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去年のGWはキューバにいた③(タクシーでトリニダーへ)

チェックアウトの日、支度をして朝食をとっていると、乗合タクシーは30分も早く私の宿の前までやってきた。外国のくせに、むしろキューバのくせに時間を守って迎えにくるなんて。むしろ早すぎる。

タクシーはランドクルーザーだった。

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ひゃーかっこいい。かっこいいぞ。

私は愛知県在勤の会社員なので、ついつい「トヨタって私の街の会社なの!いいよねランクル!」とドライバーの兄ちゃんに話しかけようとしたところ、スペイン語しか通じないことに気がつき、撃沈。
(このあと要所要所で、「観光業従事者などが英語を喋れるだけで、一般のキューバ人は英語が日本人並に苦手」だということに撃沈させられることになる)

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ちなみにトヨタ車・ランクルのくせにハンドルが三菱製。この国では修理はディーラーに持ち込むものではないはず。トヨタの純正パーツなんて手に入らないのだろう。

中も赤で統一されていてイケてる。


さて、宿にあんなに早くなってきたのは私が最初のピックアップ客だったためで、タクシーは市内の宿を回ってつぎつぎと乗客をピックアップした。

まずはスペイン人女性2人組。

次に、日本人男性ひとり(やった!日本語通じる!)

続いて、アメリカ人カップル。

続いて、どこの国の人か忘れた、欧米人女性2人組。


ん?


ランクルって7人乗りじゃなかったっけ…?

乗合タクシーって4人までって言ってなかったっけ…?

8・9人目が乗車した際には乗客の荷物は車内からおろされ、そしてランクルの屋根に紐でぐるぐる巻きにくくりつけられた。ママチャリの荷台にぐるぐる巻きにするそれの長い版みたいな紐だ。

ん〜〜〜〜〜〜?!これ、途中で放り出されませんよね…?!

「こんなこと、こういう国ではざらだよ。よかったね、雨が降らなくて。今後はバックパックの雨よけカバーを持っておくといいよ」と日本人男性(30代後半、旅の達人)が教えてくれた。

その日は快晴で、被害はキャリーバッグの中のキットカット抹茶味(チップ代わり。完全にオードリー若林の旅行記の受け売り)が溶けるのみにとどまった。荷物も無事にトリニダーまで到着した。


なお、乗合タクシーはこんな感じだった。

・英語が通じない(ドライバーと会話するときは英語が通じるスペイン人に通訳してもらった)
・定員という概念はない(普通のランクル・7人乗り)
・トイレ休憩は挙手性。サービスエリアがないので「野」。
・ハバナ〜トリニダー間、結局6時間かかった(4時間って言ってたのに…)


本当にラッキーなことに日本人の旅の達人との出会いのおかげで、途中の6時間はずっとその人の旅の話や仕事の話、土地の地理的な話を聞き、ちょっと自分の話もして退屈せずに済んだ。当然日本語だ。彼がいなかったら狭い車内で6時間何をしていたんだろうと考えるとちょっとしんどい。



14時過ぎ、ゲートをくぐると、土の道ががたがたとした石畳に変わった。

トリニダーに着いた。

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そこはおもちゃのようでもあり、映画の世界のようでもあり。

快晴のトリニダーはハバナよりも空気がきれいで、ずっと鮮やかで、かわいらしい街だった。


トリニダーでは大した目的もなくやってきた日本人同士、旅の達人と一緒に街の散策を楽しんだ。

年に何カ国も世界中のいろんな場所をポイ活しながら楽しんでいるという達人はいろいろなことを教えてくれた。

その日の宿の手配を手伝ってもらったり(横でまるでうちの上司のように英語で質問する私を見守り、ときどき手伝ってくれた。どうして私の旅はときどき仕事っぽくなってしまうのだろうか…)、

街中を写真撮りながら歩き回ったり、

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キューバ名物・ロブスターを食べたり(美味しかった!)

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2軒目のバーでキューバンミュージックを堪能したりした。

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バーを出たらすっかり夜になっていた。

この街の夜は車や人が多いハバナの市街地よりもずっとのどかだ。

車のクラクションは聞こえない。涼しくなった夜の空気にそこかしこから音楽と話し声が聞こえる。

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隣のカサに泊まる達人と別れて(その辺は紳士だった)、カサの自分の部屋に戻ってくるととても静かな夜だった。

キューバでは当たり前だがネットもない、テレビもない。しんとした夜だった。

ハバナとトリニダーは、現代の東京と京都の片田舎くらい違う。

クラシックなキューバを御所望のみなさんは、ぜひハバナから1泊外に出る時間をつくって、トリニダーに行ってみて欲しい。

明日は午前中は街を散策して、午後にはビーチリゾート・バラデロに向かいます。


まだまだつづくー!!

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