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青島ろば
2021年10月1日 18:46
目の前に、どうしようもなく避けがたい運命が秒単位のコマ落としみたいにゆっくりと迫ってきて、私は息をのむ暇もなくただ瞳孔が開くままに絶望していた。音がして、その音と同時に横滑りに迫ってくる車が私たちの車のフロントガラスをやぶって、ああ、私は終わるんだと思った。気が付くと苦も無くすべては終わっていた。私たちはまごまごと人の群のなかで何かを待っていた。すると私の名が呼ばれたので、その声の方へ近
2021年10月5日 17:21
それ程長い年月ではなかったけれど、私たちは気もピッタリ合っていて、すでに一つの形を成したいい夫婦だったように思う。初めは気負ってそれぞれの生活を尊重しすぎていたけれど一度大きなすれ違いを経験して、ああこれではダメなんだ、ずっと一緒にいたいなら、素直にずっと一緒にいなきゃダメなんだって思いなおして、そうして同じ時を過ごしてきた。あの人が心から好きだったから、笑ってる顔がまるで砂糖菓子のように思え