なぜ質問するとコミュニケーションがうまくいくのか?【心理学者の雑学】
コミュニケーションを上手に行う方法の1つに、質問があります。というのも、コミュニケーションをするときに、話し上手にならなきゃというかたがけっこういるのですが、そうではなくて聞き上手になるほうが良いです。
コミュニケーションは1方向ではなく、双方向型なので、相手から話を引き出して、それを聞くことで成り立ちます。
ですので、話の仕方が上手ではなくても、うまく話を引き出すことができればコミュニケーションは円滑に進みます。
今回はなぜ質問をするのかについて説明します。
質問の意味には大きく分けて、「不明点の解明」「話題の焦点付け」「相手を動かす」の3つがあります。
詳細はこちらの書籍にて解説されております。
「不明点の解明」はその名の通り「わからないから尋ねる」です。相手のことでわからないことを、興味を持って尋ねるということですね。情報収集をすると相手がどんな人かわかってきますので、そこから掘り下げて話を聞いていくことができます。
「話題の焦点付け」とは、このことを話題にしたいですという意思表示です。会話の中でもさまざまな話題が出てくると思いますが、その中でもどこに注目して話を進めていくのかは質問をすることで動かせます。
「先週末に公園に紅葉を見に行ったんだけどすごくきれいでさあ。そのあとカフェに寄ったんだけどそこもおしゃれなお店だったよ」という会話になったとして「そうなんだ、どこの公園に行ったの?」「どんなカフェだったか知りたいな~?」ではそのあとに出てくる話題が変わってきますよね。
最後は「相手を動かす」です。これは質問をすることで話題をある方向にうごかしていきます。例えば、ダイエットしてほしいなあと思ったときに、「痩せなよ。」って言ったとしても、「いや無理」ってなりますよね。質問をして少しずつ意識をしてもらうようにしましょう。
Aさん 最近どんなご飯食べてるの?
Bさん コンビニ弁当が多いかなあ
Aさん そうなんだー。コンビニ弁当食べてることについてはどう思ってるの?
Bさん まあ、あんまりよくはないよね。
Aさん そっか、そうするとどんな食事が本当はいいなって思ってるの?
ちょっと直球気味ではありますが、こうして質問を繰り返していくうちに、少しずつ変わることへのモチベーションがわいてきたりもします。
質問をすることは効果的なコミュニケーションに役立ちますが、質問攻めにならないように注意しましょう。質問攻めは尋問にあっているような気持になります。
1つ質問をしたら2回は、うなずきや相槌を入れるようにするといいといわれています。「うんうん」「そうなんだあ」をはさみながら、効果的に質問を入れていきましょう。
最後まで読んでいただいてありがとうございます。
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筆者 あおきしゅんたろうは福島県立医科大学で大学教員をしています。大学では医療コミュニケーションについての医学教育を担当しており、臨床心理士・公認心理師として認知行動療法を専門に活動しています。この記事は、所属機関を代表する意見ではなく、あくまで僕自身の考えや研究エビデンスを基に書いています。
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