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#ネタバレ 映画「メッセージ」

「メッセージ」
2016年作品
映画館が、水族館になった
2017/5/25 15:36 by さくらんぼ

( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )

映画「未知との遭遇」映画「いま、会いにゆきます」みたいな映画でした。オマージュでは無さそうですが、現時点ではよく分かりません。

前評判ほどには感動しませんでした。宇宙人の姿が、西洋人たちの忌み嫌うイカ・タコの類をモチーフとしているみたいですし(またか、な感じ)、宇宙船の中も水族館みたいで、少しガッカリさせられたのも一因です。目くるめく斬新さを見せてほしかった。

それからあの宇宙船。イカ・タコの卵は知りませんが、私にはタラコに見えました。

ただ、ドラマの品格は高かったです。

★★★

追記 ( 「灯台下暗し」 ) 
2017/5/26 8:18 by さくらんぼ

「サピア=ウォーフ仮説」がこの映画の重要キーの一つです。私も「何の話?」と思いましたが、「日本人は日本語によって世界認識をしていますが、英語を学べば英語的なそれも出来るようになること」言えば、これは常識ですね。

ならば言語に精通した言語学者が、さらに宇宙人の言語まで学べば、「宇宙人の世界認識」まで獲得でき、人類を導けるのでは…という話です。

またかと思われるかもしれませんが、ここで気功の話を。

「気は情報でありエネルギーである」と言われています。それによると、人の情報は体内の「気」にもメモリーされおり、死後にはそれが外気に放出され世界中を漂います。やがてそれが他人の中に入り、伝達し、その人のインスピレーションを助けるのです。外気の中には、そんな「昔からの万人の情報である『気』が満ちあふれている」と言われています。お坊さんが座禅で悟りを開くのは、そのせいもあるのではと私は思っています。

宇宙人とコンタクトするのは素晴らしい夢ですが、そんな科学者たちが「気」の存在を無視しているのは「灯台下暗し」の感があります。

まったくの素人でも、気功の技である「立禅・三円式站とう法」(さんえんしきたんとうほう)を毎日3~4か月続けると、ある日突然、眠っていた「気感」が覚醒して、「気」に触れ、操れるようになるのですから。

追記Ⅱ ( 地球を救った、映画「東京物語」 ) 
2017/5/26 8:41 by さくらんぼ

宇宙船は中国にも現れました。中国も最初はコンタクトを試みましたが、すぐに諦めて攻撃の決定をしました。しかし、ここで宇宙人と戦争をしても勝ち目はありません。中国だけの破滅ではなく、地球の破滅につながります。

しかし中国へのホットラインは切断されています。出かけて行く時間もありません。その時ヒロインは、ある方法で、中国軍のリーダー・シェン上将のケータイに掛けることに成功したのです。

そしてヒロイン・女性言語学者は攻撃中止を進言したのですが、後に聞いた口説き文句は、「戦争をしても未亡人を増やすだけ」みたいな話だったとか。それはシェン上将の妻のダイイング・メッセージと同じだったから効いたのです。

でも「戦争をしても未亡人を増やすだけ」からは、映画「東京物語」も思いだしました。

追記Ⅲ ( 命がけの重要任務 ) 
2017/5/26 15:53 by さくらんぼ

宇宙船の中に宇宙人は二体いました。人間側も「選りすぐりの二人」ですから。たぶん相手も「余人をもって替えがたい二体」なのでしょう。

彼らと何回も面会して会話を試みることになるですが、途中から一体になるのです。ヒロインが「どうしたの?」と聞くと、「死に行く過程にある」みたいな返事。

彼らには予知能力があります。だからつまらない事故死は回避するはずですし、医療も信じられないぐらい進んでいるはずです。それなのに重要な海外出張任務の途中で死ぬのは、きっと老衰による天命なのでしょう。

言いかえれば、予知能力で、出張先で己の命が尽きることを知ったうえで、それでも重要な任務遂行のため、地球へやってきたと考えられるのです。

ひと言で言えば「今、会いにきました」みたいな。

追記Ⅳ ( ダイイング・メッセージ ) 
2017/5/27 14:13 by さくらんぼ

ヒロイン・ルイスと相棒・イアン。二人の学者は結婚しますが、後にルイスは「自分には予知能力がある」とイアンに告白します(「愛娘は死ぬ運命」とかも言ったはず)。

すると愛娘の話が逆鱗に触れ「こいつ変!」とばかりに離婚されたのです(たぶん)。残されたルイスはやがて一人ぼっちに。彼女は宇宙人との遭遇というバトルで、未亡人になったも等しいのです。

二人に対峙した宇宙人二体も、ルイスとイアンと同じく学者夫婦であった可能性があります。それが今回の地球訪問というバトルの中で一体が死にました。

そして中国軍のリーダー・シェン上将の妻も「○○○○」というダイイング・メッセージを残しました。

映画の中では「○○○○」とは何であるのか説明されていませんが、たぶん主題。これを皆で考えてほしいのでしょう。その行為が尊いのです。そして実行に移せば、未来からその心配が消えるのです。

過去の教訓を未来に生かせば、イカ君が墨で書いた「時制の存在しないリング言語の世界」が成就するのです。

いけない私は、ダイイング・メッセージをどこかでカンニングしてしまいましたが。

追記Ⅴ ( 異星人ではなく異文化の話 ) 
2017/5/27 16:38 by さくらんぼ

そしてこれは異星人の話ではなく、異文化の話でしょう。

相手の言語から入って、宗教などの異文化を理解することが、世界観を理解することになり、それがテロや国家間の戦争を防ぐために役立つという。

つまり「対話と圧力」ではなく、「対話が大事」と言っているのです。

ただし、ご承知のとおり通り一遍の交渉ではあまり効果がありません。「○○○○」みたいな心に届く話が出来る人を求めているのです。

追記Ⅵ ( 「 I have no idea 」 ) 
2017/8/15 8:47 by さくらんぼ

>ひと言で言えば「今、会いにきました」みたいな。(追記Ⅲより)

映画「メッセージ」にあふれる、湿度間の高い世界観も、「今、会いにきました」みたいな…。

それは、ともかく。

「 I have no idea 」。

英語は苦手ですが、昔この言葉を知った時、英語圏に暮らす人々の概念に驚いたものです。



( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


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