語りたい女 (エッセイ)
コンタクトの度数を2年ぶりに変えた。
いままでは右目の視力の方が良くなかったのに、ここへ来て左目がぐいぐいきている。
頼んでもいないのに3段階も度数をあげてきた。
検査してくれた人の言い方が「快挙です!」のような雰囲気を出していたので、左目の持ち主として、彼の健闘をたたえたくなった。
私の左目は男だったらしい。
新しく度数を変えたコンタクトをその場でつけさせてもらって、鏡を見た。
いい具合に粗が見えた。
『いい具合』とあえて付けて言うことに、とてつもなく意味があるのだと思う。
誰しも『自己肯定皇帝』になる必要がある。(びじゅチューン!『ナルキッソス天気予報』より)
滑稽なものが好きだ。
滑稽な人が良い。
滑稽でありたいと願うのに、「滑稽」を漢字で書けない。
朝から晩まで滑稽なものを目にしている。
だけど人との会話で「滑稽だね」なんて言うと格好つけているみたい。
今朝、家を出てからこの数時間の間に、滑稽な出来事や人や物にたくさん出くわしていて、とんでもなく楽しませてもらっているけど、こういう内容はあまり人には話さない。滑稽だから。
『ユーモアがあって面白いこと。
みっともなくて馬鹿馬鹿しいこと』
このどちらも『滑稽』なんだよ。
滑稽であれ。
あなたも。わたしも。
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