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プロンプト依存や指示待ちの対処【心理学】

福島県の医学部で学生教育をしながら、心理カウンセラーをしたり、研究をしたり、YouTubeの運営をしたりしています。

このnoteでは心理学おたくの岩野さんとともに、ばっちこい心理学というラジオ番組を毎週金曜日17時に配信しています。

このラジオではみなさまからのお便りに心理学を使って回答しているのですが、本日はこのラジオに届いたお便りとその解説についてご紹介してみます。

今回は「2号」さんからお便りいただきました。ありがとうございます。

プロンプト依存ってどうやってなんとかして行ったら良いですか?指示がないと全く動かない人がいます。自分から意思表示してもらうようにするためにどうすればいいか眠れない夜が続いています。

お便りいただいてありがとうございます。

プロンプトというのは「行動するためのきっかけ」です。たとえば、目覚まし時計です。目覚ましが鳴ったら起きる時間だよってなりますよね。そういう動き始める合図をプロンプトと言います。

プロンプト依存というのは「プロンプトが出てこないと自分で行動しない」ことですね。指示待ちに近いものかなと思います。

指示があれば動き、なければ動かない人がいて、指示がない時にどうやって動いてもらったらいいですかという話です。

行動的技法では「フェイディング」という方法が使えます。

なんらかの刺激があって行動は起こるのですが(無料券がある(刺激)とイベントに行く(行動))、行動する前の刺激をちょっとずつ減らしていくんです(声掛けする(刺激)と動く(行動))。

毎回声掛けしてから行動していたことについて、まずは「自分でもやってみましょう」と伝えます。それで声掛けなしで自発的に行動できたら、「いいね、できたね」とプラスフィードバックをします。

少しずつプロンプトを減らしていって、プロンプトがなくても行動できるようにしていきます。そのときもほめたり、なんらかのメリットがあるようにしていきましょう。

最初はできるたびに毎回ポジティブフィードバックしましょう。これを連続強化と言います。行動習慣を作る最初の時期には連続強化が有効です。

行動ができるようになってきたら、今度はフィードバックの回数を数回に1回に減らていきましょう。これは間欠強化と言います。

間欠強化をすると行動が維持される可能性が高くなります。つまり、行動習慣をキープするために有効です。2回行動できたら1回フィードバックしなくするとか、そういった工夫ができます。

じぶんでもやってみてねと伝えたうえで、プロンプトを減らしていきます。いきなりゼロにはしないようにしましょう。

できたら最初は毎回プラスフィードバック、だんだんと何回に1回のフィードバックにしていきます。これでプロンプト依存は改善できるかも?

ばっちこい心理学ではみなさまからのお便りを募集しています。今回の質問のようにご質問いただいた内容に心理学を使ってお答えしていきますので、ぜひ以下のGoogleフォームからお便りをお待ちしてます!

それでは最後までお付き合いいただいてありがとうございました。

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筆者 あおきしゅんたろうは福島県立医科大学で大学教員をしています。大学では医療コミュニケーションについての医学教育を担当しており、臨床心理士・公認心理師として認知行動療法を専門に活動しています。この記事は、所属機関を代表する意見ではなく、あくまで僕自身の考えや研究エビデンスを基に書いています。

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