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なんでも野球にたとえる人 ーー On Leadership Lessons from Sports を読む

私が英語を教える仕事を始めた頃は、first, second, thirdという序数をおぼえてもらいたいとき、「ほら、あの、野球のさ、1塁、2塁、3塁、あれのことだよ!」って言ってれば済みました。

それが今はどうでしょう!!! 野球のルールを知らない生徒のほうが多いんです!!! 

そりゃそうですよね、テレビで野球の試合中継してないし、サッカーに比べてルール複雑だし、そもそも一度に子供9人とか18人とか集めらんないし集まったところで2時間も3時間も拘束できないですもんね!!!

最近はもう「ザ・ファースト・テイク、セカンドストリート、サードパーティ、え、あ、サードパーティわかんないか、あの、ほら、純正じゃないやつ」って教えてます。

昔はよかった。レフトもライトも、ストライクも、ぜぇぇぇぇんぶ野球の話を持ち出せばよかったんですよぅぅぅ!!!

それが今はどうですか、ちょっとでも野球の話しようもんなら、すぐ首かしげられちゃって、「あー、いや、すいません僕ちょっと野球わかんないす」とか言われちゃって、うわあああなんかこちらこそごめんなさい野球の話なんかしちゃってほんと!!!みたいになっちゃって、嗚呼、落日のベースボール。

このままだと、空気読まずに強気に野球の話なんか続けたら、やきゅハラとか言って訴えられそうな勢いですよ。

平成まではあちこちに出没してた、朝礼のときでも飲み会でもいつでもどこでもなんでもかんでも野球にたとえる上司、あれもいまやすっかり絶滅危惧種。みんなどこ行っちゃったんですか。

コロナの前は、あのおじさんたちは一瞬、なんでもラグビーにたとえるおじさんたちに擬態してたんですよ。おぼえてます? ワールドカップ。ここはひとつ、ワンチームで!とか言って。でもそれも三密を避けるリモートワークでみんなおうちに帰ってしまいました。


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