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わたしたちに必要なのは悪口だった!コンセプトワークで私ならではの働き方が見つかる

2023年4月に、ひとり起業家さんを対象に、Instagramの投稿画像をCanvaで作成できるようになるための講座を開きました。

講座を作ったきっかけは、「Canvaを使いこなしたい」という声をたくさんもらったからでした。そこで、当初講座内容も「Canvaの使い方」を煮詰めて構成していきました。

ですが、資料を作りながらふと、「デザインの世界は奥が深く、情報量も膨大だけど、みんなはデザイナーになりたいわけじゃないよね?」と思い始めました。

デザインは、アートのように見て味わってもらうものではなく、理解して行動できるようにするために創作するもの。

誰に何を伝えてどう行動してもらいたいのか?が決まっていないとそもそもデザインは生まれないんです。

もしかして、Canvaを前にして手が止まったり膨大な時間がかかるのは、「慣れてないという理由以外に誰に何をの部分、コンセプトがはっきりしていない」ということに理由があるかもしれないと思いました。

そこから内容を大きく方向転換。

まず1番にコンセプトを決めるところからスタートする内容に変えて講座を行いました。

その結果、講座終了後、

「投稿よりも大切な「自分のやりたいこと、表現したいこと、好きなこと」を深ぼりできました。」(ヨガインストラクター)

「デザインをするには私の本当にしたいことを、見直し突き詰める必要があることに気づけました。」(アロマセラピスト)

こうした感想をいただき、ひとり起業家さんにはコンセプトワークが有益だと確信しました。

そこでこの記事では、「ひとり起業家さんが自分ならではの働き方を見つけ、筋道を立てて淡々着々と行動し、その結果自信を持ってお客さんに価値提供できるようになる。」このような状態になるためにコンセプトがどれだけ力になってくれるのかをおすすめ書籍や経験から学んだことを交えてお伝えします。

コンセプトとは?

コンセプトは、商品・サービスを提供する活動(ビジネス)の全ての源となります。

活動の全てというのは、デザインはもちろん、メニュー内容、ネーミングや発信内容、SNS等での情報提供の仕方など全てです。

なので、コンセプトは、

・商品、サービスのメリットを言葉にしたものではない
・キャッチコピーでもない

コンセプト作りで行うのはは、提供側であるあなたと、お客さんの双方がその商品・サービスの未来の展望を感じられる言葉を見つけだすことです。

例えば、100円で色々なものを買うことのできるダイソーは、“主婦のゲームセンター” というコンセプトから始まったそうです。

また、スターバックスのコンセプトは、“サードプレイス(第3の場所)”「家庭でも職場でもない第3の空間を提供する」というコンセプトです。

コンセプトを耳にした瞬間、なんとなくでもやろうとしていることが理解できるとともに、感覚的にも「なんか良さそう」です。

デザインするということにおいても、ダイソーのコンセプト、 “主婦のゲームセンター”であれば、誰に何を伝えてどんなふうに行動して欲しいか?がおぼろげながらでも想像できませんか?

私は、ダイソーの彩度の高いくっきりした看板、ごちゃごちゃとした迷路のような店舗で宝探しするように買い物する体験を思い出し、「なるほど」っとにやりとしました(怪)

あなたならどうデザインしたいですか?
アイデアや「こうしたらどうかな!?」と、意欲が出てくるのがコンセプトの力です。

その意欲と共に、コンセプト自体が商品・サービスを提供する活動(ビジネス)の全てをけん引していきます。

数あるコンセプトワークから選んだ2つの参考書籍

コンセプトの作り方に関連する書籍はAmazonで検索すると60冊ほど。

全てに目を通したわけではありませんが、数十冊の中から2冊の書籍を選んでひとり起業家さんがコンセプトに辿り着けるようカスタマイズしました。

どちらの書籍も目から鱗がポロポロ落ちるとともに、胸が熱くなります。

コンセプトさえ見つかれば、差別化もデザインも不要です。
その後、何をすべきか、どうすべきかは、コンセプトに導かれていきます。
設計、製造、販促、営業など、 関わる人たちがそれぞれ「自分たちは何をすべきか」について理解し、 一貫してブレない商品やサービスができ上がります。
世の中に良いものを、1人でも多くの人に届けたい。
そう思うすべての人にお届けします!

コンセプトのつくりかた 玉樹 真一郎 (著)


こんな話があります。
「ライター」は、もともと片腕の人でも火を起こせるように発明されたものでした。
「曲がるストロー」は、寝たきりの人が手を使わなくても自力で飲み物を飲めるよう作られたものです。
それが今では障害者、健常者、関係なく広く利用されています。
障害者にとって便利なものは、健常者にとっても便利だからです。
つまり、「すべての弱さは社会の伸びしろ」。
ひとりが抱える弱さを起点に、みんなが生きやすい社会をつくる方法論。
それがマイノリティデザインです。

マイノリティデザイン―弱さを生かせる社会をつくろう 澤田智洋 (著)


私がご一緒させていただいている起業家さんは、ベンチャーやスタートアップという形ではなく、本業を持ちながらとか、空いている時間の合間にといった形でビジネスを始められている方がほとんどです。

起業の目的の比重も、成果や数字を追うというより、仲間づくりや自分の成長に重きを置いて活動されているので、そうすると一般的な目標とかやり方は合わなかったりします。

最初は分からないなりに始めてだんだんと形になっていくと思いますが、途中で自分ならではの仕事をしていきたいというフェーズが来るのではないかと思います。

自分の本当にやりたいこと、好きなこと・得意なことに、商品・サービスを掛け合わせるとそこに新しい価値が生まれます。その新しい価値はあなただからこそのものだし、あなたのビジョンそのもの。

コンセプトワークは起業そのものがしあわせな活動になるきっかけを与えてくれます。

わたしたちに必要なのは悪口だった

コンセプトを作るワークでは、付せんを使ってどんどん書き出していき、それを並べ替えたりつなぎ合わせたり、より深く思考したりの作業を行って見つけます。

書き出す内容は、

  • 自分の得意なこと、好きなこと、これまで経験してきたこと

  • 自分の喜怒哀楽

  • 商品・サービスの良いところ お客さんの声

  • 商品・サービス、業界の悪口

最大のポイントは、ポジティブな内容だけでなく、ネガティブな内容も同じくらいたくさん書き出すことです。

ビジネスは、提供する側がお知らせをして、それを欲しいと思った方がお客さんとなり、お金と交換されます。

あなたがお買い物する時のことを思い返して欲しいのですが、ある商品の存在を知って、それがどんな風に機能し、自分にとってポジティブな結果をもたらすと理解できたとしても、必ず買うとは限らないですよね?

良いことは分かっているけど手に取らないのは、あなたが何かしらの難しさやハードル、ポジティブを上回るネガティブ要素を感じているからです。

例えば、私は妹と布ナプキンのお店をしているのですが、私たちがどれだけ布ナプキンの良いところを説明したとしても、価値観によっては商品の良いところをネガティブイメージが上回った状態で判断が行われます。

・オンラインでしか売ってない(商品)
・洗う手間がかかる(商品)
・値段が高い(商品)
・スピっぽい(業界)
・他の生理用品を反対してる感じで押しつけがましい(業界)

こうした悪口は、ネガティブをポジティブにひっくり返すためのものではありません。コンセプトによって、ネガティブ要素を上回る価値を示したり、またはネガティブ要素を気にならなくすることが可能になります。

スターバックスの例でいうと、スタバのコーヒーは他のカフェより高い。。でも、不思議と値段が気にならなかったりしませんか?

スタバはコーヒーを提供しながら、“サードプレイス(第3の場所)”「家庭でも職場でもない第3の空間を提供する」をしているからこそ、ユーザーである私たちはそれを肌で感じ、美味しいコーヒーと共にくつろぐ時間に価値を感じているからではないでしょうか。

自分の愛する商品・サービス、業界の悪口を書き出すことは、なかなか骨の折れる作業に感じるかもしれません。ですが、悪口はいわゆる本音でもあり、それはあなたならではの働き方を見つけるヒントに。

あなたが業界に対して持っている何かしらの不満や、いけてなさなんかも素直に認めることではじめて、あなたならではの提供方法や見せ方へ舵をきることができます。

起業そのものがしあわせな活動に

起業に対して難しさを感じている人は多いのではないかと思います。
私自身、頑張りとか根性とか、苦労など当たり前に受け入れてきましたし、「起業はそういうもの」と思っていました。

だけどある時、仕事において成果や数字を追うことが私にはどうしてもできないということに気づきました。そして、「生きることそのものが仕事になれば最高なのにっ」と思うように。

プロセス自体に喜びを見いだしたい。そのためにはどうすればいいのか?

最初はノートに、「本当はこうしたい」と、箇条書きで書いて時々読み返すことだけしていましが、この方法だとすぐ忘れて、意識が住み慣れていた気合と根性の世界に戻ってしまいます。

ところが、同じ短い言葉でも、コンセプトにすればそれが「道しるべになってくれる」のだと知りました。

コンセプトは、提供側であるあなたと、お客さんの双方がその商品・サービスの未来の展望を感じられる言葉になったとき、完成します。

ばらばらに在ったあらゆる要素が思わぬ形で繋がり、広がり、濃度を高め、新しい価値が生まれる、それも独りよがりではなく世界をより良くするビジョンでもある

オフラインでもオンラインでも付せんが使えればできます

これまで10名の起業家さんとコンセプトワークを行ってきました。
まだまだ始めたばかりではありますが、「商品・サービスを提供する活動(ビジネス)の全てをけん引していくコンセプトに辿り着く」体験は、心から感動します。

起業目的が成果や数字を追うというより、仲間づくりや自分の成長に重きを置いて活動されている方は、全員に強く強くコンセプトワークをされることをおすすめします!

ひとりで行うより2人以上、できれば3、4人でワークするとより充実した体験になり、それにともなってオリジナリティがぷんぷん香るすばらしいコンセプトが生まれます。

そのオリジナルに香るコンセプトは、自分のみならず周りの皆さんをも巻き込んで、楽しいものづくりへと誘ってくれるようになります。

司会進行役が必要であればかけつけますのでコンセプトワークをしてみたい方は是非LINEをください。

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