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シン・短歌レッスン

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2023年10月の記事一覧

シン・短歌レッス98

シン・短歌レッス98

春は曙というが秋も曙だった。夕陽もいいのですべてがいい秋の一日か?

紀貫之の和歌

紀貫之の『古今集 恋歌四』は「うつらはむ」である。これも小野小町の歌に

恋の歌も成就するものは少なく人のこころは移ろいでいくものである歌っているのである。

『古今集 恋歌三』

「恋歌三」は業平から始まる。

詞書には長雨を眺めてとある。逢わざる恋の悩みを客観的に歌で表現する。「ながめ」は「長雨」と「眺め」の

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シン・短歌レッス97

シン・短歌レッス97

紀貫之の和歌

紀貫之の『古今集 恋歌二』は「不逢恋」で冒頭の小野小町の夢の恋で有名だけど、ここにも紀貫之が登場してくるのか?もしかして全部の巻に最低一首は入っているのか?それも考えられる。

「思ひ」の「ひ」は掛詞で火も掛けてある。四句目「嘆き」も「投げ木」の掛詞。火にくべる投げ木でますます燃え上がる恋。『新古今集』の式子内親王の紀貫之のこの歌の本歌取りがあるという。

式子内親王の歌は恋人がや

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シン・短歌レッス96

シン・短歌レッス96

紀貫之の和歌

『古今集 恋歌一』。『古今集』だけでなく次の勅撰集『後撰和歌集』にも収録されている歌だそうで、上句が情景で、下句が心情という構図。景から情へというのが『万葉集』以来の伝統であるという。「吉野河」は歌枕。「はやく」を導き出す序言葉が景として読まれているのだが、それは情にも影響を与える見事な景になっている。下句では「思ひ」しか言ってないのである。

『古今集 恋歌一』

「恋歌一」はま

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シン・短歌レッス95

シン・短歌レッス95

紀貫之の和歌

『古今集 物名。「物名(もののな)」とは言葉遊びの和歌で、ある物名を掛詞で隠して詠んでいる歌だという。ここでは「をみなえし」だという。これは「折り句」だった。

元来詩というものは言葉遊び的なものがあるということだ。オヤジギャクも詩の萌芽なのだよ。

『古今集 物名歌』

巻頭歌に置かれた藤原敏行の二首。「うぐひす」は単純な鳥だけど「うぐひずとのみ」は意味が複雑だ。「憂く乾ず」とい

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