見出し画像

京都暮らしと庭いじり~愛しい土~


去年の晩夏、京都の庭付きの借家に引っ越して来ました。
休眠状態の庭が変化してゆく過程を綴っていきます。


先日、庭の4分の1に砂利を敷き終わったので、残りの部分を掘り起こしていくとする。
10月に入っても日中は夏日のよう。
夕方まで待って、作業開始。

ダンゴムシやミミズ、カナブンの幼虫が出てくる。
あ、セミの幼虫! 土の中に戻す。
セミの幼虫は、羽化する数日前から、外界の様子を伺いにチョコチョコ頭を出すらしいね。
この子は来年出て来るかな?

球根がわんさか出て来る。大きいの、小さいの、いろいろ。
ずっと眠ってたんだなあ。。。
ひとまず、空の鉢に入れておく。どんな花が咲くかしら。

ドクダミとカナムグラ、オドリコソウは地下茎で増えるので、掘り起こすのが厄介。
50cmくらい掘っても、まだまだ奥にゴボウみたいに太い根が続いている。
ふ~~、気が遠くなりそう。
黙々と掘り進んで、根を抜いてゆく。
頭の中に吹き出しが次々と湧いて来る。

「根深い」「根こそぎ」「根絶やし」

私は芝を植えるために、雑草に分類された草の根を排除しようとしている。
地球上で起きた、民族同士の様々な争いや支配、殺戮(りく)を想う。
土に触れることは、地球の記憶と向き合うことでもあるんだな。

太い根っこが途中で千切れてしまう。
中身は白くて瑞々しい。生きているから。

20代の頃、庭付きのアパートに住んでいた。
4畳半くらいの庭の塀添いに、毎年蔓植物を植えていた。
他のスペースは避難通路になるので、フリー状態。
一面にスミレが繁栄する年があれば、翌年は一面キュウリグサだったりする。
平和なように見えて、それぞれの種が我も我もと生存競争を繰り広げているのだ。

垂直に伸びる雑草は、私の手で取り除かれてゆく。
胸が痛む。
雑草と呼んでいるのは人間の都合だ。

地球は、人間や動物が他の生き物の命を奪って繁栄する仕組みになっている。
植物も、他の種よりも少しでも伸びて、葉を広げようと競争している。

負の連鎖から抜け出せない人類。
地球に生まれて来たことが辛くて辛くて。
来世は地球を卒業して、他の星に行けるよう、今世で3回分の人生を生きようとガムシャラに進んだ。

30代半ばで、今世で消化できそうにない課題に直面。
焦ってもしょうがないので、来世も地球で取り組むことを受け入れた。

すると、前よりも世界が色鮮やかに映るようになった。
美しい星、地球。

どんなに私が雑草を排除しても、彼らの種は風に乗り、土の中へ潜り込む。
地下茎を張り巡らせて、復活する。

引き抜いた雑草や地下茎は、庭の隅に積み上げた。
肥やしとして、この庭を支えてもらうために。

いつか自分も土に還る。
愛しい土。愛しい地球。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?