#ネタバレ 映画「シン・ゴジラ」
「シン・ゴジラ」
2016年作品
動物は進化するもの
2016/8/3 7:01 by さくらんぼ(修正あり)
( 引用している他の作品も含め、私の映画レビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )
1954年の初代・映画「ゴジラ」は「核兵器」から生まれました。今回の映画「シン・ゴジラ」は、それに加え「3.11」への怨念も流し込まれています。
ボートを蹴散らし、海から川を遡上しながら上陸してくる姿は「津波」の記号なのでしょう。
そしてゴジラが海中だけでなく、陸上でも生息できるように短時間で「進化」したのは、「想定外にも対応できるように、人間側も進化すべきだ」というメッセージだと思います。この映画は「人間が主役」です。
「放射能の塊」であるゴジラが東京でフリーズしたのは「原発を東京に置いたらどうなるのか、他県になら置いても良いのか」というメッセージでしょう。今回のゴジラは「原発」の記号でもあるのです。
放水車のようなクルマをたくさん使い、血液凝固剤をホースで口から飲ませフリーズさせてしまうのは、3.11で「原発に放水して冷却した」ことの再現。
その出陣式で「諸君には被爆の危険があるが…」と檄を飛ばすシーンは、「フクシマ50」や「自衛隊員」に対する感謝の気持ちの永久刻印でしょう。あの時、彼らはある意味「特攻隊員」だったのです。映画「永遠の0」の世界だけでなく。
そしてゴジラの造形も素晴らしい。何にでも「本家本元」というものがありますが、「これぞ made in Japan」と言いたくなる出来ばえです。「ギャオス」と「キングギドラ」のパフォーマンスも秘め、過去のどのゴジラ、どの怪獣とくらべてもトップクラスのカッコよさ。CGで度肝を抜いた舶来のあのゴジラも「もどき」であったことが世界中の人に理解されることでしょう。
形だけ真似ても、技術だけあっても、そこに魂がなければ、人を感動させるものは作れないのです。
★★★★
追記Ⅱ ( 後編の匂い )
2016/8/3 22:02 by さくらんぼ
ゴジラは血液凝固剤でフリーズしました。映画はそこで終わります。
もし、この映画「シン・ゴジラ」が興行的に成功すれば、たとえば「高い放射能のために血液凝固剤が変質し、無力化され、ゴジラは覚醒」するという「想定外」が起こるのでしょうか。
これは私の妄想ですが「後編が隠されている」匂いがするのです。
そのときには米軍による「東京核攻撃のカウントダウン」が再び始まる。そして「芹沢教授」みたいな悲劇のヒーローも。
私は後編が観たい。だから、前半だけで終了という「想定外」が起きないようにと願っています。
戯れに私が考えた続編と、続々編のストーリーは、映画「モスラ対ゴジラ」のレビュー追記に書きました。
追記Ⅲ ( 色気 )
2016/8/3 22:19 by さくらんぼ
この映画「シン・ゴジラ」には「色気がない」と思います。「★」ひとつ足りない理由の多くはそれです。
この場合「色気」とは「女っ気」ではありません。
サーカスにおける「ピエロ」。あるいは映画「ダイ・ハード」における「ビル外の無名の黒人警官」のようなもの。
メインストーリーだけの「殺伐」、「乾燥」、「緊張」などを潤してくれます。サイドストーリーだけれど、それが無くては美味しい味噌汁が作れない「ダシ」のようなものでもあります。
追記Ⅳ ( 女は意味深 )
2016/8/3 22:39 by さくらんぼ
もしかしたら「石原さとみ」さんの「本来の任務」は、その「色気」だったのかもしれませんが、なんでしょう、ドラマとしての突っ込み不足か、キャラがマッチしていないのか、残念ながら、うまく成功していません。
ただ、その「石原さとみ」さんが、ラストで、政府関係者の男との別れ際に「私を好きにして」みたいなセリフを言うのです。
ゴジラも退治できたし、お別れの前に「遠まわしの愛の告白」でもしたのかな、と思いましたが、無反応の相手の男性には聴こえたのか!?、それとも私の勘違いか。
いずれにせよ、女性は突然、意味深なセリフを吐くものです。私のような凡人は、リアルでは早くとも2~3日後にならないと、気づかない。
そして、ヒロインの本当の役どころはラストに分かってきます。
追記Ⅴ ( 1954年「ゴジラ」への献辞 )
2016/8/4 5:47 by さくらんぼ
オープニングの「東宝マーク」は二つ出ますね。2つ目は「レトロ」なものです。
そしてラストの音楽も、有名な伊福部さんのものが、たぶん「オリジナル」と思われるような「レトロ」な音質で登場します。音の粒子感が粗く、お菓子の「白いラクガン」みたいな質感。真空管で言えば「2A3シングルアンプ」みたいな感触。
これらはみな1954年初代ゴジラへの「献辞」なのでしょう。
最後の音楽で一段と盛り上がりましたね。むかし「007」で伝統のテーマ曲を使えない作品がありましたが、あれは味気なかった。いかに映画音楽が重要かが分かりました。しかし今回の映画「シン・ゴジラ」はその真逆であり、ファンにはたまりません。
追記Ⅵ ( ドラマ監督 )
2016/8/4 6:04 by さくらんぼ
これにかぎらず、怪獣映画における「人間ドラマ」には独特の感触がありますね。「薄っぺらさ」とでも言いましょうか。映画「クライマーズ・ハイ」、「ダイ・ハード」などの「重厚」と比べると分かると思います。なぜ怪獣映画で、それが撮れないのか分かりませんが、なにか因習的な意図的演出なら改善が必要ですし、そうでないのなら「特撮監督」だけでなく「ドラマ監督」というポジションも作るのはどうでしょうか。
追記Ⅶ ( 避難民の内面描写 )
2016/8/4 6:18 by さくらんぼ
住民・避難民の顔が見えない(内面描写が不足)のもそうですね。たとえばゴジラが変態(進化)前の状態のとき、武装ヘリによる攻撃チャンスがありましたが、ゴジラ近くの橋を渡る一組の人影が見えたので中止しました。
ゴジラの変態前は皮膚が柔らかいと思われたので(立ち上がるときには、自重で潰れないよう、甲殻類のような頑丈な装甲になったのだと思います。)、攻撃のチャンスでしたが、それを逃しました。止めなければ倒せた可能性もあるのです。
あんな描写でも「避難民の内面描写」が入っていれば、観客はもっと苦しく胸に迫るものになったはず。
追記Ⅷ ( まずは炎から )
2016/8/4 6:31 by さくらんぼ
ゴジラが米軍から「バンカーバスター」で攻撃された後、まず「ガメラ」みたいに口から炎が出せるようになり、やがて火力が上昇し、最後は「ギャオス」のレーザーメスみたいなものになりました。
私は「気功」をやって経験したことですが、あれが「肉体の変化」だと思います(もちろん炎は出せません)。あれがマシンではない生きものの変化です。だから、あのシーンはゾクゾクするほどリアルに感じました。絶賛に値します。
追記Ⅸ ( 非常時の正しい判断 )
2016/8/4 6:46 by さくらんぼ
東日本大震災の時、「たくさんの生徒を連れた学校の先生が、大津波警報で避難するときに、裏山ではなく、海の近くへ行ってしまい、多くの犠牲者が出た話」があります。常識的に言えば、誰が考えても「大津波警報が出ているのに海の近くへ避難するのは非常識なこと」ですが、往々にして「想定外の状況の中では誤判断」がおきるのです。「非常時の正しい判断」がいかに難しいのか、けっして人ごとではありません。
追記Ⅹ ( 風が吹けば… )
2016/8/4 7:01 by さくらんぼ
「ゴジラ」とは「地政学的リスク」の一つであり、ゴジラの生息地になることで「株」が大暴落したり、「経済損失」が発生したり、国連の名の元に米軍から「核」攻撃されることもあるのですね。子どもの頃は「ビルが壊れ得るだけ」だと思っていましたが。その「風が吹けば桶屋が…」的な話をもっと聴きたいと思いました。
追記11 ( 「エヴァンゲリオン」のポエム )
2016/8/4 8:30 by さくらんぼ
映画「シン・ゴジラ」と「エヴァンゲリオン」の類似点をあげる人も多い。私もエヴァ映画を観たことがありますが、とかく「難解」だと言われるエヴァには意外にも「ポエム」があふれています。作り方によっては「ポエムは人物が黙って立っているだけでも生まれる」のです。
映画「シン・ゴジラ」では、ゴジラに狂言師・野村萬斎さんの動きをモーションキャプチャで反映させているのも、そんな理由からなのでしょう。
しかしながら、「ポエム」において映画「シン・ゴジラ」はエヴァ映画に追いつけなかったのは残念なことです。アニメでは無かったからでしょうか。
追記12 ( 喧嘩するほど仲がいい )
2016/8/4 14:28 by さくらんぼ
TVドラマ「最後から二番目の恋」の再放送を観ています。中井貴一さんと小泉今日子さんは「恋人でもないのに喧嘩するほど仲がいい」のです。それに嫉妬して「私にも同じようにして欲しい」とゴネル片思いの娘もいました。映画「シン・ゴジラ」は今年観るべき一本に違いありません。
追記13 ( 「オンカロ」のマーク )
2016/8/5 7:05 by さくらんぼ
「 赤に黒いシルエットでゴジラ 」。
映画「シン・ゴジラ」のチラシなどに出てくる絵ですが、これが意味するものはなんだ。もしかしたら「核関連施設」と関係あるのではないか。そう思ってググってみました。
そうしたら「オンカロ」のマークがヒットしたのです。「ゴジラマーク」はあれをモチーフとしたものなのかもしれません。
「オンカロ」とは、
「 …使用済み核燃料に含まれるプルトニウムの半減期は2万4000年。生物にとって安全なレベルまで放射能が下がるにはおよそ10万年の月日を要するという。それまでの間、10万年にわたって「オンカロ」は地下に封鎖され続ける。… 」
( エキサイトニュース 「人類が生んだ最も危険な廃棄物の最終処分場『オンカロ』を知っているか? 」 スゴモリ 2012年7月23日 20時29分 〔2012年8月2日 18時39分 更新〕 より抜粋 )
エキサイトニュースに「マーク」は載っていませんが、「オンカロ マーク」で別にググると出てきます。今の言語が通じないかもしれない、数万年後の人類に対して、危険を知らせるための「絵によるマーク」の一案のようです。
これらのことからも映画「シン・ゴジラ」に出てくるゴジラは「メルトダウンした原発」であることが伺えますね。
追記14 ( 「現実」対「現実」 )
2016/8/19 10:20 by さくらんぼ
海を騒がせているのは「沢山の船」ではなく、「一匹のしっぽ」だ。
追記15 ( 「シンデレラ」 )
2016/8/22 22:18 by さくらんぼ
「シンデレラ」。
詳しいストーリーは知りません。でもTV「ミュージックフェア・AKB特集」の「恋するフォーチュンクッキー」を聴いたとき、これだと思いました。これをエンディングテーマにしたいと。
表層では人々を勇気づけ、深層ではゴジラをはげます歌として。だから「地味な花」とは「ゴジラちゃん」のこと。
「…まわりを見れば大勢の
可愛いコたちがいるんだもん
地味な花は気づいてくれない
Yeah! Yeah! Yeah!…」
( 「恋するフォーチュンクッキー」より抜粋 歌:AKB48 )
追記
でも、ゴジラには躍らせないでほしい。
********
そして映画「シン・ゴジラ」の「シン」の意味については、いろんな説がありますが、もしかしたら「シンデレラ」から来ているのではないかと、本日ふと思ったのです。
第五福竜丸が米国・水爆実験の「死の灰を浴びた」。そしてその事が、記念すべき第一作・映画「ゴジラ」の、誕生のヒントになったことは、あまりにも有名です。
そして「シンデレラ」も別名「灰かぶり姫」と言います。
やっぱり「ゴジラちゃん」は「女の子」だったのかもしれません。そう言えば、川を津波のように遡上してくるときのゴジラちゃんは、無邪気で可愛い幼子のような顔をしていました。
彼女はただ帰宅して東京を歩いていただけなのですが、そんな彼女をイジメるお姉さま方が人間なのです。やがて美顔を集中的にミサイル攻撃されたり、体ごとビルの下敷にされたりして、文字通り「灰かぶり姫」にされてしまいました。
「 シンデレラ (英: Cinderella) は、童話の一つ。また、その主人公。仏語で『サンドリヨン(仏: Cendrillon)』。和名は『灰かぶり姫』あるいは『灰かぶり』」。
( ウィキペディアの「シンデレラ」より抜粋 )
追記16 ( 映画の最深部にあるもの )
2017/11/15 15:09 by さくらんぼ
>1954年の初代・映画「ゴジラ」は「核兵器」から生まれました。今回の映画「シン・ゴジラ」は、それに加え「3.11」への怨念も流し込まれています。
長い駄文に自分でも呆れていますが、もう少し追加させてください。
映画の終わり、米国エージェント・カヨコ(石原さとみ)と、日本政府リーダー・矢口(長谷川博己)が、二人で話し合うところがあります。
カヨコ:「私が米国の大統領になるときは、あなたも日本の総理でいてほしい」みたいな話を。これを翻訳すると「矢口君は、カヨコのポチになるのよ!」となるのかもしれません。
その時、背景の壁には「無数の☆マークの飾り穴」がありました。
私はあれを観たとき「星条旗の星だ」と思ったのです。
すると米軍のバンカーバスターで、ゴジラの体に空いたたくさんの穴も、「星条旗の星」だったのかもしれません。
すると、その穴から出た放射熱線は「星条旗の横線」になるのです。
それもご丁寧に、まず「喉に光の星」、続いて「赤い火炎→白っぽい熱線」と、星条旗の「星と赤白ライン」を、色と形の変化でも見せてくれました。
ならば「無人新幹線爆弾」「無人在来線爆弾」「ポンプ車」も、ラインの記号なのでしょう。
改めて考えてみると、この映画「シン・ゴジラ」では、「日本はアメリカの属国」だとか、「アメリカに3度目の核兵器を使わせてはならない」とか言って、「いつのまにかゴジラではなく、核兵器を使わせないための戦いに、すり替わっていた」感があります。
もしかしたら、この映画の最深部では「(事実上、ゴジラの生息地かも知れないが、ゴジラの好き勝手にはやらせない)事実上、米国の属国であることは認めざるを得ないが、米国の好き勝手にはやらせたくない」という、「日本人が無意識に持っているであろう葛藤」を描いていたのかもしれません。
つまり「ゴジラ自体も、この映画の最深部ではアメリカの記号」だったのです。
追記17 ( カヨコがゴジラになる日 )
2017/11/16 8:45 by さくらんぼ
>カヨコ:「私が米国の大統領になるときは、あなたも日本の総理でいてほしい」みたいな話を。これを翻訳すると「矢口君は、カヨコのポチになるのよ!」となるのかもしれません。
カヨコは米国エージェントの仕事を的確にこなしがらも、日系人であるためか、心情的には日本の味方でした。
それを加味して再考すると、「矢口君と二人で、日米を共同統治しましょ!」となるのかもしれません。つまり「属国からの格上げ」です。
もちろん、どこかの国で、党首に国籍疑惑があった事とは無関係だと思います。
追記18 ( 歩く星条旗 )
2017/11/17 9:33 by さくらんぼ
映画「シン・ゴジラ」の追記18については、映画「この世界の片隅に」の追記Ⅹへ書きました。
ご面倒で申し訳ありませんが、よろしければご覧ください。
追記19 ( 返礼 )
2017/11/17 18:23 by さくらんぼ
映画「シン・ゴジラ」の追記19については、映画「GODZILLA ゴジラ」(2014年)の追記Ⅵへ書きました。
お手数かけて申し訳ありませんが、よろしければご覧ください。
追記20 ( 弔い )
2017/11/17 21:55 by さくらんぼ
もしドイツが、「ホロコーストなんて無かった。アウシュヴィッツ? あれは病院だよ。ドイツはユダヤ人たちを助けていたんだ」などという映画を作ったら、世界中の避難をあびて大変なことになるでしょう(2022年にウクライナを侵略したロシアは、国連で嘘を言い、各国のヒンシュクを買っていましたが)。
でも、米国は「ゴジラは核兵器のせいで生まれた」という点を、「核兵器は偶然発見したゴジラを殺すために使用しただけ、でも効き目はなかった」と描いた映画「GODZILLA ゴジラ」(2014年)を作ったのです。歴史の改ざんと言われかねない事を。
それは事実上、「広島・長崎の、核兵器による死傷者は0である」と言ったことになる、かもしれないのです。
死者に対する冒涜。
これに対する映画「シン・ゴジラ」からの返礼は、冒頭に描かれた「人が消え、折り鶴折だけが残された」というところから始まります。ご承知のとおり「折鶴」は、被爆者への祈りの象徴でもありますね。
そして、その「折鶴」は、ゴジラを凍結させる薬品を解明するカギとなる、「折り紙状の設計図」のモチーフとなりました。
あの、最後に出てきた、「凍結されたゴジラのしっぽに見える、沢山の黒い人影」。あれは「隠された核兵器の被害者たち」ですね。黒くなってしまった人間です。あろうことか、ゴジラはしっぽに隠していたのです。
追記21 ( 西も東も )
2017/11/17 22:05 by さくらんぼ
「 日本の高校生の演説見送り、中国の反対が背景 軍縮会議
2014年から毎年8月、国連欧州本部(スイス・ジュネーブ)の軍縮会議で、日本の高校生が政府代表団の一員として演説してきたのが今年見送られた問題で、背景に中国による強い反対があったことが複数の日本政府関係者の話でわかった。中国は国連などの場で日本が第2次世界大戦の被害を強調することに反発を示しており、こうした異論も踏まえて判断したという。… 」
( 「朝日新聞デジタル」 北京 2017年11月17日09時08分 より抜粋 )
追記22 ( 「現実 対 虚構」 )
2017/11/19 22:03 by さくらんぼ
チラシにあるこの言葉、
「 現実 対 虚構 」( ニッポン 対 ゴジラ )。
何か仰々しく、垢抜けしない、違和感を感じるコピーだと、ずっと思っていました。
でも、ゴジラが「歩く星条旗」なら、解読できるわけです。
追記26 ( 「量子コンピューター」 )
2017/11/20 8:52 by さくらんぼ
「ゴジラ凍結作戦」の時、世界中のスパコンを結んで研究していたのを思いだしました。
「 スーパーコンピューターをはるかに超える高速計算を実現する『量子コンピューター』の試作機を、国立情報学研究所などが開発し、27日から無償の利用サービスを始める。世界的な開発競争が進むなか、試作段階で公開して改良につなげ、2019年度末までに国産での実用化を目指す。… 」
( 朝日新聞デジタル 「国産量子コンピューター試作機、無償公開へ 改良目指す」 杉本崇 2017年11月20日05時05分 より抜粋 )
追記27 ( あれが続編のお知らせ、か )
2017/11/24 14:21 by さくらんぼ
>カヨコ:「私が米国の大統領になるときは、あなたも日本の総理でいてほしい」みたいな話を。これを翻訳すると「矢口君は、カヨコのポチになるのよ!」となるのかもしれません。(追記16より)
このあと映画「シン・ゴジラ」のラストシーンになりますが、カヨコが去ったビルの屋上で、矢口君が一人、手すりにもたれかかって数秒間フリーズします。
矢口君の横、はるか遠くには、同様にフリーズしたゴジラが、ポチぐらいに小さく見えています。
数秒後、矢口君は起動し、去って行きます。
残されたのはゴジラだけ。
これがラストです。
この映画の文法を解くと、「次に起動するのはゴジラ」なのでしょう。
奴もいつか暴れだします。
追記28 ( オタク、ゴジラになる )
2017/11/26 8:57 by さくらんぼ
気功の「スワイショウの2」をやっています。
(細かい動作はネットでご覧いただきたいのですが)直立して、両手のひらを、前後に水をかくように動かすものです。
そのとき、両手のひらで集めた「気」を、背中(背骨に沿って)に送り込むようにイメージするのです。
最初の頃はパントマイムです。何の変化もありません。なんで健康に良いのかと思うはず。
でも、毎日のように数年やると、気感(「気」を感じる能力)が覚醒し、両手のひらに水をかくような抵抗を感じるようになります。
さらに修行にはげむと…
私の読んだ本には、「背骨に『気』が入ると『背骨が磁化されたように感じる』」と書いてありましたが、まさにそれを体験します。
私の解釈では、「気」にはメントールのような清涼感がありますから、それが背骨に入ると、「ヒンヤリとした接着税で固定されるような感覚」を味わうのだと思います。
そのヒンヤリとした感覚は、イメージとして「日本刀のようにピカピカと光り、かつ青白い」のです。
私は「あっ! 今、ゴジラの背びれ…」と思ってしまいました。
追記29 ( 「ダブルミーニング」 )
2017/11/26 9:15 by さくらんぼ
>それは事実上、「広島・長崎の、核兵器による死傷者は0である」と言ったことになる、かもしれないのです。
>あの、最後に出てきた、「凍結されたゴジラのしっぽに見える、沢山の黒い人影」。あれは「核兵器の被害者たち」ですね。黒くなってしまった人間です。あろうことか、ゴジラはしっぽに隠していたのです。(追記20より)
映画のラストに、こんなセリフがありました。
「 たくさん人が犠牲になった。政治家はその責任を取らなくてはいけない 」。
これは、もちろん映画「シン・ゴジラ」の中での事でしょう。
でも、もしかしたらこのセリフは、同時に、映画「GODZILLA ゴジラ」(2014年)に向けて発せられたものかもしれないのです。
追記30 ( 役所言葉の甘い誘惑 )
2017/11/26 14:12 by さくらんぼ
「無人新幹線爆弾」、「無人在来線爆弾」は、なぜだか分かりませんが、萌えるネーミングですね。もしかしたら幼少期の「○○ごっこ」を思いだすからでしょうか。「無人…」とつける当たりは、「特攻隊じゃないよ」という意味でしょうが。
たぶんこれは、役所が作った作戦計画書の言葉なのです。商売っ気も、センスもないと言うか、そんな事考えたこともない人たちが、「取り急ぎ事務的につけた言葉」なのでしょう。それが新鮮に響いた。
映画の中に「作戦名が長すぎるなぁ~」、「ヤシオリ作戦にしましょう」という言葉が出てきます。でも、爆弾名までは考える余裕がなかったのでしょうね。
追記31 ( 「無人在来線爆弾」のこだまは聞こえたのか )
2017/11/26 14:32 by さくらんぼ
今年の夏、近所のビル屋上から、花火大会を楽しみました。ちょうど映画の作戦司令所みたいに。いつもは自宅の窓から見ているだけなので、360度開けた屋上で見るのは新鮮でした。
そうしたら「音の反響」が凄いんです。
「前方」で鳴った花火の音が、「左右」、「後方」へこだましていきます。山で「ヤッホー」と叫ぶと、「ヤッホー」と返ってくるのと同じです。
ただの残響ではなく、ちゃんと言葉として帰ってくる。このリアルが映画「シン・ゴジラ」にはあったかどうか、戦場に居た興奮のためか、ちょっと記憶がありません。今の映画、ソフト、ハードともに、それが出来るはずですが。
ラストの「無人新幹線爆弾、「無人在来線爆弾」など、花火に似ていると思いまして。
今、ラジオから、竹内まりやさんの「元気を出して」が流れてきました。懐かしい歌です。
追記32 ( 竜を仕留めて記憶を戻す )
2017/12/13 16:07 by さくらんぼ
映画「シン・ゴジラ」追記32につきましては、映画「GODZILLA ゴジラ」(2014年)の追記Ⅶに書きました。お手数で申し訳ありませんが、お読み頂ければ幸いです。
追記33 ( 彼女の首飾り )
2018/2/18 9:36 by さくらんぼ
>そして「シンデレラ」も別名「灰かぶり姫」と言います。
>やっぱり「ゴジラちゃん」は「女の子」だったのかもしれません。そう言えば、川を津波のように遡上してくるときのゴジラちゃんは、無邪気で可愛い幼子のような顔をしていました。
>彼女はただ帰宅して東京を歩いていただけなのですが、そんな彼女をイジメるお姉さま方が、人間なのです。やがて美顔を集中的にミサイル攻撃されたり、体ごとビルの下敷にされたりして、文字通り「灰かぶり姫」にされてしまいました。(追記15より)
映画「シン・ゴジラ」で、川を遡上する子どものゴジラちゃんは可愛いですが、映画の中ほど、叫び声をあげる大人ゴジラの中にも、(女の「しな」を見たみたいに、背中がモゾモゾするほど)妙に可愛いシーンがあるのです。
ずっと、あれは何だと思っていましたが、直後のシーンと関連づけることで腑に落ちました。そこには、こちらに歩いてくるゴジラ正面のシーンがあって、首の周りに「きれいな青白いリング」があるのです。あれは首飾りでしょう。あるいはドレスのフリル。だから、あの叫び顔の愛らしさは、やはり「彼女だったから」で良かったのです。たぶん。
すると、冒頭のボートに残っていた「靴」と、「ゴジラの凍結作戦」が、二つ合わせて「ガラスの靴」だったり、(帰ったり来たりの)ゴジラや、(核攻撃タイムリミットの)人間側がせわしく動かされていたのも、「時間制限」のあるシンデレラの世界観を連想させるのです。
追記34 ( 公務員たちの「お仕事映画」 )
2020/2/26 8:34 by さくらんぼ
「ゴジラ」と「コロナ」では、体の大きさがまったく違いますが、コロナ対策を練る公務員の皆様の姿を想像すると、映画「シン・ゴジラ」が連想されることも確かです。
2020.2.26現在の私たちは、気がつくと有事のまっただ中にいて、官民力を合わせて戦っているのです。
不謹慎かもしれませんが、戦士たちにエールを送りたく書きました。
『 (天声人語)あるお仕事映画
仕事をテーマにした映画が好きだ。なかでも渋い登場人物に目が行きがちで、「ラヂオの時間」では、職人の技で効果音をこしらえる男が格好良かった。「シン・ゴジラ」も、ゴジラ対策を練る公務員たちの「お仕事映画」として見た 』
( 「朝日新聞デジタル」 2020年2月4日 5時00分 より抜粋 )
追記35 ( 動物は進化するもの )
2020/3/1 22:16 by さくらんぼ
BSで録画してあった映画「シン・ゴジラ」を久しぶり観ました。
やはり、この「コロナ」状況下で観ると、迫り方が違います。荒唐無稽とか、他人事とは思えません。
そして、ふと思ったのですが、この作品の表の主題は、「世代交代(人間)・進化(ゴジラ)」であったのかもしれないと思いました。
そして、繰り返し出てくる言葉、「名前・好きにしたら」は、「仕事ができれば肩書は問わない・時に目的のためなら手段を選ばない」につながるのでしょう。
ゴジラから人間を守らなければ、どんな肩書の人でも、どんなきれい事も、役に立たないわけですから。
追記36 ( 動物は進化するもの② )
2020/3/2 9:07 by さくらんぼ
>そして、繰り返し出てくる言葉、「名前・好きにしたら」は、「仕事ができれば肩書は問わない・時に目的のためなら手段を選ばない」につながるのでしょう。
>ゴジラから人間を守らなければ、どんな肩書の人でも、どんなきれい事も、役に立たないわけですから。(追記35より)
映画の前半、まだ変態前のゴジラが初上陸したとき、自衛隊が攻撃に向かいましたが、攻撃直前に人を背負って逃げる住民を見つけました。
それを知った内閣総理大臣・大河内 清次(大杉漣さん)は「人命を犠牲にするわけにはいかん」と言って、二人の住民のために攻撃中止命令を出したのです。
攻撃のチャンスを失った直後、ゴジラは変態して成獣になりました。二人の住民のためにパワーアップを許してしまったのです。
そして映画のクライマックス。
ゴジラとの最終バトルの直前、「まだ避難が完了していません」との連絡を受けた内閣官房副長官・矢口蘭堂(長谷川博己さん)は、「この機を逃したらチャンスはありません」と、躊躇なく攻撃命令を出したのです。
追記37 ( カヨコもまた「灰かぶり姫」) )
2020/3/2 9:29 by さくらんぼ
>そして映画「シン・ゴジラ」の「シン」の意味については、いろんな説がありますが、もしかしたら「シンデレラ」から来ているのではないかと、本日ふと思ったのです。
>第五福竜丸が米国・水爆実験の「死の灰を浴びた」。そしてその事が、記念すべき第一作・映画「ゴジラ」の、誕生のヒントになったことは、あまりにも有名です。
>そして「シンデレラ」も別名「灰かぶり姫」と言います。(追記15より)
米国エージェント・カヨコ(石原さとみさん)は40歳で米国大統領になることを狙う超エリートです。
だから日本に来た時、「(作戦は)何をしてもいいけれど、私の足だけは引っ張らないで!」と、自らのキャリアに傷をつけるようなことだけはしないよう、日本側に釘を刺しました。
しかし映画の後半、カヨコは米国によるゴジラ熱核攻撃を阻止する側に回るのです。
熱核攻撃は米国の主流派の考えです。
それに異論を唱えるという事は、カヨコが主流派から外れることを意味し、キャリアに傷がつきかねません。40歳までに大統領になるという夢も消える可能性が出てきました。
日系人のため、日本人の心情をよく理解した「カヨコは泥をかぶった」のです。ゴジラと同じく、カヨコもまた「シンデレラ(灰かぶり姫)」だったのでしょう。
これは日本、そしてゴジラとカヨコの、三角関係の物語だった可能性もあります。
追記38 ( 「用務員のおねえさん」の秘密 )
2020/3/25 9:11 by さくらんぼ
内閣官房副長官の矢口(長谷川博己さん)が、徹夜つづきでゴジラ対策の事務室にいると、用務員らしきおねえさん(片桐はいりさん)が、「お疲れさまです」と、お茶をいれてくれました。
なんとなく、あのおねえさん、矢口が好きなようです。
あのおねえさんから見れば、矢口は王子様なのでしょう。
これは、さりげなく挿入された、リアル「シンデレラ」だったのかもしれません。
追記39 ( 最終兵器カヨコ )
2021/1/23 15:58 by さくらんぼ
>米国エージェント・カヨコ(石原さとみさん)は40歳で米国大統領になることを狙う超エリートです。
>だから日本に来た時、「(作戦は)何をしてもいいけれど、私の足だけは引っ張らないで!」と、自らのキャリアに傷をつけるようなことだけはしないよう、日本側に釘を刺しました。
>しかし映画の後半、カヨコは米国によるゴジラ熱核攻撃を阻止する側に回るのです。(追記37より)
カヨコの心は揺れ動き、とうとう自分のキャリアに傷をつけてまで、日本有利に動いたのです。
でも、もしこれが逆だったらどうでしょう。
自分のキャリアに傷がつくことを承知で、日本不利に動くこともあるはずです。
カヨコが米国と日本の二重国籍者かどうかは分かりませんが、三角関係は悩ましい問題ではあります。
追記40 2022.3.17 ( 言い訳 )
思いつくままに随時書いていたら、長文になっていました。思い返すと、レビューに矛盾点等あるような気もしますが、推敲して短く再構成するエネルギーがありませんので、とりあえず原始記録としてそのまま公開させていただきます。
( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)
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