漫画感想:『ハロー、イノセント』38話 / 酒井まゆ

漫画感想:『ハロー、イノセント』38話 / 酒井まゆ

りぼん2023年8月号

りぼん2023年8月号

（※ネタバレあり）

2人で逃げることを選んだ雪灯ゆきとと結以ゆい。
結以はバカなこと言うなって突っぱねると思ってたから意外だったけれども、今までの結以の境遇を思えば「一緒に来てくれてうれしい」と思うのも当然か。

翌朝、雪灯から届いたラインを読んで、雪灯と結以に何かあったのかと心配する遙夏はるか、飯島、山崎の3人。
「心中？」とか軽はずみな発言で遙夏をフリーズさせた飯島に、「そーゆー可能性　俺笑えないかも…」といさめる山崎ほんと山崎。さすが人のことをよく見てる。
テストなんて手につかないと学校を飛び出し、とりあえず結以の実家に向かう遙夏たち。
いいねえ、アオハルだねえ。
（でもテストは受けよう）

駅で張っていた結以の継父、湊につかまる結以と雪灯。
湊は結以を「きれいな もの」と言い自分のものにしようとする。
その前に何やら自分語りしてましたが、湊さん、あなたがまさにその忌み嫌っていた「何でも自分の思い通りにしようとする人間」になってるじゃないですか。
何より結以を“もの”扱いして本人の気持ちガン無視して自分の思い通りにしようとする人間が結以を幸せにできるわけないのよ。
それ以前に結以にしてきたことを、世間にバレれば社会的に死ぬのはあなただと雪灯に詰められても、
「そうなったら今よりもっと一緒にいられるね？」と結以の髪にキスした湊、サイコパス。

湊の結以への好意を擁護する声があるのが理解し難い。
たぶん顔が良いからだな。
イケメンなら何しても許されるってか？　そんなわけないだろ。
湊が結以にしたことに酌量の余地なし。

「私は　雪灯のことが好きだから！！」

ここにきて素直に雪灯のことが好きだと言えるようになったんだね……成長したね結以。おかーさんはうれしいよ（誰がおかーさんだ）

終盤の展開………………………………………………。

やはり【逃げて】と結以にSMSを送ったのは結以の実母、結花だったんですね。
思えば結花さんも周りに頼れる人がいなくてひとりで孤独だったのかもね。
結以に親として、してやれる最後のことだと思ったのかもしれません。
だからといってそれを見た結以が傷つくとは考えが及ばなかったのかな。

しかし、酒井まゆ先生、あと残り1話でこれ完結しますか！？（いろんな意味で）

ハピエンを期待してた半分、過去に『メリーバッドエンド』という短編集も出してる先生なのでメリバの可能性も半分と予想していましたが、ここにきてメリバの可能性が濃厚に…。

ところで話題は少し変わりますが、りぼん買って中にはさまれてるふろくを取り出そうとしたその時、ふろくがはさまれていたページがたまたま件の終盤のページだったんですよ。

火サス……（例えが古い）
聖母マドンナたちのララバイ……（曲が古いけど妙に合ってる）
さあ～眠りなさい～♪（中略）この～都会まちは～戦場だから～♪

「聖母たちのララバイ/岩崎宏美」の歌詞 って「イイネ！」

どういう意味かは『聖母たちのララバイ』を聴きながらハロイノ38話を読めばわかるさ。たぶん。