拝啓、ワタクシ、事故りました。/①
①拝啓、ワタクシ、事故りました。
2020年8月14日、金曜日深夜。
何故か、私はストレッチャーに乗せられて、救急車で病院へ緊急搬送されていた。
意識は、モヤっていてハッキリしない。
痛みは、救急車の中では感じなかった。
何故、私は救急車?に乗っているんだろう。
これは夢なのだろうか?
これまでにリアルな夢で、都合が悪い内容だった時に「これは夢、早く醒めないと」と意識する事で夢から醒めるなんてことを体験したことはあった。
「青小人さん、病院につきましたよ」
ICUの中に運び込まれ、ストレッチャーからベットに移された時の痛みで意識がハッキリとする。
「青小人さん、すみません。上着脱げなさそうなので、服を切りますがよろしいですか?」
『仕方がないので、やってください』
弱々しい言葉で伝えると、服が切られていく音がして、布が切り裂かれていく振動が傷を通して伝わってくる。
損傷箇所を色々と触られ、痛みに呻き、応急処置をされ、更なる部屋の奥へと安置された。
計器の電子音だけが響き、動かせない左腕から伝わる痛みで、ようやくこれが現実だと理解した。
拝啓、ワタクシ、事故りました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?