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『ローレル・キャニオン』は「夢のカルフォルニア」

『ローレル・キャニオン 夢のウェストコースト・ロック』(2020/アメリカ)監督アリソン・エルウッド 出演ヘンリー・ディルツ/ジャクソン・ブラウン/ジョニ・ミッチェル/デヴィッド・クロスビー/グラハム・ナッシュ/ニール・ヤング


解説/あらすじ
ロサンゼルスのハリウッド・ヒルズに位置し、カリフォルニア・サウンドという言葉を生み出したウェストコースト・ロックの聖地、ローレル・キャニオンに焦点を当てたドキュメンタリー。ジョニ・ミッチェル、CSN&Y、ザ・バーズ、バッファロー・スプリングフィールド、ドアーズ、ジャクソン・ブラウン、リンダ・ロンシュタット、イーグルスなど、錚々たるミュージシャンのヒット曲と共にその功績を振り返っていく。

ロックにそれほど詳しくないが、時代的なものなのかなんとなく聞き覚えのある歌が多い。ただ音楽だけ聞いていたので、英語の歌詞を辿ることはしなかったので、曲のイメージと違って、いろいろ思うことが多い。

その最もなものは、ママス&パパス「カリフォルニア・ドリミーング」だろうか?なんとなくカリフォルニアの脳天気な歌だとばかり思っていた。歌詞はニューヨークの冬の情景を歌ったもので温かい夢のあるカリフォルニアに行こうという歌だった(これも能天気か?)。今では、この歌の始まりが夢の60年代のように刹那く響いてくる。

ジョニー・ミッチェルの存在感は大きい。その対極にいたのがドアーズだったような。昼間の明るいカルフォルニアと夜の歌。ウッドストックが最高潮だった。その前のモンタレーの方も興味深かったがそっちの映像を見てみたかったな。ジャニスもいたし。ニール・ヤングは一匹狼な感じだった。

ローレル・キャニオンは物価も安く自然に囲まれた環境なのに都市に近いという若いミュージシャンたちにはあこがれの地になる。ママ・キャスが面倒見にいい姉御肌というような。

鍵も掛けずにミュージシャン仲間が自由に出入りする雰囲気だったのがシャロン・テート事件で一気に変わったと言った。ヒッピー世代もフラワーチルドレンだったのが麻薬に溺れていくというような。

ウッドストックで良かった雰囲気は、ストーンズのヘルスエンジェルスが警備した無料コンサートで死者が出てロックの印象が悪くなった。麻薬やアルコールで若死にするスターも多かった。

それ以降はジャクソン・ブラウンに代表されるような内向的な歌が多くなる。ウェストコースト・ロックはフォークやカントリーから来ているのが多いのだという。リンダ・ロンシュタットの偉大さが良くわかる映画でもある。リンダ・ロンシュタットはカントリーの田舎娘という感じなのだが、彼女がイーグルスの「ならずもの」を歌うと語り部(歌姫)になるのだった。

イーグルスは、もう後期なんだ。最後のあだ花という感じ。「ホテル・カルフォルニア」も挽歌だというのがよくわかる映画だった。

ニューヨークのロックのほうが好きなのはブルースだったからかな。

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