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かまくらづくりは創造的

私は今このnoteを震える手でなんとかタイプしています。 特に左手は、箸より重い物を持つ事は難しそう。

『かまくら』づくりに着手し始めたからです。

なぜ、『かまくら』をつくるのか。そこに、雪があるからだ。

数日前から音もなく降りだした雪は、少しずつ少しずつ重なり合って3日ほどで数十センチの積雪となりました。

木々が風に揺れる音も全て奪い去って、ときどき南天の実をついばみに来ていた鳥の姿も鳴き声もなくなって、そこには静寂しかありません。


よし、『かまくら』をつくろう。

ヘルスデータでは一昨日の歩数92歩、昨日は110歩、今日はまだ30歩って、私の移動スタイル匍匐前進かな。ストレッチも筋トレもやりたくないしどうせなら楽しそうな方法で身体を動かそう。

心がときめくなら、そのときめきに従えばいい。別に深い理由なんかなくてもいい。どうせまた5日から、理由を求められる日々に埋もれるのだから。

J-POPの歌詞なの?

14:00

ようやく大雪警報が解除された。同じくして降雪も小康状態になったので、外に出る準備を開始。上半身はヒートテック、ニット、内ボアのついた厚手のパーカー、下半身はデニムに膝丈まである長靴を着用。

14:15

ドアを開けて外に出る。風もなくそれほど寒くはない。北西の空が真っ暗だし雲の流れも早いのでいつまたひどく降り出すかわからない。
ドアの横にあるスコップを持って、雪の中にサクッと突っ込んでみる。
今回の雪はとても水分が少なく、ふわふわで軽い。

まずは裏庭のどのあたりに作るか位置を決めた後、スコップで雪をすくいながら円を描いていく。すくった雪は円の真ん中に寄せ集めて、どんどん山を作っていく。この山を『かまくら』にしていくつもり。とにかく無心で周りの雪を集めて積み上げていく。

15:00

足先が冷たいけど、身体からは汗が出ている。雪をすくって持ち上げる時にどうしても左に重力がかかるので、左腕が痛くなってきた。ずいぶん山ができたけど、何だか巨大ひよこまんじゅうみたいな形になって、理想からは程遠い。表面もまだぼこぼこしているし大きさも足りない。

雪がひどく降ってきたので一旦休憩。

15:20

太陽が出てきたので再開。山の周りの雪がどんどんなくなってきたので、徐々に雪を積み上げる作業に距離が出てくる。それでもとにかく積み上げていく。

大体110〜120センチぐらいまでは積み上がった。そこでふと、こんな軽い雪を積み上げても穴を開けた時に倒壊するんじゃないかと思いつく。定義は違えど、これは私の中で立派な建造物だ。強度が足りないなんてもってのほかじゃないか。

15:45

ひとまずコーヒーブレイク。雪の中で飲むコーヒーは格別に美味しい。それっぽくオシャレに写真を撮って、Instagramデビューしてみようかなと思ったけど、マグカップがダサすぎて無理。
チラチラとまた雪が舞ってきたので、コーヒーを一気飲みして作業再開。

ここからは大きくしていきながら、強度も意識する。

16:30

少しずつ疲れが出てきて、1回あたりのスコップに乗せる雪の量が少なくなってきた。まもなく日が暮れるので、ここからは一旦固める作業に入る。
スコップの裏面を使って、ひたすら『かまくら』をバンッバンッと叩いていく。

16:45

本日の作業は一旦終了とする。
家に入り今更ながら『かまくら』の画像を検索してみると、似ても似つかない程立派な『かまくら』の写真が出てくる。ならば私が今作っているものは一体何かと疑問になる。

とりあえず、疲れたのでまた明日。


8:30

左半身の筋肉痛ひどい。しかも9時過ぎからまたひどく雪が降り始めてきた。今日で仕上げたいが、気持ちが萎える。

13:00

太陽が出てきた。今がチャンスとばかりに準備を始め『かまくら』づくりを再開する。昨日の雪と比べ物にならないぐらい水分を含んで重たい。しかも筋肉痛がひどく思うように作業が進まない。

13:30

もっと大きくしたかったけど諦めて穴を掘り始める事にする。ザクザクとスコップで粗く穴を開け、中の雪をかき出していく。積み上げた雪をまた放り出すとは何とも不条理な感じ。
掘りながら映画「黒部の太陽」の破砕隊を思い出したけど、開通させたらただのトンネル。

14:00

作業開始から1時間ですでに体力を消耗。『かまくら』に厚みがないのでこのまま掘り続けると本当に開通してしまって、祝・テープカットだ。
大人1人が屈んで入れるぐらいの穴は空いた。もういいじゃないか、そろそろ完成としよう。
手で雪の表面を擦ってなだらかにしてみるも、素手なのですぐに挫折。

14:15

離れて見てみる。

画像1

ダース・ベイダーのマスク感ある。
全然可愛くないので耳をつけてみる事にする。

14:25

耳完成。

画像2

カエル感ある。
こうじゃない。耳にしたい。
よし、耳飾りを付けよう。

14:30

耳飾り完成。

画像3

カエル感まだある。
もういい。

14:40

そおっと、中に入ってみる。
倒壊するんじゃないかという恐れが脳裏をかすめて、くつろぎを妨げる。
もういい。

ここまでとする。


かまくらづくりを通して感じた事を、最後いい感じに言語化したかったけど、無心で楽しめたという事以上でも以下でもなかった。


#日記 , #エッセイ , #雪 , #かまくら , #カエル , #ダース・ベイダー , #建造物




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