見出し画像

#ネタバレ 映画「アルマゲドン」〈1998年〉

「アルマゲドン」〈1998年〉
1998年作品
タイミング
2002/8/31 7:59 by 未登録ユーザ さくらんぼ(修正あり)

( 引用している他の作品も含め、私の映画レビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )

初めて劇場でこの作品を観たときは傑作だと思った。かって映画「ダイハード」が公開された時、新聞は10年に一本の傑作と表していたが、まさにあれに匹敵する興奮だった。当時私は映画友達に絶賛して回ったものである。

一体どこにそんなに興奮したのか、それはこの映画が持つ「間」の感覚である。各シーンが絶妙のタイミングでつながっていく。あのタイミングがコンマ何秒違うと映画の味わいが変わってくる。あのタイミングが「イケイケのノリノリ感」を作る。思えば私が映画「メンインブラック2」に期待した一つも、あの感覚だったのだ。

そして男達が良い。マカロニ・ウエスタンの登場人物にも似た、オセイジにも清潔感があるとは言えない野郎どもが沢山出てきて、たわいも無い事を条件に命を賭ける。いや、たわいも無い事ばかりではない。税金を一生免除して欲しいと申し出る者もいる。なるほど、お国の為になるとはそういう事なのかと妙に納得する。それから女性に尊敬される事を心から願っている可愛い男心も描かれる。

マカロニ・ウエスタンでもそうであったが、あの男達には永遠の少年を感じる。ドロだらけで遊んでいた少年をそのまま大人にした様な感じである。奴らは美しい。そして、悲劇を喜劇で味付けしたこの作品はクライマックスへ突入しいていくのだ。

よく比較されるのは映画「ディープ・インパクト」である。私の友人達にもあちらを好きな人もいるが、私は映画「アルマゲドン」が良い。映画「ディープ・インパクト」は、勇敢に戦う人と、最後の居場所を探す人達が交互に描かれる。その正反対のベクトルの中、私の心は中央で停止してしまうからだ。

映画「アルマゲドン」はあの後、飛行機の中で観た。やはり面白かった。飛行機で上映して良いのかと思ったが、落ちてくるのは隕石で、飛行機ではないので問題は無いのだろう。

ただ・・宇宙船の揺れがとてもリアルだった事だけは確かだ。

追記 2022.3.11 ( 前置き抜きで本質をめざす )

先日TV放送されていたので再度観ていますが、やはりタイミング(間)のセンスは抜群ですね。観始めたら止まらない傑作です。

そして、今回新たに感じたのは、これが主題である可能性がありますが、「いきなり話の核心に迫ろうとしている」ことです。大きな隕石の衝突まで18日しか残されていないわけですから、「余分な前置きや、形式的な儀式を行う時間はない」わけです。

映画の冒頭、石油採掘会社の現場で、社長のハリー(ブルース・ウィリス)の愛娘・グレースが、従業員の若者と出来ていることを知ったハリーが、ショットガンを撃ちながら若者に迫るエピソードがあります。私は(オヤジの怒りは分からんでもないけれど)「いくら何でもやり過ぎだろう」と思っていました。しかし再度観て、あれは虚飾を取り去って、親父の怒りの「本質のみを描いた」エピソードだったのかもしれないと、妙に納得したのです。この事に気がつくと、それ以後のエピソードのいくつかが、置かれた意味が、同様の主題で解読できるような気がしました。

2022.3.11の世界も、まさかと思っていた大国による侵略戦争の真っただ中です。ならば、この大問題の「死守すべき本質」とは何なのでしょうか。


( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。 

更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


この記事が参加している募集

#映画感想文

66,996件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?