見出し画像

台風一過濡れた制服

『台風クラブ』(1985年製作/115分/日本)監督:相米慎二 出演:工藤夕貴、大西結花、三浦友和、三上祐一、佐藤允

解説
台風の接近をきっかけに、やり場のない感情をたかぶらせていく中学生たちの姿をっみずみずしく描いた青春ドラマ。1985年・第1回東京国際映画祭のヤングシネマ部門でグランプリを獲得し、相米慎二監督の代表作となった。

東京近郊のとある地方都市。木曜日の夜、市立中学校のプールに忍び込んだ5人の女子生徒は、先に泳いでいた同級生の男子をからかった挙句に気絶させてしまう。金曜日の授業中には、担任教師・梅宮の恋人の家族が教室に押しかけてきて生徒たちの前で梅宮を糾弾する。台風が近づいてきた土曜日の朝、1人の女子生徒が梅宮に昨日の件について説明してほしいと迫ったことをきっかけに、教室中が大混乱に陥ってしまう。放課後には激しい風雨が吹き荒れる中、数人の生徒が校内に取り残されるが……。

台風がやってくると見たくなる映画だ。思春期の子供たちの不安定な感情を台風一過と共に鮮やかに見せる群像劇。

まずオープニングの夜のプールでのダンス大会がいい。ダンスがいい映画は傑作映画の条件なのだが、観客がダンスにつられて踊りたくなるような映画はポイントが高い。この映画はオープニングとラスト、そして劇中にも素晴らしい子供たちのダンスがある。

最初見たときは工藤夕貴の演技に圧倒されたが、最初はそれほどでもないのがどんどん上手くなっていくような。思春期の一番変化が大きい時に今では考えられないシーンとかある。今はいろいろ規制があるからオナニーシーンとかアウトかなとも思う。それより東京の台風直撃シーンは凄いリアリティがある。中学生の日常もそんなことがあったようなことばかりなのだ。その中にホラー映画やポルノ映画やATG使用の青春映画の要素が散りばめられている。『犬神家の一族』のあのシーンもオマージュだろうか?相米慎二監督の青春映画であり、日本の青春映画というより思春期映画かな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?