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小学館の図鑑NEOアート『図解はじめての絵画』

小学2年生の息子に買い与えてみたら予想の何倍も充実した内容で、購入当日は家族で奪い合うように眺めた。

https://www.shogakukan.co.jp/pr/neoart/

息子はテレビ番組や動画を見る習慣がなく、家にいる時には本を読むかゲームをしているか。どうやら小学校ではYouTubeの話題とかは出ているようだけれども、両親の再生履歴を眺めても音楽やよくわからない英語の動画ばかりで、お友達が見ているものには辿り着けないようだ。

そんな中、とにかく図鑑が好きで、宇宙の話に興味があるけれども、アマプラに入ってるドキュメンタリーで小学校低学年でも楽しめるもの片っ端から見てしまったため、試しに(厳選した上で)「ゆっくり解説」の宇宙の動画を見せたところすっかりハマってしまったのだ。霊夢と魔理沙に。
とはいえこの「ゆっくり解説」も取捨選択しないとすぐにきな臭いものがサジェストされるので、見せられるものも限られてくる。
先日、絵画解説のものを見せたところ、異常に反応が良く、出てくる名画と画家をどんどん覚える。それならば、とこの図鑑を買い与えた。

まず素晴らしいのは印刷の美しさ。このページ数と印刷クオリティで税込¥3,000程度とは・・・と驚く。
そして小学生にも興味が持ちやすいように練られた構成。年代記ではなく、「絵画はこんなに面白いんですよ」と順序立てて示してくれる。

「何が描かれているのか」
「どう表現しているのか」
「絵画をもっとよく知ろう」
「素材と技法」
「美術館へ行こう」

このサブタイトルの流れだけでも、「なるほど」と納得させられる。各章内での構成や順序は実物で見ていただくと分かるけれども、ページをめくるたびに新しい視点が提示されるので飽きがこない。そしてその絵画を通じての思考を促され、「観て、考える」というサイクルが生まれる。年代順になっていないのはそのためで、各章のテーマに入り込みやすいようにワクワクが詰め込まれている。
そう、何が素晴らしいってページをめくるたびに「次はどんなのが出てくるんだろう」とワクワクするのだ。そして「あぁ、この絵の実物をいつか見てみたいな」と思わせてくれる。(実際、息子は今度美術館に行ってみたいと言っている)

子どもだけじゃなくて「アートよくわからないけど興味がある」「絵画の見方くらい身につけないとなぁ」と考えている大人にも、非常に強くおススメできる。巷に出回る「アート思考」だの「世界のエリートが」とか「グローバルに活躍するビジネスマン必須の」みたいな、なんちゃってアート解説本なんかよりも余程良い。感覚的に理解しながら身体に馴染ませることができると思う。
「アートの勉強をしたいんだけど」みたいなことを大人の知人から相談されてもとりあえずこれを買うと良い、と今後答えるだろう。
「そんなこと言っても、子ども向けの図鑑でしょ?」と考えているあなたが想像している内容よりもはるかに素晴らしい。

先日"自由鑑賞が云々"みたいな話題をSNSで見て色々と考えてしまったけど、この図鑑からスタートした子どもたちなら将来安心だ。きっと芸術を当たり前に楽しんで、人間にとって大切な文化として扱いながら生きられる。
この本の工芸バージョン出ないかな。

ついでに言うと我が家はこの「図鑑NEO」シリーズを揃えるようにしている。
特にこの『音楽』は凄いから音楽マニアや楽器ファンの大人は本当に全員買った方が良いです。こんなに民族楽器とサンプル音源の充実した図鑑は見たことない。夢のよう。これも想像の十倍くらい凄いのでぜひ。


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