見出し画像

「この世界」を敵視して

街ではイライラすることが多い。

例えば、降りる人を待たずに電車に乗ってくる人。
ほんの10秒待てばスムーズに乗り降りできるのに、どうして避けないのだろう?
白状すれば、そういう人にわざと肩をぶつけてしまうことがある。いつも後悔するけれど、イライラは消せない。

最近、そのイライラはこの世界に対する自分の「敵視」が原因ではないか、と思うようになった。それはつまり、赤の他人は優しくないという先入観である。

その先入観がなぜ強いか考えると、身近な家族や友達の優しさを感じた出来事を「当たり前」だと考えてきた自らの奢りが思い当たる。そんな奢りは、誰かからの不親切に対する嫌悪感を増幅させる。
自分にとって「当たり前でない行為」がぶつかってくるように思うからだ。
そんな考えで20年間を過ごしてきた僕は、目を三角にして街を歩くようになってしまった。

この世界にはもちろん他人に不親切な人間が多いが、同じくらい親切な人だっている。そしてそもそも、重視するべきは他人ではなく、身近にいる家族や恋人や友人である。他人と違って、愛すべき人たちと過ごす時間は長いのだから。

今年はこの世界を敵視しないで生きたい。
メガネを外して、近くにいる人たちしか見えないくらいがちょうどいいのかな。
そう思った、2024年の5日目。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?