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売り方を変えるアイデア
お客さまから、こんな質問をいただくことがあります。
商品の売り方に行き詰まっている。
新しい発想や視点をもつにはどうすればよい?というものです。
商品を変えずに、売り方を変える
2020年頃、ワークマンのヒット施策が話題になりました。
それは、商品を変えずに売り方を変えるという戦略です。
もともと職人ツールのプロショップであった同店ですが、機能性の高い商品の価値を活かし、アウトドアブーム訴求にも成功しました。
商品はそのままなのに、看板や店名を変えただけで、今までお店に来ることのなかった若年層や女性客を呼び込むことを実現したのです。
売り方を変えると、新しいニーズに訴求できる
売り方を変えることで、本来のニーズとは異なる市場へアピールすることができます。
例えばシャウエッセン。
今では当たり前に見かけるのですが、同社は2パックまとめての販売方式を生み出したメーカーです。
初めは1パックで販売をしていたのですが、2パックをテープでまとめて販売してみたところ、売れ行きが良かったとのこと。
ハムやソーセージはもともと保存食。まとめて売ることで、冷蔵庫に保存しておける需要にも応えることができたのです。
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ほんの少し変えただけで…
サーティワンアイスが、コロナ禍で生み出したヒット企画があります。
それは、バラエティボックスです。
アイスカップを組み合わせて購入できる箱入り商品です。
元々、バラエティパックという詰め合わせセットはありましたが、変えた点はカップ入りの詰め合わせにしたことです。
ばらして冷蔵庫へ入れられるので、かさばらず収納でき、さらに皿を使わずに食べられる。使い勝手が格段に向上したことで、人気に火がつきました。
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小分けにしてみる
近年、和菓子業界は、小分けでの販売に商機を見出しています。
たとえば、伊勢の名物である「赤福」。
本来は8個入りが一般的ですが、「賞味期限が短い」「少人数では食べきれない」などの欠点がありました。
そこで試しに2個入りの銘々箱を販売したところ、単身者の持ち帰りニーズなど、新しい市場に展開することができたのです。
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スーパーやショッピングモールの売り場を観察していると、「カットフルーツ」や「調理済み野菜」をよく目にします。
フルーツを丸ごと購入するのは大変ですし面倒です。しかし、カットして小分けしてあるフルーツなら、気軽に食べられるし、お酒やお茶と一緒におやつとしても食べられます。
調理済み野菜も、カット・小分けしてあることで、包丁もまな板も不要になります。洗い物が億劫な単身者や若者・主婦のニーズを捉えました。
多様なニーズに訴求する
出版業界でめずらしい趣向を目にすることがあります。
人気作家が新作や話題作を出したとき、そのファンが、「読む用」と「保存用」の二冊購入する様子をみかけます。
そこに目をつけた出版社が、人気作品を装丁を豪華にして、愛蔵版として再販売しました。書籍をコレクションアイテムとして捉えたことで、まさに商品を変えずに売り方を変えて需要を生み出しました。
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ちなみに書籍には読んで楽しんだり、情報を取得するのとは別に、インテリアとしてのニーズもあります。
自分のライフスタイルを表現する書籍を本棚に入れておくことで、インテリアの一部とすることができるのです。
蔦屋を運営するCCC社が、一時期、本棚を特定のテーマにもとづき、コンサルティングするサービスを提供していました。
ラグジュアリーなイメージを演出したい商業施設やホテル、美術館などからニーズがあったようです。(今でもやっているのでしょうか?)
また難しい書籍を本棚にびっしり詰め込んでおけば、いかにも博識で学がある人物を演出することもできます。
よく専門家が本棚をバックにインタビューを受けていますが、これは専門家の発言に説得力を持たせるための、テレビ局側の演出だったりもします。
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商品には多様なニーズがあります。売り方や企画を変えることで、その商品がもつ隠れていたポテンシャルを発揮することができます。
売り場で見つけよう
私は隙間さえあれば、スーパーや商業施設へ行き、「何が売れているのか」「どんなものが並んでいるのか」「陳列の方法は?」など観察しにいきます。
答えはすべて現場にあると思っています。アイデアは机のうえで考えるものではありません。足をつかって探しにいくのです。
特にスーパーやモールの売り場は、常に新陳代謝しています。売れないものはすぐに排除されます。常に売れているモノと新発売の商品しか残らない、厳しい世界です。
世の中の賢い人たちがあつまって考案した、選りすぐりの商品が売り場には並んでいます。盗まないわけにはいかないですよね。
ぜひ商品の販売手法や戦略に迷われたときは、現場でアイデアを収集してみてはいかがでしょうか。
参考になれば嬉しいです。
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