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夕雲に蝙蝠はしゃぐ帰り道

もう少しオレンジがかった雲だったのだが、色が飛んでしまった。こういうところはスマホ写真であるのだから、言葉で補わなければ。

夕雲に蝙蝠はしゃぐ帰り道

ここでは蝙蝠はいなかったのだが川べりには夕方過ぎると蝙蝠が飛んでいるのだ。早すぎて写真には収めれないのだけど。

昨日は引きこもりで鬱状態になっていたので無理して外出。図書館ぐらいしか行くところがないのだが。そう言えば「シン・俳句レッスン」で西東三鬼の俳句をやったのだが無職時代に図書館の句があった。

図書館の薄き草履をひきずるよ  西東三鬼

西東三鬼の生活俳句はいまいちということだった。

図書館の本の言葉をひきずるよ

真似っ子俳句。

一冊返却、二冊借入でまた上限の十冊だった。横浜の図書館と合わせると二十冊借りていることになる。読めるはずはないだろう。

『ドン・キホーテ 後編』を十章まで。やっと冒険に出たところ。後編は遍歴の旅に出るまでにドン・キホーテとサンチョ・パンサが家人を説得したり、学士サンソンというライバルが出てきて、ドン・キホーテの遍歴が本になったという話をしたりする(メタフィクション部分)。ここは面白かった。

工藤庸子『大江健三郎「晩年の仕事」』。そもそも『ドン・キホーテ』を読み始めたのは、この本で大江健三郎の「晩年の仕事」作品である『憂い顔の童子』との関係を述べていたからである。その第3章「『さようなら、私の本よ!』―テロとエリオット」まで読んだ。エリオットの「四つの四重奏曲」を読もう(今日の課題)。

井原西鶴『好色五人女』。いろいろ浮気性なんであっちこっちの女じゃなく本に手を出してしまう。『好色五人女』は4人目の「八百屋お七」が好みなのだが、一作目の『姿姫路清十郎物語(お夏清十郎)』を読んだ。なるほど西鶴はエロい。これも歌があったんだ。『夜桜お七』ほどではないな。美空ひばりの方がいいかも。

借りた本は入沢康夫『詩にかかわる』。返却本の中にあったので借りてしまった。最近は返却本から借りることも多い。

読書はそのぐらいで昼はまたネットカフェで食事。持ち込み出来るのでファミレスで食べるのと同じかもしれない。フリードリンクだし。大体三時間千円ぐらい(以下か)。スマホで映画『台風クラブ』を見た。

図書館に戻って『文藝春秋』芥川賞特集の選評だけ読む。石原慎太郎ポジションは山田詠美だった。乗代雄介『それは誠』に厳しい言葉。他の選評で評価が高かったから山田詠美がこきおろさなければ、あるいは芥川賞取れたかもしれない。自分は乗代雄介は『本物の読書家』のデビュー作で取れなかったのでもう芥川賞はないと思う。だいたい同じようなメタフィクションなのだが、どんどん読みやすくはなっているのと同時にラノベ化していると思うのだ。そこが退屈だった。

それより市川沙央『ハンチバック』の受賞の言葉のインタビューでラノベで暗礁に乗り上げたから芥川賞狙いで書いたとか。その傾向と対策をしたということだった。ラノベ作家でこのレベルだった。なんか傾向と対策して取れてしまうのかと思った次第。選考委員の好みも読まれていた。ほとんどが賛成評だったものな。でも小川洋子はそこに悪意を読み取っていたような。豊崎社長が小川洋子の選評を評価するのはそんなところかもしれない。

今まで芥川賞のパターンだと衝撃のデビュー作家という売りが欲しいのだ。それも文藝春秋社の『文藝』からデビューしているわけだからあざといといえばあざといかも。すでにラノベ作家として活躍していたのだから。

そんな危機感は豊崎由美のTwitterから感じられたのは、乗代雄介に芥川賞を与えられないのはどういう訳かということなんだろうけど、選考委員より小説が上手いからなんだと思う
。もう芥川賞取らなくても実力は認められているので今更感があるんだよな。

そんな中で児玉雨子『##NAME##』を正当に評価しているのが小川洋子ということだった。この作品は読んでないので読みたい。

一番妥当な評価は島田雅彦だとは思うが。豊崎由美は厳しい意見だった。


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