言い過ぎているキャッチコピー
名古屋の広告会社をやっています。モノを売ることについて、自分なりの知見を記録としてnoteに残していこうと思います。
街中で見るキャッチコピー。
眺めていると実に興味深いものがあります。
例えば私の住んでいるエリアの商店街には幻のシュークリームというお菓子屋さんができました。
突然出現した幻のお菓子…一体どんな幻があるのでしょう。もし本当ならば気になります。
また、とある駅前にて痛くないマッサージと謳うお店を見つけたこともあります。
果たしてそんなモノあるのでしょうか?痛くないなら効いていないだけかも…
個人的に痛くないより、イタ気持ちいいくらいが、マッサージを受けている実感はありそうです。
食べても太らないパンと宣伝するお店もあります。本来であれば景表法的にアウトですが、ローカルだから見過ごされています笑
糖質オフの食品をつかったパンのようですが、本来はアウトです。理由は、この世に食べても太らない食品はないからです。
このように人の目をひきたいがために、多少大げさな表現になってしまう売り文句をよく目にします。
そうなってしまうのは、商売人の心理として痛いほど分かります。しかし、それに騙されるほど消費者もバカではありません。
このような言い過ぎている売り文句は、あまり販促に貢献せず、面白がられて終わってしまいます。それは表現があまりに漠然としているからです。
例えば、幻のシュークリームであれば、一体何が幻なのか?ということがハッキリしません。
生クリームの鮮度がウリなのか?生地の食感がフワフワだからなのか?希少な素材を使っているからなのか?そこを具体的に表現できると、おそらくグッと消費者の心に残るものになるはずです。
函館に「賞味期限30分のクレープ」を販売するアンジェリック ヴォヤージュというお店があります。非常に繊細なお菓子で、解凍してから30分が食べごろであることを伝えるため、賞味期限30分という言葉を使っています。
えっ!という驚きと同時に、商品の魅力も伝えている素晴らしいキャッチコピーですよね。
「痛くない」「太らない」表現は、あまりに言い過ぎています。言い過ぎているがゆえに、消費者に嘘をついていることになってしまいます。あまり良くありません。
なぜそのマッサージが痛くないのか。それは指圧が柔らかい工夫があるのか。技術的なノウハウがあって、痛みが少ないのか。そういった具体的なポイントを伝える工夫をすると、消費者の琴線にふれるキャッチフレーズになるはずです。
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