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私の膠原病 自己モニタリングが必要な理由①「複数発症の可能性」

約十年前に発症した私の膠原病について、ずっと気持ちのどこかで気になっていることがありました。それは①複数の膠原病発症の可能性と、②ステロイドの副作用のことでした。服薬により症状が数年間落ち着いているため、今回はこのことを整理したいと思います。

複数の膠原病発症の可能性


1.これまでの気持ち


この十年の間にも、様々な体の異常がありました。大きなものでは、発症から三年目に、視覚異常(左右の視野交錯)が一年間にわたってありました。また3年前には(直接の因果関係は明らかではありませんが)心筋梗塞になりました。
発症して以来ずっと、私は症状再燃の不安を感じていたのだと思います。その上で私の場合には、今後も複数の膠原病の発症の可能性があることを、何となくは知っていましたが、あえて考えないようにしてきました。今の病気に対処するのに精一杯なのに、さらに新たな何かを背負うのは、とても耐えられるとは思えなかったのです。

けれども、ずっと何となく不安を抱えているのも辛いものです。症状が落ち着いている今、現実を正面から見据えて、変化に早く気づけるようにしたいと、やっと思えるようになったのだと思います。

私が、注意深く自分の体をモニターし続けなければいけない理由の一つには、更なる病気の発症の可能性があります。


2.なぜ膠原病は複数発症になることが多いのか

この点について、膠原病をわかりやすく解説した本を何冊か読んでみました。

🔹続発性膠原病
膠原病には、単発の「原発性」のほかに、「続発性」と呼ばれる複数の発症が多くあります。
例えば、私の背中の神経を自己免疫反応で壊してしまったシェーグレン症候群は、関節リウマチやSLEの合併症となることが多くあります。したがって一つ発症した場合には、他の発症があり得ると考えた方がよい病気です。

膠原病は、他の病気と異なり、膠原繊維と呼ばれる細胞同士を結び付ける成分組織の異常を指します。この繊維組織は、血管を含めた体中のすべての器官にあります。そのため、全身のあらゆる部位に異変が起きる可能性、それが同時多発的に起きることがあるそうです(現在の研究では、必ずしも膠原繊維に異常があるのではなく、結合組織に走っている血管の内壁や壁周囲に病気の原因となる白血球が起こす反応が起きることがわかってきているそうです)。

このように全身にある共通の性質を持つ身体組織が要因となるため、複数の膠原病を発症することがしばしばある、簡単に言うとそういうことのようです。


3.膠原病の特徴

また、膠原病の他の病気と違う特徴があります。
一般的に、膠原病は3つの側面でその特徴が説明されています。

🔹病因
誤った50種類の抗体やリンパ球を作ってしまうことによる、自己免疫性の疾患です。
この病因による疾患が、①臓器特異的自己免疫疾患と②全身性自己免疫疾患です。後者が膠原病と呼ばれています。

🔹症状
症状として、リウマチ性症状と呼ばれる関節や筋肉の痛み、脱力を伴います。

🔹疾患の部位
疾患の起きる場により、結合組織性疾患と呼ばれます。
結合組織には血管が通っています。結合組織は組織をつなぐ役割、栄養補給、老廃物を排出する、異物の侵入を防ぐ等の役割を担っていますが、その結合組織が、疾患によって損傷を受けます。


4.膠原病の原因

・原因は特定はされていません
・変異、仕組みの異常、自分の体を攻撃しないという教育を受けていないリンパ球の発生、紫外線・ウイルス・化学物質等による事故成分の変化(異物化)、抗体の網の破綻、遺伝等が言われています。
・妊娠、出産、外傷、手術等の体が傷つくことが契機となる場合があると考えられています。
・因果関係は判明していないが、発症者の2%に強いストレス状況があることが報告されています。
・その他、ウイルスによるリンパ球の活発化や、薬物が体の成分と結合する説、紫外線等が原因として考えられています。
・女性ホルモンとの関連があると考えられ、男女比は1:14。40~60代が最も多くなっています。


膠原病が、その特徴から、複数の器官、組織に発症する可能性が高いことが少しわかりました。

だからこそ、常に自分の体をモニターし続けて、体の痛みや違和感に早く気づく必要があるのだと思います。

(②へつづく)
次回の投稿は8/11です。


文・写真:Ⓒ2020 青海 陽


読んでいただき、ありがとうございます!☺ かつての私のように途方に暮れている難病や心筋梗塞の人の道しるべになればと、書き始めました。 始めたら、闘病記のほかにも書きたいことがたくさん生まれてきました。 「マガジン」から入ると、テーマ別に読めます(ぜんぶ無料です)🍀