(詩)桜は心に

葉桜を見上げ
その幾つもの枝の向こうの
空の青さに放心しながら

散った桜の花は
心にしまっておく
心にしまっておけばいい
嘆くことなく

桜の花は春の一瞬を
夢中で一心に生き
あしたのジョーみたい
後は一年中お休みしてる

土の中でぐっすりと
夢を見ている
次の春はもっと美しくなろう
もっと美しく咲きたいね

そしてたくさんの生命(いのち)を
喜ばせたい
そんな夢を見ているから

散った後の桜の花は
わたしの心に
次の春まで
しまっておこう