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#ネタバレ 映画「劇場版 ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん」

「劇場版 ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん」
2019年作品
おじさんたちの新しい居場所
2019/7/11 16:23 by さくらんぼ (修正あり)

( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。)

良いものを観させていただきました。

シナリオがよく推敲されていますし、映画の出来も上品で、心地よい時間がすごせます。

そして、「ファイナルファンタジー」の背景になる楽園の美しさ。

油断するとゲーマーになってしまいそう。

★★★★★

追記 ( TVドラマ「ゆうべはお楽しみでしたね」 ) 
2019/7/11 17:51 by さくらんぼ

「ドラクエX」を舞台にした、本田翼さんのTVドラマ「ゆうべはお楽しみでしたね」を楽しんでいましたので、この映画「 劇場版 ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん」も、似たような作品かもしれないと思っていました。

観てみた感想は、確かに、似ていると言えば、似ている部分もありましたが、甲乙つけがたいほど、どちらも楽しめましたよ。

追記Ⅱ ( 私も戦士!? ) 
2019/7/11 18:24 by さくらんぼ

お父さんは、息子からプレゼントされた「ファイナルファンタジーXIV」の中で、弓矢を使う戦士に扮するのです。

「ファイナルファンタジー」の中には弓矢の練習場もありましたし、練習に励む戦士たちもいました。

それを観ていたら、私がおじさんになってから始めたアーチェリーを連想したのです。

私はTVゲームこそやっていませんが、リアルで弓矢の練習をしていました。もし、そこのクラブチームで試合に出たら、「ファイナルファンタジー」のチーム戦と、似ているかも、と思ったのです。

この映画の中で、お父さんはTVゲームにはまってしまいましたが、私もアーチェリーを始めてから、あっと言う間に年月が流れてしまいました。その速さは浦島太郎を連想したほどです。

本当に楽しい事をしている時は、本当に時の経つのが早いのですね。

ちなみに、弓矢で戦う相手は(怪獣ではなく)己の心です。ザワツキゆらめく己の心を静め、無心になるための戦いをするのです。そうしなければ命中しませんから。

的紙は、心を見えるようにする為のものです。

追記Ⅲ ( 二つのエンディング ) 
2019/7/12 8:59 by さくらんぼ

仕事人間で単身赴任していた父。ある日、「次期専務に内定したらしい」との吉報が、周辺から家族の元へ飛びこんできますが、父は辞令を受け取る前に、独断で依願退職してしまったのです。

帰ってきた父は、ますますピリピリと寡黙になっていました。だから、誰も退職の真相を聞きだせない。そこで息子は一計を案じ、ゲームに誘うわけです。

病気に限らず、ショックを受けたほどの重大な要件については、本人の心の整理がつくまで、たとえ苦しくても、誰にも何も話せない、そんなことがあるものです。「頼む、一人にしてくれないか…」と言うあれです。

そして、最後に分かった退職の理由は、健診で病気が発見されたからでした。病名は明かされていませんが、癌だと思います。

映画の終わり近く、入院した父が点滴の装置をひっぱりながら、病院の廊下を歩き、光の中へ消えていくシーンがあります。

私はあれがエンディング①だと思いました。結末は観客の解釈に委ねる、無常感漂う、少し哀しい味わいです。

しかし映画は、手術も成功し、また自宅で元気にゲームが出来るようになった父を描いて終わります。これがエンディング②かもしれませんね。

エンディングを複数撮って、後で観てから決めるみたいな事は、映画界では珍しくないみたいです。

そして②に決定したと想像します。癌が不治の病とされていた昔ならともかく、現代においては②が相応しいのでしょう。それが理性的判断というもの。

しかし、「もののあはれ」の日本人には、情感的に①も捨てがたい。だから、もしかしたらボツにしたエンディング①も効果的に使ったのかもしれないと、そんな風に感じました。

追記Ⅳ ( 映画「わたしに会うまでの1600キロ」 ) 
2019/7/12 9:09 by さくらんぼ

>病気に限らず、ショックを受けたほどの重大な要件については、本人の心の整理がつくまで、たとえ苦しくても、誰にも何も話せない、そんなことがあるものです。「頼む、一人にしてくれないか…」と言うあれです。(追記Ⅲより)

このような時、ショックが少し和らぎ、動けるようになったのなら、しばらく一人旅に出るのも有効です。映画「わたしに会うまでの1600キロ」は、そんな世界を描いた作品でした。

映画「劇場版 ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん」も、ある意味、自然の美しいロングトレイルの映画だと思います。

そこに、この映画の必然があったのかもしれませんね。

追記Ⅴ ( 逆転した親子 ) 
2019/7/12 9:28 by さくらんぼ

>帰ってきた父は、ますますピリピリと寡黙になっていました。だから、誰も退職の真相を聞きだせない。そこで息子は一計を案じ、ゲームに誘うわけです。(追記Ⅲより)

息子は唐突にゲームを思いついたのではありません。

幼い頃、父にねだって、TVゲームを買ってもらった記憶があったのです。

楽しい思い出。

しかし、あの時、息子は父の支配下にありました。

しかし、今、父が息子の支配下にあるのです。

ご承知のように、定年の60歳は、「還暦」とも呼ばれ、平均寿命の短かった昔は、「老いて子ども帰りする年齢」とも言われていました。だから、昔の子どものように「赤いちゃんちゃんこ」着せてお祝いしたのです。

主人公2人が写っているチラシの写真を見ると、父を明るく見守る息子と、そうとは知らず、子どものように真顔になって遊んでいる父がいました。

そして、その時、父のシャツは赤いのです。

追記Ⅵ ( テレワーク時代の居場所「仮想オフィス」 ) 
2021/1/4 10:40 by さくらんぼ

ステイホームで深まる「孤独」 必要なのは逃げ場づくり <レビュー2020> 』( 2020.12.27「GLOBE+」 )

〔 「入社後一度も出社していない新人から『寂しくて会社を辞めたい』という相談を受けた」との話が寄せられた。1月号では遠い米国の話だった在宅勤務の孤独対策が日本でも求められ始めている。 〕抜粋

皆様にとってはすでに常識かもしれませんが、今回私は「仮想オフィス」というアイディアを初めて知りました。

そして連想したのは、この映画「劇場版 ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん」です。

味気ないテレワークやネット会議だけでなく、美しい仮想自然環境の中での「仮想オフィス」や、実際の会社を模して作った懐かしい「仮想オフィス」の中で過ごすことは、そして同僚たちとの雑談を含めたコミュニケーションを容易にすることは、大きな「癒し」の効果が期待できるはずです。

この延長線上に、ふと、映画「マトリックス」も連想しました。

追記Ⅶ 2022.4.29 ( お借りした画像は )

「自然」で検索してご縁がありました。無加工です。ありがとうございました。



( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。 

更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


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