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死にたいと言われたときどうすればいい?

福島県の医学部で学生教育をしながら、心理カウンセラーをしたり、研究をしたり、YouTubeの運営をしたりしてるあおきしゅんたろうです。

先日、学生さんからご質問いただきましたので、お答えしていきたいと思います。

よく耳にする話として、頻回に死にたいと言われると、また?とかアピールじゃない?と思われるかもしれませんが、

実際に亡くなった方の80~90%が、その行為に及ぶ前に死にたい気持ちを述べているということがわかっています。

ひとの注目をひくためという場合でも、そのあとに自殺行為に発展することもあります。

あのときちゃんと話を聴いていれば・・・とならないように、対応されるのがいいのかもしれません。

苦しさやつらさの訴えは人それぞれちがい、疲れたという人もいれば、しんどいという人もいれば、忙しいというひともいます。

そういうときにみなさんはどう声かけをしますか?

そういった、つらさの訴えとして死にたいということばを使う場合があります。

死にたいほど、つらい状況にあるということです。

しんどかったり、つらかったりするひとがいるとき、「どうしたの?だいじょうぶ?」と声をかけますよね。

死にたいということばをつらさの訴えとしてとらえた場合、つらさを理解していることを相手に伝えるために、まずは話を聴きましょう

どうしたの?と開放型の質問をして、話を聴いていきます。適宜、頷き、それはつらかったねなどと言葉を聞き返ししていくといいです。

話を聴いていって、あ、これは危険がなんだか高そうだなという時は、TALKの原則というものを使っていきます。

Tell はっきりと言葉に出して相手のことを心配していると伝える。
Ask 自殺の危険を感じたら、自殺について質問する。真剣に聞く姿勢があるならば、自殺を話題にしても、背中を押すことにはならない。むしろ、自殺の危険を評価して、予防につなげる第一歩になる。
Listen 傾聴する。
Keep safe 危険だと感じたら、その人をひとりにしない。一緒に居てあげながら、外部から必要な援助を求めるようにする。自分の体を傷つけるような行為に及んでいたら、かならず専門の精神科医につなげる。
Living Works,2012
髙橋祥友,自殺の危険(第3版),2014

自殺行動が切迫している場合、たとえば、自殺に利用する物を用意していたりとか、計画を立てている場合は、専門機関に連絡をして、対応を仰いでください。

もう1つ、話を聴く人もひとりで頑張って話を聴いていると疲弊してしまいますよね。

そんなときにも、もしかすると、専門家の力が必要な場合もあるかもしれないです。

地域の精神保健福祉センターなどでは、そういったこころの困りごとについて相談に乗ってくれるところもありますので、連絡してみるのもありかもしれません。

厚生労働省のページも情報がまとまっていますのでぜひ参考に。

それでは最後まで読んでいただいてありがとうございました。

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筆者 あおきしゅんたろうは福島県立医科大学で大学教員をしています。大学では医療コミュニケーションについての医学教育を担当しており、臨床心理士・公認心理師として認知行動療法を専門に活動しています。この記事は、所属機関を代表する意見ではなく、あくまで僕自身の考えや研究エビデンスを基に書いています。

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