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中国福州隔離日記【DAY4】午前

『1984』なのかあるいはマルケスのマジックリアリズムなのか、と考えていたが、どうも後者に近い気がする。

朝7時半、検診のチャイムで起床。やることはわかっているので挨拶もなくただ額をだすだけ。監獄的のぞき窓があれば手だけだせば、それで終わりなのだけど。

7時40分、朝食届く。
かぼちゃ粥、ゆで卵、Qちゃん、油っぽいちまき、牛乳。まあ、朝はいいね。

食べながら、昨夜書いたのはほんとうなのだろうか、と思い、通行手形に関する情報を集め始める。というのも、通行手形について聞いた話は、すべてこちらの居住者からの情報だったので、海外からの情報ではない。

よく落ちる携帯アプリと中国語のみの表記に負けそうになりながらもついに、アリペイからトラベラー用の通行手形登録入口までたどり着く。あっさり登録終わり。緑のEQコードが表示される。

つまりは、こういうことだ。

閉ざされた部屋の中で、こちらの人のリアリティに基づく(あとは昨年の滞在経験に基づく)知識から想像した現実は、かならずしも実態をなぞっていなかった。この国では、書類の不備やIDの不所持でほんとうにどうしようもなく足止めになることがある。それは事実。

しかし、まったく別の解決法が存在している場合もあり、それはだれも教えてくれないので、自分で探さないとたどりつけない。なので昨日の情報はこれから修正しておく。

というわけで、一般の旅行ができるようになったときには、もっと便利なシステムができていると思うので通行手形はとりあえず大丈夫なのかな。もちろんスマホは必須だし、その扱いに関するリテラシーも必須なのだけど。
いまチャイムが6連打されて、昼食が届いた11時。パッケージの上からでもごはんの上の揚げものが手を振っているのがみえる。マジックリアリズム…。

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