思考停止、意見を言わないのはなんでだろう?を行動随伴性から考えてみる【研究者日記】
今日の記事はかなりの私見なので、あんまり真に受けずに、軽ーく読んでください。
「ひとは、何を学んでいるのだろうか?」というのが心理学の問いのひとつです。
先日、おかゆさんのTwitter にて
「厳しいことをウンザリするほど心理士に伝えてきて気づいたことは、溝は深まるばかりで何が大切なのか気づくというよりかは私の顔色を見て厳しいことを言われぬよう対処する機会が増えるだけだということ。 お互いが大切にしていることを話し合ったほうがよほど理解は深まることに気づかされた。」
とつぶやかれていたのですが、わたしはこのつぶやきがけっこう大事かなと思っていて、
教育者としては、伝えることで、相手がなにがしに気づくことを狙いとしているのですが、本人にとっては、厳しいことを言われぬように対処するというギャップが生まれているわけです。
ひとには、過去からの一連の流れの中で、「出来事のどの部分を切り取るか?ということ自体を学ぶシステム」が備わっています。
過去から嫌なことがたくさんあって、嫌なことを避けなければやってられんということを学ぶと、以後の人生でも嫌なことを避けるという部分を切り取りやすくなります。そうすると「嫌なことを避けるという行動原則(BISといいます)で動く」ようになるでしょう。
厳しいことを言われないようにするための行動を選択しやすくなってしまいます。
行動随伴性というのは、行動の前後になにがあるか?を考えて、行動の後にポジティブな結果がおこればその行動が増えて、ネガティブな結果が起これば行動が減る、という原則です。
あるいは、行動の後にネガティブな結果が起こらなくなれば、その行動が増えます。つまり、顔色をうかがうという行動(あるいはその人に近づかない)によって、叱責を受けたりしなければ、顔色をうかがう行動が増えます。
日経テレ東大学にてひろゆきさんがお話しされていたのですが
ということです。行動科学的なコンセンサスはフランスに軍配が上がります。
泣き叫んでいるときに叱責するが、最終的に買ってあげる場合、泣き叫んだら買ってもらえるというポジティブな結果が得られています。ですので、「おもちゃが欲しいときに、泣き叫ぶと買ってもらえるんだ」と学習してしまいます。
一方、こういうときには反応しないが正解です。怒るも反応の一種ですので、ポジティブな要素も含まれます。反応しないはポジティブな結果がありません。そうすると「子どもは泣き叫んでも買ってもらえないとなり、おもちゃが欲しいときでも泣き叫ばなくなる」ということになります。
いまだに、日本では怒ることで行動をコントロールできる(罰の錯誤といいます)と考えがちですが、むしろその逆です。思っている以上に、「叱責が行動をやめさせる効果が少ない」んです。
それ以上に、「怒られたという経験が多い場合、怒られないように顔色をうかがったり、自発的な意見を言うことが少なくなってしまう」という弊害があります。
最初のおかゆさんのツイートの話に戻るのですが、「相手の意見に対して、じぶんで考えたり、振り返りをする(リフレクション)、そして自分の意見を述べる」ことが、グローバル社会では確実に必要です。
そういったことができずにいるのは、確実に構造的なエラーですし、過去の経験で、自己主張した結果ネガティブなことが起こることが多かったのだと思います。
一度学んでしまった学習を解除するのがなかなか難しいかもしれませんが、それでもじぶんの意見を述べられるようになったほうがいいかなと思います。対話ができることは重要です。
自分の経験としては、聴く側が聴く姿勢をもって聴けば、どの方でも自分なりの考えを持っていることが多いように思います。意見を言いやすい環境つくりや雰囲気を醸し出すこと、そして意見を言ったあとはポジティブフィードバックする(ディスカッションを展開する)、ということだと思います。
過去にも質問ができないのがなんでだろ?という記事を書きましたが、
意見を述べたことに対して、頭ごなしの批判もですが、意識高い系と冷笑することとかもまずいんじゃないかなあと思います。
じぶんもまだまだ人との関わり方は勉強したり経験しなきゃなあと思います。現実の社会でおこなわれていることが、心理学や行動科学的にあれ?ってことがけっこうたくさんあったりするので、このnoteや下記のYouTubeチャンネルなどで一緒に勉強していけたらいいなあと思っています。
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました。
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