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うつ病の原因は?【心理学】

福島県の医学部で学生教育をしながら、心理カウンセラーをしたり、研究をしたり、YouTubeの運営をしたりしてるあおきしゅんたろうです。

みなさん自身あるいはみなさんの周囲のひとでうつの問題でお困りの方がいるかもしれません。

なんでこうなっちゃったんだろう、わたしが悪かったかも、わたしがこうしていれば…と皆さん自身や周囲の方を責める気持ちが出てくることもありますよね。

あるいは気合いややる気が足りない、根性で何とかなるといった心理面に原因を帰属する傾向が多いように思います。

ですが、うつの原因は本当にあなた自身、あるいは周りのみなさま自身の心理の問題だけが原因なのでしょうか?

本日はわたしが修士課程時代に愛読していたこちらの書籍を参考にして解説していきます(うつ病のリスク因子)。

まず押さえておきたいのは、うつはかなり誰にでも起こりうる状態ということです。いろいろな研究成果はありますが、生涯のうち一度はうつ病になったことがある人は約7%いて、うつ病のひとは推定250万人います。

うつ病は、いろんな理由で起こる複雑な病気です。原因については、研究が進むにつれて理解が深まってきました。主に以下の要因がうつ病に影響することがわかってきています。

生物学的要因 うつ病の原因は、遺伝プロファイルや脳の変化などの生物学的要因が考えられます。この病気では、ノルエピネフリン、ドーパミン、セロトニンの神経伝達物質が不均衡になり、気分調節に影響を与えます。甲状腺の問題やホルモンの不均衡も原因のひとつです。更年期や妊娠によるものもあります。

環境要因 ストレス要因がうつ病につながることがあります。虐待や死別、離婚、財政問題などストレスの多いイベントを経験した場合、リスクが高くなります。また、難しい仕事や緊張した人間関係で長期的にストレスを感じ続けることもうつ病につながることがあります。

心理的要因 うつ病になりやすい人には、完璧主義的な人や他人に頼りすぎる人、悲観的な人がいます。特定の性格特性を持つ人や将来への悲観的な見方をする人もリスクが高いです。

からだの病気 病気が長期間続く人は、うつ病になるリスクが高くなります。その理由は、病気に関連するストレスや痛みが長期間続くことと、体内の代謝やホルモンの変化が原因かもしれません。具体的には、糖尿病や心臓病、がんなどの病気が該当します。

物質使用 アルコールや一部の薬物は、神経系と生活に深刻な影響を与えるため、うつ病の原因になることがあります。また、これらの物質をやめる時期にうつが生じることもあります。簡単に言えば、過剰なアルコール摂取や薬物使用はうつ病を引き起こすことにつながる可能性があります。

このように心理学的な要因ももちろんうつ病に寄与しますが、個々の人がそれら全てに当てはまるわけではありません。うつ病の発症は複雑なプロセスで、それぞれの人が独自の組み合わせを持つ可能性があります。

そのため、うつ病になったとしても過度に悲観することなく、じぶん自身のせいにしなくても大丈夫です。適切な知識を身につけ、適切な対処をしていただきたいなと思います。

それでは、最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

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筆者 あおきしゅんたろうは福島県立医科大学で大学教員をしています。大学では医療コミュニケーションについての医学教育を担当しており、臨床心理士・公認心理師として認知行動療法を専門に活動しています。この記事は、所属機関を代表する意見ではなく、あくまで僕自身の考えや研究エビデンスを基に書いています。

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