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あきれるほど秋めいて

タイトルまでダジャレにしたくなるなんてダジャレ愛が著しく重症化してるじゃないかと怯えたのですが、1年前に『ナスカってなんっスカ?』というタイトルの記事をアップしていました。

良かった、現状維持で。

歳重ね 有り難み知る 現状維持

うっかり一句詠んじゃった。


1年の中で1番好きな季節はいつかと問われれば間違いなく10月から11月にかけての秋だと答えます。

10月31日のハロウィンは私にとってハローウィンターごきげんよう、てな感じで冬の姿がようやく見えてきましたねというセレモニーではないかと独自の解釈を加えたくなるぐらい、秋でありながらも冬がチラ見えする感じがとても好きなのです。

スーパーでも、フルーツコーナーには美味しそうなりんごや柿が並び、野菜コーナーの栗やさつまいもやかぼちゃに目が行く季節です。

秋のねえ、食卓にしたいよねえ。
デザートもねえ、秋のスイーツにしたいよねえ。

そう考えながらステップを踏んでスーパーに向かった金曜日の夕方、まるで漫才を終えた芸人が舞台袖に吸い込まれるようにして、道中にあるCoCo壱番屋に吸い込まれました。


秋の食卓とかどうでもええ!
カレーが食べたいんや!!

猛々しく叫ぶ自分Bという名の獣Aがいる。

どういう情緒なのかとても説明がしづらいのですが、とにかくCoCo壱番屋からカレーのいい匂いがして、夕方にどこからか漂ってくるカレーの匂いを前に、時に人は無力化するものなのです。

席に案内されるや否やメニューを開き、さまざまな組み合わせが可能なCoCo壱番屋のメニューラインナップを久しぶりに見ながら、つい欲張って色々なトッピングを組み合わせてしまい、会計時に自分に対してはぁ?となってしまった過去の経験を思い出しました。

石橋を叩いて渡るよう、慎重にトッピングせねばなりません。

ほうれん草カレーにチーズをトッピングするか。
チーズカレーにほうれん草をトッピングするか。

しばらく考え込んでいたのですが、『たどる道は違ってもやがて同じ未来に行きつくんやで』という囁きが聞こえましたので、安心してほうれん草カレーにチーズをトッピングする事に決めました。

慎重になるとこ間違えた。


やがて運ばれてきたカレーにがっつきながらようやく理性を取り戻し、そうだそうだ秋だ秋だとスマホ片手にスーパーで何を買うかを決めるために秋のレシピを検索しました。とにかくその日はもうカレーを食べてしまったので、秋の食卓は翌日の晩御飯で楽しむことにしたのです。


秋鮭と牛蒡と舞茸の炊き込みごはん
黄柚子の入ったお吸い物
柿と生ハムと春菊のサラダ
スイートポテト

並べただけでほらもうそこは、秋。
あきれるぐらい、秋めいてる。


翌日は、まずスイートポテトから作る事にしました。

さつま芋は蒸した後、熱いうちに裏ごししなければいけないのですが、やってみるとこれがかなりの重労働だという事に気がつきました。

道具はしゃもじで良かったのか
未だ正解がわからない


なんとか力一杯裏ごししましたが最後の最後に力つき、全体のうちの約5%ぐらいは裏ごしせずにこっそり混ぜ込んでしまいました。裏ごし入学ならぬ裏口入学なんつって。いや何も上手く言えてないし私しか笑ってない。

バター、卵黄、砂糖、生クリームを混ぜて鍋で水分を飛ばしたら生地が出来上がりますので、さつま芋の形をイメージしながら手で成形していき卵黄を塗ります。

1つさつま芋じゃないものをイメージしました
お気づきでしょうか

スイートポテトを焼いている間に炊き込みご飯を作り始めます。

30分以上浸水させたお米の水を切り、分量の水よりお玉1杯分減らして酒と醤油を入れた後、昆布を1枚投入します。

そして2合に対し鮭を2切れ。

何事も寄り添いが大切


続いて牛蒡をダイレクトにささがきし、鮭を埋没させていきます。

分量?適当に決まってんだろ
※口の悪さには定評があります


更に舞茸を手でほぐしながら上に重ねていきます。

こういう光景秋の公園でよく見かけるけど
あれは落ち葉 これは舞茸


コンロ炊飯している間に、お吸い物とサラダを仕上げていきます。
お吸い物は前日から仕込んでおいた昆布に削り鰹を加えた出汁を使います。

サラダは柿、春菊、生ハムを和えて、バルサミコ酢とオリーブオイルのドレッシングをかけたら出来上がりです。

我が家の見ザル聞かザル言わザルのうち
見ザルと聞かザルです



オーブンからはさつま芋の甘い香りが漂い、炊飯鍋の蓋を開けると炊き込みごはんの芳醇な香りが漂ってくる、ここはオータムフェスタ会場かもしれません。


さあいよいよ各種料理が出来上がってきました。ついでに冷奴と数日前に作り置きしておいた蓮根の酢漬けも合わせ、器に食べたいものぜんぶ盛り付けたら完成です。

命名:秋の地味色ご飯と
荒ぶる春菊の奥に隠れているあの子御膳


どうも、兎ですこんにちわ


秋の食材たちが料理になって所狭しとひしめき合いながらも、いろどり豊かな御膳として食卓を華やかにしてくれています。

見た目地味な炊き込みご飯もひと口頬張れば、きっと秋を感じずにはいられないはず。


まずはお吸い物から、いただきます。

ズビ。

アレ。

フユ。

急に冬。


柚子が完璧な冬を演出してくる。

冬の鍋に欠かせないゆずポンを連想してしまうからなのか、それとも実家では冬に必ずバスロマンのゆずの香りを使うからなのか。

いやそもそも柚子の旬はどちらかというと秋ではなく冬なのか。

ほんのひと欠片、柚子の皮を刻んで浮かべたお吸い物が季節を一瞬にして前進させました。

柚子の香に消えた秋と鮭ごはん



秋も鮭ごはんも消えてない。

地味な見た目ながらも牛蒡と舞茸の個性的な香りが鮭とベストマッチし、むしろ素晴らしい存在感を放っていました。

食べれば食べるほど、ああやっぱり秋だなと季節を巻き戻す事ができました。


ああ秋だ 秋が来たぞと…もうええわ

#日記    , #エッセイ , #料理 , #自炊 , #炊き込みご飯 , #柚子 , #スイートポテト , #秋




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