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【資金繰りに強い税理士が教えます】税理士試験に銀行との借入交渉という受験科目は無い。税理士に聞くよりも貸借対照表に聞いてみよう。というお話

画像はイランの空港で両替した際のもの。
1万円を両替したらこんなになりました笑
アラブの石油王にでもなった気分ですね。

さて、今日からは銀行借入れの話です。
経営上、どうしても上手く付き合っていく必要がある銀行。
銀行とはベストパートナーであり、同じ船に乗る仲間だ。という気持ちでお付き合いできると良いなと思っています。
そのため、ウソはダメです。
晴レノ日も雨ノ日も正直に話しましょう。

よく聞かれる事なのですが……。
税理士だから銀行交渉の全てを知っている訳ではありません。

税理士試験に銀行との交渉なんて試験課題は一切ありませんから。
ついでに言うと……
どうすれば利益出ますか?
どうすれば売上増えますか?
という試験課題も一切ありません笑

税理士にこのような事を聞いても、基本的に答えは返ってきません。
期待しないでください。

税理士とは、帳簿の記帳を手伝い、それを基に税金を計算する
のが仕事です。

それ以外の経営のコンサルティングを期待するのであれば、それをHP上などで積極的に謳っている税理士にお願いしないとダメです。

無農薬農業をやっている農家さんに、無農薬野菜のレストランを開業するコンサルをしてもらうようなものです。全くの畑違いではないけど、根本的に違うんです。


話を銀行に戻しましょう。
税理士に聞いてもダメなら誰に聞けば良いの?
答えは自社の決算書に聞け!です。

まず、銀行借入れをする前に自社の現状をきっちり把握する必要があります。
歯が痛ければ歯医者だし、骨痛いなら整形外科だし、熱あるなら内科に行きますよね?まずは現状把握しないとダメです。
銀行も交渉に乗ってくれません。

この図を書いてみて、自社は年間でいくら?オカネがショートしているのか?をきっちり把握してください。
(無論、毎月経理をしないと把握できませんよ)

直近の1年でいくらオカネがショートしたか把握できたら
これからの1年で数字がどう変わるか?も予想を立てます。
この2ステップを踏めば、とりあえずの止血ができます。緊急の外科手術のイメージですね。

これとは別に、根本的な治療も必要になります。
根本的な治療は「貸借対照表」にすべて書いてあります。

結論から書いてしまいますが
売掛金ー買掛金=根本的な治療に必要な金額
です。
※売掛金には未収入金など類する勘定科目も含み、買掛金には未払金など類する勘定科目も含むというイメージです。

売掛金とは、売上たけどまだ入金されていないものです。買掛金は逆ね。
この売掛金と買掛金の差額、銀行さんは「売り買いの差額」とよく言いますが、これが超重要です!

仮に売掛金が500万円、買掛金が100万円だったとしたら、売り買いの差額は400万円になります。
この400万円が、どんな事があっても保有しておくべき通帳の最低残高
というイメージなのです。

この400万円
どうして根本的なのか?と言うと、資本金で用意すべきものだからです。
借りたオカネではなく、自己資本として用意したオカネじゃないといつまでも資金繰りが苦しいです。

とはいえ……。
見込みが甘く事業をスタートさせてしまう事もあります。
それを責めても仕方ないので銀行からとりあえず借りましょう。

という訳で
①.資金がショートした分
②.根本的治療に解決な分
この2つは緊急です。急いで借りましょう。利率何%とか気にしていたらダメです。緊急なので、借りないと倒産します。

できればここに
③.来期以降の経営改善に必要な資金
も上乗せできればベストです。
この機械を買えば生産効率が上がって利益増えるぞ。みたいなものですね。

しかしながら、この③は見極めが難しいので、①と②をとにかく優先させてください。

はい、という訳で
数字を見れば全てが分かるよ。というお話でした。
次回は銀行との交渉のポイントについてお話したいと思います。
ではまた!

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