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#ネタバレ 映画「長江哀歌〈エレジー〉」

「長江哀歌〈エレジー〉」 中国
2006年作品
故郷の立入禁止を覚悟しますか
2014/9/1 6:23 by さくらんぼ

( 引用している他の作品も含め、私の映画レビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )

東北地方の原発事故では、汚染のため、立ち入り禁止区域が出来てしまいました。

なつかしい故郷が汚染され、立ち入り禁止になる哀しさを、いったいどれだけの日本人が、頭ではなく、心のレベルで分かっているのでしょうか。

家族と死別した人が、心の中にぽっかり穴が開いたようだと、語ることがありますが、故郷を失うことも、おそらく同じなのだと思います。

もし、失った故郷の周囲に、周回道路があるのなら、私なら何度でも、柵ごしに故郷を眺めながら、周回するかもしれない。しかし東北には、そんな郷愁道路さえも作れないでしょう。

今回の悲劇は原発事故でしたが、実は、似たような事が、世界中で多数起こっていたのです。

それは、開発のため、ダム湖に沈む村々です。

何十年も生きてきて、村から外に出たことのないお年寄りも、何人もいたことでしょう。そんな人たちにとっては、村が消失した時、いったい、どれほどの無力感、喪失感が生まれたのか。

映画「長江哀歌〈エレジー〉」を観て、そんなことを思いました。

主人公は、大事な人に再会したくて三峡ダムへやってきますが、目的地は水の底でした。この、たどりつけない閉塞感が映画の基調トーンになっています。

さらに登場人物たちは、たとえ逢えたにしても、みんな相手が想定外の状況になっていて、目的が達成できないのです。

坊主憎けりゃ…じゃないですが、直接、間接的に、みんな三峡ダム建設の陰で起こった、きっと新聞にすら載らない、けれど哀しい運命に泣いていた物語でした。

日本では、原発近隣の、避難計画の見直しが盛んです。

でも、これから、もし原発を再稼働するなら、避難計画を作るだけなく、同時に、故郷が放射能汚染されて、半永久的に立ち入り禁止になるかもしれない覚悟があるのかどうかも、住民投票で問うことが必要なのではないでしょうか。避難後は二度と故郷に帰れないかもしれないのですから。

「原発事故で避難が必要な事態=故郷が放射能汚染で半永久的に立ち入り禁止にされる」可能性があるのですから、二つはセットで考えるべきなのです。

避難計画だけを万全にして、もう安心ですよ、と言ったとしたら、それは、まだ「道半ば」なのです。

追記 ( 他人の痛みを想像してみる ) 
2014/9/5 6:29 by さくらんぼ

近所の公園で体操をやっていますが、いつも8月後半ごろから、蚊が目立って出てきます。蚊は気温に敏感らしく、猛暑の日も、寒い日にもあまり出てこないけれど。

一回体操をすると10匹単位で蚊に刺されます。蚊よけスプレーもありますが、あれは体内に吸収されるのが心配(乳幼児でなければ大丈夫らしいけれど)で使いませんでした。蚊ぐらいと、がまんしてました。

いえ、蚊に刺されても、不思議と痒みを感じないのです。だから見なければ気にならない。

なぜ痒くないのか。これは想像ですが、やっていた体操は気功であり、立禅・「三円式站とう法(さんえんしきたんとうほう)」で大きな気のボールを作っていましたから、その気のボールの効果で、痒みを感じないのかと思ったのです。あくまでも想像ですが。

しかし、蚊に刺されるのは、見ていてあまり気持ちの良いものではないので、短パンをやめました。

そんな時に、東京で「デング熱騒動」があったのです。

私は地方に住んでいて、今のところデング熱には無縁ですが、病気は嫌なので、公園に行くのを1か月ほど自主的に様子見です。

しかし、さみしい、ほんとうに。

さわやかな朝、公園の木々の緑が、日々移ろっていくのを見ながら体操するのは楽しい事ですが、それが出来ないのは、恋人に会えないごとく哀しい。

これは故郷が原発事故で立入禁止区域にされた人々の悲哀に、もしかしたら多少は近いのでしょうか。

東京の代々木公園では、本当に公園封鎖だそうですね。公園の利用者に不満や困惑が広がっています。

他人事だと思っていた原発事故での故郷の立入禁止の悲哀、その疑似体験が、デング熱騒動で東京でもできてしまいました。

その悲哀が半永久的に自分の住む町で、町全体で続いたら…と、ちょっと想像してみるのも勉強かもしれません。

それから、蚊取り線香や蚊よけスプレーは使うことにします。

以下参考です。ググッてみてください。

<デング熱>通勤遠回り、イベント中止…代々木公園閉鎖余波
(毎日新聞 9月4日(木)22時8分配信・Yahoo!ニュース)

追記Ⅱ ( たどり着けない ) 
2015/6/30 22:36 by さくらんぼ

「湘南ビーチFM」というコミュニティFM放送局があります。

逗子・葉山で、ラジオ放送を78.9MHzと、インターネットで配信しています。

今から10年ほど前でしょうか。私はネット経由でよく聴いていました。これをBGMにしてネットサーフィンを楽しんでいたのです。

ここの良さは、何よりも選曲が良いということです。ビーチリゾートでまったりするのに適した音楽を流しています。だから、聴けばもうリゾート気分。もちろん動画で海も見えますし。

そして、DJさんたちの飾らない人柄にも好感が持てました。

私のお気に入りは「○○○○子」さん。

上品な、癒し系ボイスのお嬢様です。

彼女は、月曜夜の番組で、生DJをしていました。メールをさしあげたこともありました。皆様のお便りお待ちしています、とのことでしたので。

その後、仕事の関係で、一時、聴くのを中断していましたが、何年かぶりに聴こうと思ってネットで選局してみたところ、DJ名簿に彼女の名前が見当たりません。

あわててネットで調べたところ、退職されていたようです。楽しそうな送別会の写真もアップされていたので円満退職なのでしょう。少し安心しました。

○○○○子さま。

あなたのDJ時代には、大変楽しい時間を過ごさせていただき、本当にありがとうございました。この場をお借りしてお礼申し上げます。幸せな第二の人生を歩まれることをお祈りしています。そして、あなたの後輩の方々にも魅力的な人がいらっしゃいますので、また、ときどきラジオを聴かせていただきますね。

映画ファンの皆様はもうご存じですね。

かつて映画「波の数だけ抱きしめて」という、若者たちがミニ放送局を作る映画がありましたが、それを実現したのが「湘南ビーチFM」なのです。若き日の中山美穂さんがDJ役をしていました。

映画を観た想い出と、リアルDJさんの想い出と、私の中で、「湘南ビーチFM」には、2つの想い出ができました。

それは、どちらも…たのしく、せつなく、美しい。

追記Ⅲ ( 故郷の立入禁止を覚悟しますか ) 
2019/3/8 8:44 by さくらんぼ

今年もまた、

3月11日がめぐってきます。


( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


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