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なにを優先したらいい?【キャパオーバーの心理学③】

3月のこの忙しい時期に、あなたは、年次報告書の作成、新入社員のトレーニング計画立案、そしてクライアントからの重要なプレゼンテーション準備という、三つの大きな仕事を同時に抱えていました。

これらはそれぞれ別の期日が設定されており、年次報告書は来週、新入社員のトレーニング計画は明後日の提出、クライアントへのプレゼンテーションは明日の準備が必要でした。

そんななか、上司から急に「今週中に競合分析レポートを完成させる必要がある」という新たな急な仕事がふってきました。

これまでの仕事が全て重要だと感じていたため、どれを優先すべきか、どの仕事をどのように調整すればいいのか、決めかねていました。

この状況であなたはキャパオーバーになってしまい、どの仕事にも十分な時間を割けずにいました。最終的に、仕事の優先順位をつけることができず、クライアントへのプレゼンテーション準備に必要な時間が不足する事態に直面しました。

さて、キャパオーバーの心理学シリーズの第3回では、「優先順位の設定」をテーマに考えていきましょう。

日々の生活の中で無数のタスクや責任に直面する中で、重要なものに集中し、効率的に時間を管理することは、ストレスを減らし、生産性を高める上で不可欠です。

この記事では、タスクの優先順位を決めるためのの方法や効率的なタイムマネジメント戦略について掘り下げていきます。

優先順位を決める

優先順位を設定することの心理学的な側面は、自己理解と目標設定の重要性に根ざしています。

私たちは、自分自身の価値、長期的な目標、そして日々の活動がどのようにそれらの目標に貢献しているかを理解する必要があります。

例えば、健康を重視する人は、運動や健康的な食生活を優先することが多いです。このように、自分の価値を明確にすることで、日々のやることの中から本当に重要なものを選び出すことができるようになります。

冒頭の例のような場合、まず、自分の長期的な目標と、それを達成するために必要なステップを明確にしたり、仕事以外の時間、特に家族や趣味と過ごす時間の価値も再認識することができます。

例えば、クライアントへのプレゼンテーションは、あなたのキャリアにおいて重要なステップであり、企業としての地位を向上させるチャンスであることから、最優先事項とするかもしれません。

一方、年次報告書の作成や新入社員のトレーニング計画立案は重要ではありましたが、直接的にはあなたのキャリア目標に貢献しないため、これらのタスクに割く時間を調整することもできるでしょう。急に割り当てられた競合分析レポートについては、同僚と協力することで効率的に進める方法を模索しました。

価値についてはこちらの記事もご覧になってください。

タイムマネジメント

効率的なタイムマネジメント戦略には、具体的なテクニックが数多く存在します。

タスクを「緊急かつ重要」「重要だが緊急ではない」「緊急だが重要ではない」「緊急でも重要でもない」の4つのカテゴリーに分ける方法です。

この方法を用いることで、日々の活動を効率的に整理し、本当に重要なタスクに時間とエネルギーを集中させることができます。また、そのタスクに使う時間を事前に抑えてしまう方法を使うことで、特定のタスクに集中するための時間を設定することも有効です。

例えば午前中の3時間はプレゼンテーションの資料作りに充てるために時間を確保し、午後の1時間ずつで報告書の作成と研修計画立案をする、最後の1時間を何をしてもよいすきまの時間にするなども考えられます。

あるいは、曜日の日ごとに課題を振り分けておくということもできるでしょう。

優先順位の設定、効率的なタイムマネジメントは、キャパオーバーの心理学において中核をなす概念です。これらの戦略を実践することで、私たちは日々の生活の中で重要なものに集中し、ストレスを管理し、より充実した生活を送ることができるようになります。

自己理解を深め、自分自身の限界を尊重し、効率的に時間を管理することが、キャパオーバーに打ち勝つ鍵となるかもしれませんよ。

次回は「ストレスマネジメント」について取り上げたいと思います。それでは最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!

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