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きょうだいたちと晩餐

きょうだいたちを並べた。4人。 彼らは、いわゆることが一度以上何かあった人たちだ。 それぞれに終わっているから、欲の灯った目で私を追う人もいない。うっすら、この中に兄弟がいることぐらいわかっているはずだが、そんな話題は出てこない。今更、なのだ。彼らにとっても私にとっても。欲しくて欲しくて仕方なかったのに、つまみ食いしてしまった瞬間にやっぱやめとこう、となる。食欲って不思議なものだなあとしみじみと思う。 ひょっとして、全員が全員、あいつは俺に夢中とでも思ってるのだろうか。全

    • ツキイチ、チーター

      どうせ、理由はしってるんだけど、定期的な陰鬱は毎月やってくる。 意味もなく月を見上げたくなって、寒いのに夜風に当たりたくなって、できるなら雪に手をのっけて霜焼けになって指が凍ればもしかしたら明日からPC触らずに済むのになあ、と妄想。 はじめはもっと、変な高揚感に包まれていたような気もする。 プールに入れない特別な私。 今日だけは走らなくてよい。その上、理由は言えないのなんて秘密。 暑い夏に蒸れる感じ。コソコソ持ち出すポーチ。 いつもより張り付く下着の不快さ。 なんとなく大

      • ないない、もうアラサーやぞ

        「あれ、そんなだっけ?」 ん? 「え、だって、こんなにテキパキしゃべる感じ、見たことなくて。」 まただ。ときおり指摘されるこの性格に、だいぶ飽き飽きしている。どうせ、思った感じと違う、と言いたいのだろう。このあとの展開は見えてて、癒やし系の子だとおもったのに、とか何とか言われて、フェードアウトになるのだ。出会ったときにほわほわしてたら、なぜ最後までほわほわしてなきゃいけないのだ。もうアラサーやぞ、そんな奴、おれへんやろ。2回目のデートが無駄になったな、と薄々おもいながら

        • セフレに向かって大泣きした話

          今年の目標を早速1つ叶えた。人前で大泣きする、ということ。 子供の頃から、もともと、大泣きする方ではなかった。母に叱られたとき、「泣いてはいけない、お姉ちゃんなのだから」そう思った記憶が鮮明にある。泣くまいと奥歯を噛んだら、唇が震える。唇を震えさせまいと頬を固める、しかめ面にする。そんな顔を見て、母は笑った。 「ぶっさいく。泣きそうな顔をしてる時点で泣いてるのと同じ。」 そして、結局その言葉で泣いてしまうのだった。歪んだ顔は、たしかに不細工だったに違いない。 こっそり泣く大

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