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積読は崩れたままに寝正月

年末も普段と変わりないといえば変わりないのだけれども、世間が年末使用なのでどうしても影響を受ける。昨日で図書館は業務終了となって来年4日ぐらいから。図書館で借りている本はたんまりあるし、家にも積読本があるので読書には不自由しないが、部屋で読書すると気が散るものが多いのだ。ネットもその一つなんだが、TVも年末特集とかやっているのでついつい見てしまう。

『鎌倉殿』は一話みただけで全然興味なく見ていないのだが、『エスピル』は最終話をみたいような見たくないような気持ちなのである。まあ感動したという話は多いのだが、やっぱTVだし、TVのタブーと言っても肝心なところはお茶を濁して感動話で終わるのではないかと。『1Q84』を2巻まで読みながらどうせ村上春樹は最後泣くんだろうと思って3巻は読んでなかった。
 そういう話が嫌いなわけじゃない。昨日もTVを付けたら『八日目の蝉』の再放送をやっていて、やっぱラストは号泣するのである。ただ映画の方が号泣度が高いと思う。ドラマだと展開が甘いんだ。そういうのに号泣する自分に覚めてしまって。

 そして続けてケネディー暗殺の「未解決事件」をみてしまって、これが面白かった。絶対映画化すべきだと思っていたらオリヴァー・ストーンが出てきて、たぶん彼の元での編集なのかな。出来過ぎドラマになっていた。だいたい元CIAがペラペラ喋りすぎる。お前は国家に忠誠を誓ったんじゃないのか!誰か上司に恨みでもあるのか!と思うぐらいに。それはいいんだけど、最後はラブストーリーみたいな話になっているし。TVだとどうしてもそういうパターンになる。もっと非常な掟みたいなのはないんかいと思ってしまう。現実はもっと厳しいよな。
 
昨日も引き籠もって読書に専念しようとしたけど寝てしまうんだよな。ミル『自由論』を読んだけどあまり頭に入ってこなかった。
 創作(「道行」の宿題)で『落語特選〈上〉』を読んでいるのだが「品川心中」は、川島雄三監督『幕末太陽傳』がこの落語を元にしているとは、知らなかった。金蔵役が小沢昭一で芸者のお染は左幸子だったとは。後で見てみよう。「品川心中」はあまり道行の描写はなかった。「大山詣で」はあると思うのだが、もう書いてしまったからそれから話を膨らませるかは考え中。『落語特選〈上〉』は、正月になると落語番組も多くなるので、借りて正解だと思っている。
 ケイト ・ザンブレノ『ヒロインズ』は、毎日100p.目標として。ちょっとスラスラ読めないのは、著者が「ヒロインズ」の巫女的に憑依した書き方な上にさらに自分の体験を織り込むので、かなり錯綜した語りになっている。意識の流れという感じで、フィッツジェラルドの妻のゼルダのことが書かれていたと思ったらポール・ボウルズの妻になっていたり、ヘンリー・ミラーの愛人になっていたり。つまり文学者(芸術家)のミューズとされた妻たちは作品(もの)扱いではなくて、自ら表現したかったのだと。その思いがやがて狂気のミューズとして彼らの作品を高める。日本で言えば高村光太郎の『智恵子抄』のようなものだ。あるいは島尾敏雄『死の棘』とか。これはけっこう面白そうな本ではある。

今日の一句。

積読は崩れたままに寝正月

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