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二十歳前に観たい映画

『スウィート・シング』(アメリカ/2020)監督アレクサンダー・ロックウェル 出演ラナ・ロックウェル/ニコ・ロックウェル/カリン・パーソンズ/ウィル・パットン

解説/あらすじ
15 歳のビリーと 11 歳のニコ。このうえなく悲しいけれど、このうえなく幸福なファンタジー…。マサチューセッツ州・ニューベッドフォード。普段は優しいが酒のトラブルが尽きない⽗アダムと暮らす、少⼥ビリーと弟ニコ。ある⽇、⽗アダムが強制的な⼊院措置となり、⾝寄りのないビリーとニコは、家を出て⾏った⺟親イヴのもとへ⾏くのだが……。⼦どもたちの、悲しいけれどどこか希望に満ちた、ひとときの冒険が始まる。

これは凄い良かった。ジム・ジャームッシュを彷彿とさせる映像に『恐るべき子供たち』のようなストーリー。家庭(過程)は逆で「恐るべき大人たち」だが、大人に翻弄される子供たちが自由を求めてのロードムービー。ヒロインのビリーが凄くいい。監督のお嬢さんだそうだ。弟も監督の息子だった。それでリアリティある演技だったのか。

ラナ・ロックウェル、監督であり父との撮影は「信頼関係が一番大きな助け」に https://www.cinemacafe.net/article/2021/11/05/75626.html @cinema_cafeより

ヒロインのビリーはジャズ・シンガーのビリー・ホリデイから名前を付けられたのだが、困難になるとオカマのビリー・ホリデイが姿を表す。このへんのユーモアもいい。ビリーは歌で苦難な人生を切り抜ける。

スタイリッシュなモノクロ映像で時々現れるビー玉を覗いたようなカラー表現が素晴らしい。映画は、弟想いの姉弟愛の映画で不良少年との三人関係。

映像も良く、音楽も救いをもたらすというストーリーもいい。ロードムービーであり音楽映画。どしようもない親世代。そこから逃げてフロリダに行くロードムービーなのだが、刹那い子供時代の輝ける記録。

こういう映画は今年一番というのではないが、何年かしてまた見たくなる映画。映画の中では彼らは歳を取らない。あの無垢なる瞬間が素晴らしいのだ。こういう映画を二十歳ぐらいで見て人生の節目節目に見たい。後、何回見れるかな?

映画『スウィート・シング』のプレイリスト


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