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読書録📚農家はもっと減っていい

書店で気になり手に取りました。

慶応大の経済学部を卒業後、会社員から農家に転身した著者。
生産現場のリアル、経営視点、海外との比較、組織づくりなど、あらゆる視点から農業が見えて面白かったです。

農家は守らなくていい。
耕作放棄地は増えていい。
農家は"有機野菜"に崇高な理念なんかない。

これまでの農業の常識が、ガラガラと崩れ去るような読後でした。

読了後、自分で野菜を作ってみたくなりました。

***

有機栽培への消費者イメージ

身体に良い、値段が高い、こだわり、健康、無農薬、天然、自然

出典

このような消費者イメージと、
実際の生産現場の認識には解離がある。

有機栽培だから安全、
そうでなければ危険
なのではなく。

以下の要件を満たしていれば、有機栽培になる。

  • 化学的に合成された肥料農薬の使用を避ける。

  • 遺伝子組換え技術を利用しない。

  • 播種(はしゅ)または植付け前の2年以上の間、有機肥料での土づくりを行った田畑で生産されたもの。

逆に言えば、これさえ満たせば有機野菜と名乗れる。

たとえば、"環境への配慮"をイメージして手に取った有機野菜。

もしかしたら、
大型の植物工場で作っていて、多大な環境負荷がかかっているかもしれない。

***

農薬は危険、無農薬は安全。

ではなく、
そもそも日本の野菜は全て安全。

農薬を使う背景には、
日本は病害虫が出やすい、雑草が生えやすい
などの理由があり、

スーパーに豊富な野菜が並ぶのは、
農薬の恩恵を受けた結果。

無農薬の野菜だけでは私達の食を満たせない。

刺さった言葉↓

食べ物を作る人も売る人も食べる人も、自ら望んでフードシステムにつながれてきました。
そして、皆がその恩恵にあずかっている、言い換えれば、加担しているわけです。
その全体構造を理解せずに、「構成部品」でしかない企業や農薬や食品ロスを批判することに意味はありません。

〜中略〜

全体構造の利益を享受しながら、消費の選択を少し変えただけで汚れなき「外部」に脱出できると考えるなら、それは思い上がりです。

本書より

感想

必要以上に有機栽培を神聖化したり、農薬や食品添加物を恐れたりする背景には、無知があるように思いました。

わたしも、例に漏れずきっと無知です。
生産現場と消費者が切り離されすぎているのでしょうね。

農家が減っていいとは思っていませんが、
食料自給率を下げないことは必要だと感じます。

外国から買えばいいじゃん、
ではなんとなく心許ない。。

だから、日本の作物を応援したい気持ちは変わらないのですが。。
やみくもに日本の土地に合わない作物を作ってもしょうがない気もします。
↓土壌のことを知れる本

少し前にホームベーカリーを買ったのですが、
スーパーで買う小麦はほとんどが外国産だと気が付きました。
最近夫も私の影響で国産に切り替え始め、国産小麦、国産醤油、国産にできるものは国産に。
フードマイレージ短めな食卓になりつつあります。ただ、ネットで買っているというね‥!(ここに矛盾)

けど、こんなこと全家庭がやるのは非現実的だし、そもそも国産で全国民は賄えない。。



四の五の言わず、自分でなにか作ってみると手っ取り早そうです。
購入しているだけでは、きっとわからないことがたくさんありますね。

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