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#ネタバレ 映画「シン・ウルトラマン」

映画「シン・ウルトラマン」
2022年 112分 日本
これは男女差別の話か
2022.5.26

( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。)

映画を観ている間中、心がザワザワしていました。あの強いザワザワ感はなんなのでしょう。

実は、私が子どもの頃に観ていたのは、「ウルトラマン」ではなく「ミラーマン」でした。なぜだか分かりませんが、(失礼を承知で申し上げれば)「ウルトラマン」には、あまり魅力感じなかったのです。子どもの拘りですから許してください。

そんな私ですから、「シン・ゴジラ」の二番煎じみたいな「シン・ウルトラマン」には冷ややかな視線を送っていたのです。それが、なぜ観に行くことになったのかと言えば、不覚にもネットで予告編を観てしまったからです。

その中のスペシウム光線がカッコ良すぎたのです。

居ても立ってもいられなくなった私は、すぐに劇場へ。

そして、映画が始めると秒殺で、その世界のとりこになってしまいました。

観終わってみると、ウルトラマンもすごかったけれど、巨大化しなくても長澤まさみさんの存在感が凄い。ウルトラマンを食っているのです。

それを思い出して気づきました。

これは人間と宇宙人、パートナー、バディ、人命救助、ウルトラマンの特攻などを使い、相手を尊重する気持ちから博愛へ、そして、(お茶出しのエピソードもありましたし)男女の差別問題を描いているのではないのかと。


★★★★☆

追記 2022.5.26 ( お借りした画像は )

キーワード「お茶」でご縁がありました。ほっとする写真ですね。少し上下しました。ありがとうございました。

追記Ⅱ 2022.5.26 ( 「差別問題」から、「複眼的思考」へ )

映画「シン・ウルトラマン」のチラシを観て、もう少し焦点が合ってきました。ウルトラマンのシルエットの中に、仲間たちの姿が入っています。つまり、ウルトラマンは、ウルトラマンとしては、少なくとも仲間の気持ちの代弁者として動いているのです。ウルトラマンの目が複眼である事がその記号でもあるのでしょう(実際は着ぐるみの工作上の理由だとしても)。ですから広義には「複眼的思考の必要性」となるのかもしれません。

対する怪獣たちは(なんでも大きな生物兵器らしい)、イノシシみたいに突進するものや、尖がったドリルがついた、いわゆる直進性のものが目立ったように思います。あれは「単眼的思考」でしょうね。

追記Ⅲ 2022.5.26 ( 人間を師としたウルトラマン )

宇宙人ジョーンズみたいに、ウルトラマンは高度な知的生命体であるがゆえに、人間の不合理な自己犠牲という概念を見せつけられ、まるで、(おそらく彼らには存在しない)宗教の崇高な教義のように感動し、自らも人間を模倣し、人間を守る存在になろうとしているのだと思います。

それを、ウルトラマンの神のような博愛と感じた(誤解した!?)ヒロイン浅見(長澤まさみ さん)は、人間のようにウルトラマンを愛し始めるのです。恋愛は盲目だから、それも有りなのでしょう。

追記Ⅳ 2022.527 ( 映画『ULTRAMAN』 )

裕木奈江さんも出ている映画『ULTRAMAN』

知りませんでした。ぜひ、観たいです。

追記Ⅴ 2022.5.27 ( 音が尖がってクール )

この作品を面白くしている要因の一つに、「音のダイナミックレンジが大きそうだ」というのがあります。爆発音がわりと尖がってリアルなのです。

アクション映画の中には爆発音に強いリミッターをかけて丸めている作品もあります。それは、家庭で観る分には近所迷惑にならないので良いのですが、せっかくの映画館では物足りないことがあります。

しかし、この作品はヒリヒリするような尖がった音が入っており、それがいっそうリアリティを高めていました。

追記Ⅵ 2022.5.27 ( 後半1/4少々失速気味 )

映画「シン・ウルトラマン」、褒めてばかりでは何ですので、★5つの満点にならなかった理由を書きます。

この作品、いきなり映画レベルの特撮が3/4ほどの時間続くのです。いきなりトップギア―な感じ。

しかし、後の1/4になると、物語的にはクライマックスのはずなのに、ガス欠を起こしたように、TVレベルの特撮になってしまうのです。いや、TVレベルでは無いのかもしれませんが、素人の私にはそう見えてしまうのです。

例えば、米軍のステルス戦闘機から貫通爆弾を落として地底怪獣を攻撃するシーンでは、戦闘機からの投下シーンはあっても、地面に突っ込む爆弾の描写が無く(私に見えないだけか)、ただ、地面の爆発だけが続くのです。

あれは映画「フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ」(1966年)だったでしょうか。正確な映画名は覚えていませんが。キングコングのような怪獣を攻撃する架空兵器として、「メーサー殺獣光線車」(あるいは「レーザー放射機」)からの放射が緻密に描かれていました。

敵が動くから、外れた放射が奥の樹々に当たると、当たった幹が緻密に、しかも、つぎつぎに爆ぜて折れるのです。CGに似た架空の放射と、実写のミニチュア樹々の爆発のシンクロが見事で、その特撮映像を見ているだけで、何回でも、うっとりしてしまいます。過去にはネットにも在ったはず。

どこかで、やはり「シンクロが大変だった」と読んだことがありますが、今のようなコンピュータ時代ではないので、本当に大変な職人技だったのだと思います。

それを思い出すと、現代の映画なのに、着弾の描写が無いのは、(失礼ながら)TVレベルの特撮に見えてしまうのです。

又、ウルトラマンが人間に倣い、命をかけた特攻を仕掛けた後、ブラックホールのようなものから、命からがら脱出する映像もそう感じました。TVレベルを連想したのです。

そして、その1/4では、人間ドラマもあまり面白くありませんでした。

なぜ、そうなったのかは分かりませんが、まるで、前半3/4に予算とエネルギーを使い果たしてしまった感がありました。

もし私が作るのなら、地味なものは前半に持ってきて、さらに特撮は控えて、人間ドラマで勝負するようにしたいです。そして後半3/4に怒涛の特撮アクションで、派手に、一気にクライマックスまで攻めたい。そうすれば、予算的には似たようなもので可能かと、そんな、素人の夢想をしたのです。



( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。 

更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


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