素材、原産地、用途、価格を明らかにする必要があるようです。

カタログが有れば、それを添付するのも良いようです。

ここまでは、まぁ、悩みながらもそれなりに順調に事が進みました。

郵便局の窓口で送料を支払って荷物を預けました。

無事に届く事を祈って…

続く…。


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